見出し画像

銭湯をリブランディング。若年層に銭湯を知ってもらいたい【前半】

「東京銭湯」のブランディングについて

「東京銭湯 - TOKYO SENTO -」(以下「東京銭湯」)を始める前から銭湯に通いつめていた僕は周りの友達にもそれなりに銭湯の良さを啓蒙していましたが、どうしてもニッチでマニアックな趣味に捉えられたり、銭湯に対するそもそものイメージが「古い」「斜陽産業」「スーパー銭湯の方が良い」「家風呂でイイじゃん」などネガティブな印象でで捉えられることが多く、メディアで良さを発信する以前にそもそも印象の部分をしっかりとブランディングしないと解決できない部分もあるなということに気づきました。

僕は今まで様々なデザインに仕事で携わり、デザインを用いて様々な課題要件をブランディングにより解決するお手伝いをさせていただいてきました。それはもう少し具体的に言うと「デザインによって信用をしてもらい、共感をしてもらい、企業や商品価値を高めていくこと」ということになります。

そんなデザインを手法として用い、広い層に見て頂きたいと思いつつも、銭湯の活性化のためターゲットは主にまだ銭湯を知らない「若年層」そして特に「女性」とし、若年層向けの銭湯メディアとしてのブランディングで「東京銭湯」のサイトはデザインされています。今回はそんな「東京銭湯」のVI(ビジュアル・アイデンティティ)をご紹介。

「東京銭湯」のロゴ・フォントのアイデンティティについて

まずサイトの象徴であるロゴは、銭湯を取り巻く温故知新を表現するようなロゴにしました。 三角形は銭湯の入り口の屋根にあたる「千鳥破風」や連なる瓦などをモチーフとしています。中央には銭湯の認知率の高い「ゆ」の文字を置き、「TOKYOSENTO」は丸っとした英文字にすることで、新しさとレトロ可愛さを表現し、海外の方でも読めて認識できるようなデザインにしてあります。

このロゴに関しては、友達にデザイナーに作ってもらいました。僕が作ったデザイン案もあったのですが、銭湯が好き過ぎて客観視が出来なかったので友達にお願いしました。サイト公開後1年くらい経ってから文字の部分だけを僕がもう少し調整し、今のロゴの形になりました。

名称に関しては「東京」は一般的に日本文化の発信の中心地であり様々な人が集まり日々新しいものが生まれる日本の首都であり、ブランディング的にとても強い名称で「未来や最先端」を現しています。それを「銭湯」に冠することにより「銭湯の新しい面・面白い面を伝えたい」という意味を込めました。もちろん「銭湯」も「東京」も好きで「東京銭湯と言う名称が単純にキャッチーで可愛いから!」という部分もありました。

「東京銭湯」のタグラインについて

サイトのトップの英文「WE WILL ALWAYS PROVIDE YOU NEW SENTO.」は、日本語直訳だと「私たちは常に新しい銭湯を提供していく」ですが、意訳だと「私たちは銭湯を新しくしていく」です。要はこれが「東京銭湯」のブランディングです。今まで様々な企画を立てて世に出して来ましたが、失敗を恐れずに「新しくしていく」ことを実践してきました。

「若年層」「女性」に共感してもらえるようにデザイン

サイトのトップの写真は足立区の「タカラ湯」さんです。日本庭園がある銭湯として当時から近くの「大黒湯」さんと共に有名な銭湯で、サイトのメインビジュアルはやはりカッコいい銭湯の写真を、ということで、まだ関係値も全くないような時に直接お伺いし、許諾を頂いて今もサイトの象徴的なビジュアルとして使わせて頂いております。「タカラ湯」さんには以後もイベントで使わせて頂いたり、「タカラ湯」さんが色々な広告などで使われるたびに店主さんがLINEで報告頂いたりと、今日まで様々なやりとりをさせて頂いています。

サイトのデザイン全般ではフラットなデザインにし無駄を省き、テーマカラーをパステルカラーで統一することにより「渋い」ではなく「可愛い」と言ってもらえるような配色にしています。

これにより写真から感じる「渋さやカッコ良さ」というところはミスリードせず、「レトロで可愛い」というブランディングをまずはサイトデザインから訴求しました。メディアの運営上、記事にも威厳のある銭湯の写真が多く載ることも想定していたので、フォント、カラー、デザインなど全て「可愛い」と思ってもらえるようなあしらいにしました。銭湯の写真を全て取ってしまえば実は「ただの可愛いサイト」です(笑)。

東京銭湯ふ動産」に関してもある程度同じ設計思想でデザインされています。

こういったブランディングをデザインから訴求することにより、当初から20代を中心に10〜40代までに一番多く見られており、集客男女比率が7:3の銭湯が多い中、男女比もほぼ半々というような読者の方々に情報をお届けできる結果となりました。

「若年層」「女性」を通して社会に広く認知してもらう

ターゲットである「若年層」「女性」の皆さんは、更にそれぞれ「大学」や「会社」というカテゴリーに属しており「メーカー」「広告代理店」「メディア」の皆さんへ情報をお届けしていることにもなります。「若年層」「女性」を通して実はもっと広く社会に認知してもらっていることになります。サイトを公開した当初、まだ誰が運営しているかもわからないような「東京銭湯」に対して信頼し、共感してくれたナショナル企業である「バスクリン」の高橋くんと「ITメディア」の山岡さんが連絡をして来てくれて、すぐに取り組みに繋がりました。

社内公認部活動「バスクリン銭湯部」のコラム

ITメディアの3Dサービス「モデラボ」のイベントを銭湯で開催

彼らは20代・30代の「若年層」であり、「デザインによって信用をしてもらい、共感をしてもらい、企業や商品価値を高めていくこと」は「銭湯」対してだけではなく「東京銭湯」の価値向上にも繋がりました。活発で仕事に旺盛な「若年層」「女性」に共感してもらうことは、それだけで様々な動きや変化を生み出す仲間や仕事を獲得ことにもなります。

そして「東京銭湯」の「若年層」「女性」をターゲットとしているところはデザインだけでなく当初から配信する記事コンテンツでも訴求していました。

というわけで後半では記事コンテンツのブランディングのお話をさせて頂きます。

後半はコチラ


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?