「クラフトビールと銭湯と」という変わった言葉の組み合わせのロゴの話。
今僕が役員をやっているブランディング会社デスケルでは「BathHaus」というちょっと変わったお店をやっています。
「BathHaus」はクラフトビールが飲めるカフェ&バースペースと、奥に男女週替わりで入れる小さなお風呂がある施設です。
元々は地下にコワーキングスペースもあり「仕事してお風呂に入ってクラフトビールを飲むのが最高でしょ」というコンセプトの施設でした。
紆余曲折あり2年前に1階をデスケルで、地下を別の事務所が借りるという形で運営を譲り受けました。
今でこそサウナブームでサウナ施設がたくさん生まれてきている中で、意外と新しい形の「銭湯」として生み出された施設はそう見かけないので、個人的には「銭湯」の歴史の中でとても重要な施設だなと思っています。
話が逸れましたが今回はそんな「BathHaus」の電灯看板用に作った(作ったのは1年以上前)「クラフトビールと銭湯と」という変わった言葉の組み合わせのロゴの話をさせて頂きます。
入りづらい店「BathHaus」!!
もう、これは「BathHaus」をやり始めてからの永遠の課題です笑
入り口から階段を上がって店内に入って行くという構造だけでこんなにもハードルが上がるなんて…。一見さんはまず階段の下から眺めるのが常で、「よし!行くぞ…!」と腹を括らないと入りづらい…。
さらに路面に対して全面ガラス張りのため店内は良くも悪くも丸見え。混んでれば入りづらいし、人がいなければそれはそれで入りづらい。
そして、ガラス張りの奥に見えるのはバーカウンター。「ここに本当に銭湯があるの?」「銭湯は地下かな?」「会員制のバー?」と入店前からまず疑問が生じるお客さん達…。
お客さんにどう気兼ねなく「BathHaus」に入ってきてもらうかを考え、2年間ずっとあーでもない、こーでもない、をやってきました。
そんな「入りづらさ」「わかりづらさ」を解消したい!というわけでまず入り口部分で解消したい課題はザッとこんなものがありました。
とにかく「入りづらい」を解消したい!
夜になると人通りが少なくなるので明かりを足したい
何の店かわかるように明確にする(特に銭湯があると思われない)
1階に銭湯があると認知してもらう
看板を撮ってもらってインスタなどに投稿して欲しい…!
上記を解消するためにまずは路面に電光看板を設置しよう!ということになりました。そしてそこにどんなデザインを入れるかが今回の本題です。
「クラフトビールと銭湯」を明確にするロゴ
まず「BathHaus」は何を売っている店なのかを明確にしないといけません。「BathHaus」のメインサービスは「クラフトビール」と「銭湯」なので「クラフトビールと銭湯」のロゴを作ることにしました。電灯看板に「BathHaus」のロゴを使った店名訴求ではなく、「提供しているサービス」を訴求するということになったため、「クラフトビールと銭湯」という変わった言葉のロゴを作ることになりました。
初期は「レトロ」や「エモさ」を打ち出したデザインにしようと発想して案を出していきました。
初期案1個目。細い線でイラレで描いてみました。「レトロ」や、なんとなくダサ可愛い方面のニュアンスでいければと思った案です。
初期案2個目。イラレのパスで手書き風に。エモい感じが出れば良いなぁと思ったのですが「クラフトビールと銭湯」をサービスで提供しているというよりは、「ちょっと変わった店名」っぽくなりそうだなと思ってボツにしました。
1案目はブラッシュアップまでしてみました。縦軸を太らせてセリフ体のニュアンスを加えていき、レトロ風のロゴにしていきました。可愛かったのですがちょっとレトロ方向に癖が強すぎてしまったのでこちらもボツに。
もう少し癖のないポップなロゴにしたい
3案目はもう少し可愛くポップな方向に出来ないかな、と思い別の方向で発想することにしました。
以前作った「やけいしにみず」ロゴのポップさと可愛さがちょうどよかったのでそこから発想することにしました。
「クラフトビールと銭湯」の店ですが他にも商品があるため「サンドウィッチ」と「コーヒー」と「お食事」も一緒に作ってみました。
全体のバランスを整えていきます。縦軸を太くし、丸みと直角の比率を同程度にしてまとまりがあるようにしていきます。丸みがちょうど良いポップさと可愛さになったのでこの案で進めることにしました。
「銭」の文字の丸みが強すぎたので直角ニュアンスを足して、全体に斜体をかけることにより、各文字に統一感を与えました。
最終的には「クラフトビールと銭湯」と言い切ることが、店の差別化のブランディングになるため他の要素は削ったデザインにしました。ただ、提供しているサービスは「クラフトビールと銭湯」だけではないので最後に「と」は付けたままにしました。
「入口は階段を登った1階だよ!」を訴求するサインも下に付けてデザインは完成です。
電灯看板完成!効果のほどは?
そして看板屋さんに入稿!喫茶店や居酒屋で見かけるような電灯看板が完成しました。
結果、インスタでも看板画像を投稿すると「クラフトビールと銭湯と」という変わった言葉の組み合わせにより他の投稿より反応が多くなりました。
「店の前で撮影できるもの」が増えたことでお客さんにも看板を撮ってもらうことが多くなりました。
結果、
とにかく「入りづらい」を解消したい!
夜になると人通りが少なくなるので明かりを足したい
何の店かわかるように明確にする(特に銭湯があると思われない)
1階に銭湯があると認知してもらう
看板を撮ってもらってインスタなどに投稿して欲しい…!
はそれぞれある程度解消できたのではないかなと思っています。そういえば地下にお客さんが下がってくるということもなくなりました。
来店で「クラフトビールと銭湯と」ステッカーをゲット!
そしてステッカーも作りました!
「BathHaus」をご利用頂けると無料でゲットできます!看板と少しデザインが違って、横に取っ手を付けて色分けをしてビールジョッキっぽくしたデザインです。他にも写っている「お風呂のいえ」と「渋谷区西原湯」ステッカーも別で作りました笑
「お風呂のいえ」は「BathHaus」を「BathHouse」と文字った場合の直訳ロゴ。「渋谷区西原湯」は「BathHaus」がもしも昔から地元に根付いた銭湯だった場合、住所は西原にあるので「西原湯」だなぁ、という妄想をした名称ロゴです。こちらもご利用で無料でゲットできますので是非。
「BathHaus」ご利用の際には是非そんなデザイン達にも目を向けてくれると嬉しいです。
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