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お盆に「受託」と「個人開発サービス」の圧倒的格差を思い出した話

執筆者 : WEBのゆうれい

終戦記念日だったこともあって、戦争関連のつぶやきが流れてきた。その中で一番記憶に残ったのは、間違いなく「日本が竹槍で訓練していたときに、アメリカは原爆を作っていた」というツイートだ。竹槍と原爆、その圧倒的な火力の差に勝てるわけもなく、それでも戦争に勝てると信じて、日々竹槍の訓練をしていたのだという。

と、ここまで話をして、今回書きたいことは戦争の話ではない。このツイートを見て、僕はまったく別のことを考えていた。「そういえば、この構造、僕がフリーランスで受託案件だけこなしていた時期と、ちょっと似てるな」という考えが頭をよぎった。

実際、僕が受託案件だけ必死に頑張っていたころ、ある友人は自分のサービスを作っていた。僕だって、割とまともなWEBクリエイターだと自負していて、とっくにココナラやランサーズ、クラウドワークスでの仕事集めは卒業していたし、月に制作案件だけで180万円くらいは届いていた。ただ、本当に必死に働く毎日で、それこそ、丸一日休んだ記憶なんてほぼ無い。そんななか友人は毎日地道にサービスを作り続けていた。

友人がいきなり化けた

そんな僕が必死に働いている最中、いきなりその友人は、2時間で50万円ほど稼ぐことができるようになったのだ。仕組みとしては、法人向けのクローズドSNSサービスをパッケージ化して売ることで報酬をもらう仕組みだ。もちろんSNSサービスはデータなので、いくらでも売れる。在庫などない。しかも営業の人たちをたくさん仲間にして、自分は待っているだけ。営業さんから依頼が来たら2時間ほど作業してインストールすることで、50万円の報酬をもらえるようになったのだ。

その様子を見て、受託案件で必死に数ヶ月働いて、50万円を得ていた僕は、なんだか辛くなってしまった。自分も早めにサービスを作り、自動化しておけばよかったと後悔したものだ。さらに友人は、然るべきタイミングでサービスごと売却して、悠々自適に余生を送るのだという。

実際、受託は儲かりやすくはない

この通り、自分のサービスを持っている人と比べれば、はっきり言って受託はそれほど儲かる仕事ではない。世界を見て見ると時価総額がトップクラスの企業にほとんど「他人からもらった仕事で生きている」企業が無いことがわかる。時価総額も上がりにくい。受託仕事は属人的なので、結局、人がいなくなったら同じ成果は出せないと思われがちなことも大きいだろう。よっぽど、ブランドとして確立し、いくらでも優秀な人材が来てくれる状態で、さらに内部の教育体制や組織づくりがしっかりしている必要がある。

しかし、自分でデザインし、プログラミングを組んだサービスは、たった1人でも同じくらいの時価総額まで跳ね上がったりする。結果、友人のサービスは僕の知っている限り、2人ほどで運用していたのにも関わらず10億円以上で買いたいという企業も現れたそうだ。本人は、もっと高くても良いと言って、売るのを迷っていた。これが「受託」と「自分でWEBサービスやアプリなどのソフト系サービスを持つことの差」なのである。

何度も実験と失敗を繰り返した先にある

ただ、その友人も、一筋縄でそこまで到達したわけではない。売れるようになるまでに大体5年の月日を受託と並行して投じていたし、サービスも10個ほど作って、ようやくそこまでたどり着いたのだという。つまり、サービスが売れるようになるまでには、そこそこ時間がかかるが、売れ始めたら、それまでの月日なんて一瞬で取り戻せるほどのリターンがあるというわけだ。僕はその5年、受託で利益を上げることしか考えていなかった。

結果、5年後の大きな差である。結局彼はいくらで売却したのか、海外に消えていった。僕は言うまでも無く後悔した。なんで5年前、一緒のスタンスでサービスづくりをはじめなかったのかと。どうしてもっと早く、自分でサービスを作ることの価値と、楽しさを味わおうとしなかったのかと。いや、実際のところ、常に頭の片隅にはあった。いつか自分のサービスを作ろうと。しかし、仕事が忙しいという理由で後回しにしてしまったのだ。そんな自分に心底腹がたった。

同じように積み重ねたら成果が出た

以降、僕は受託の仕事を抑え、サービスづくりに専念した。結果、今は自分たちのサービスを売り始め、彼のように、ほんの数時間の作業で100万円〜200万円の利益を得られるようになった。これからどんどん販売を広げていくのだが、受託だけで誰かの仕事を手伝っていたときより、僕には確実に向いていると感じている。高額な分、カスタマーサクセスの考え方に則って、顧客を成功させるための初期コンサルティングもおこなっている。自分たちで新しい価値を作り上げていくのが、本当に楽しいのだ。

だからこそ、僕は受託案件のみに専念していた自分を竹槍で訓練する一般市民と重ね、そして原爆を作っていたアメリカを、サービスを作っていた友人と重ねてしまったのだろう。受託と自分のサービスには、それほどの差があると言って良い。ちまちま余計なところに予算や時間を使うより、その時間でもっと効果的な箇所に投資していったほうが良い。

別に戦争や大量破壊兵器を作ったアメリカを称賛しているわけでは断じて無い。受託案件に基づく仕事を、馬鹿にしているわけでもない。仕事への価値観が規模やお金といった視点じゃなければ、それこそ受託案件も誰かの役に立つ価値ある仕事だ。ただ僕は、結果的に勝ち残る組織や人は、そもそも事業のアプローチが違うと思った。発想が違う、考え方が違う。最終的に、何が自分を勝利へ導くのか、その最適解を合理的な視点から導き出せるから勝つのだろう。どの世界でも同じなんだなと、改めて思った。

自分でサービスを作ることは、まさに合理的なそれだ。他の人が槍や剣の訓練をしているときに、銃や戦闘機を作っているようなものである。それは圧倒的な差にほかならない。それらを生み出すためには、数多くの実験や研究も必要だが、無事完成したときには圧倒的なリターンをもたらしてくれる。ただ、たいていの場合、生み出すまでに時間がかかるのだ。

時間がかかるからこそ、一刻も早く始めたほうが良い

だから僕は、もっと早く初めておけばよかったと後悔したのである。早くても1年〜2年、彼のペースで進めるとすれば5年はかかる。人生の計画の中にサービスを作って運用するというプランを最初から加えて置かなければ、さらに遅くなるだろう。だからこそ、僕は今、WEB制作や開発を学んでいる人たち、そして今ベテランとして活躍している人も、なるべく早い段階で自分のサービスを作り始めた方がいいと思うのだ。キャリアの中になるべく早めにサービスづくりを組み込むことを、絶対にオススメする。

どうせ、はじめてすぐ成功するわけではない。何度も繰り返し実験を重ね、失敗を重ね、その先にようやく自分がどんなプロダクトを作れば良いか見えてくるのだ。一発目から成功するなら、それは本物の天才だろう。もし自分をサービスづくりの天才だと確信しているのでなければ、勉強を始めた瞬間から、仕事をはじめた瞬間から、とにかく早い段階てスタートし、地道に研究を継続すると良い。受託案件の量を削ってもだ。ふと気づいたときには、まわりの受託案件だけに集中してきたクリエイターより、圧倒的に安定と規模、可能性を持った経済基盤が出来上がっているはずだ。

WEBサービスクリエイターを目指すのはかなり良い

そんなサービスづくりだが、実は友人のSHOTA氏が言っていた「WEBサービスクリエイター」という職種はかなり良い。受託案件とサービスをうまく相乗効果でこなしていけるWEBサービスクリエイターのようなスキルセットは、今後、かなり重要視されてくるだろう。下記の記事で詳しく説明してあるので、WEBデザイナーやエンジニアを目指す方、そして、現役の方でキャリアに悩んでいる方は、絶対読んで欲しい。

それにしても彼は、6年前くらいから、このビジョンを実現するために、あっちこっちで事業を起こし、活動している。少しずつ時代がついてきているのを感じるので、ぜひ、WEBサービスクリエイターを普及させて欲しい。もっと面白い未来が誕生することになるだろう。

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