尊敬する父は中卒。東大卒業後、ヒモになって創業し、9年後上場企業にグループ入りしたザ・ノンフィクションな話(日本語版)
English version is here.
2012年8月9日の創業記念日とヒモ生活。ひょんなことからリモートワーク
長崎で生まれ、育った私。被爆3世の私にとっては、8月9日はとても特別な日でもあります。長崎に原爆が落ちた日です。そんな日に、僕の人生においても一つの大きな出来事として、コデアル株式会社の「創業の日」としました。
当時の手持ち資金が10万円。それを資本金に創業したら、オフィスを借りるお金さえなかった、2012年8月9日。創業したその日は、当時彼女であった妻に、自分の代わりに家の家賃を払ってもらいながら、生活を始めた日でもありました。
当時ヒモ生活だったので、人を家に呼ぶことができず、それがたまたまリモートワークをするきっかけになったのです。これが弊社で運営するフルリモートワークの求人に強い「コデアル」のサービスに繋がってきます。
また私は、元々「エンジニア」という職種に対して強い憧れがあり(精一杯エンジニアをやってみた結果、あまり自分に適性はないとわかりましたが、即戦力エンジニア採用サービス「コデアル」の着想にも繋がっています)、8月9日=ハックの日とも読めるということで、ハッカー文化への憧れからもこの日を創業の日としました。
創業した時に起きた、7つのザ・ノンフィクションエピソード
創業後は、本当に色んなことが起きました。
その度に、起こる出来事を楽しい学びの機会、それこそ報酬として、楽しんできました。あまりにもエピソードがありすぎるので、その中でも印象に残った、7つのノンフィクションのエピソードを紹介したいと思います。
(1)オフィス引越しと大家さん
当時引っ越しの費用を工面することさえ難しく、友人のみんなに手伝ってもらい、引っ越しをしました。その際、私の段取りが悪く(素人のみんなでレンタカーを借りて引っ越しをしているわけですから)、一階の大家さんから、引っ越し初日から、怒られました。本当に申し訳なかったです。
その後、大家さんはとても優しい方で、親切にしてくださり、大森海岸名物の海苔を頂くようになりました。これも大変ありがたかったです。当時その海苔で白米を炊いて、食べていました。海苔美味しかったなぁ。。。
(2)法人口座開設とクレジットカード
会社の法人口座の作り方を、尊敬する先輩企業家からとりあえず教えてもらい、開設依頼のアタックを窓口に繰り返すこと10回ほど。なんとか銀行口座を無事開設できたものの、法人口座に加えて、クレジットカードを創業前に作っておかなかったことを激しく後悔しました。学生の頃より社会的信頼がない。。。
(3)弁護士、会計士の先生方との出会い
尊敬する高校、大学の先輩から、信頼できる士業の方を紹介してもらい、とりあえず法務、会計周りの相談相手ができました。当時(正直今もですが)本当に右も左も分かっておらず、随分恥ずかしい質問をしたと思います。そんな状態の自分に、先生方が真摯に向き合ってくださったことに大きな感謝しかありません。
(4)尊敬する先輩企業家からの言葉「会社はこんなにある。君の会社も大丈夫」
学生の頃からお付き合いのある、尊敬する先輩起業家の方に、起業すると伝えると、お祝いしようかと言われ、当時品川で食事をご馳走になりながら、窓の景色をみて、「愛宕。大丈夫だ。見てみろよ。会社はこんなにあるんだ。君の作る会社もきっと大丈夫だよ」というカッコ良すぎる一言を頂きました。
この時、自分もそういうカッコいい人でありたい、自分もそういうことをできる人でありたいという気持ちを持ったことを強く覚えています。
そして翌週、私の当時の現状を見かねて、先輩起業家から、カレーのレトルトが大量にダンボールで届きます。そのときのレトルトカレーもめちゃくちゃ美味しかったなぁ。。。
(5)主食はペヤング。ランニング習慣が身につく
大量に創業前に溜まっていたTポイントで、もっともお腹に溜まり、安いからという理由だけで、毎日ペヤングを購入して食べていたら、一気に体重が5キロ増加しました。とりあえずこのままではまずいので、毎朝ランニングするという今も続けている習慣がここで身につきました。良き習慣を身につける機会になり、ついてました(脂肪がでなく、運がですね)
(6)ドン・キホーテで寝袋を
創業メンバーと一緒に、とにかくめいいっぱい働こう(今では考えられません)ということで、近くのドンキホーテにまず寝袋を買いに行きました。
もともとドンキホーテが、泥棒市場という名前で、たまたま深夜に店を開けていたら流行るようになったという情報をWikipediaで知り、そんないきあたりばったりでなんとかなるなら、自分たちにももしかしたら事業が作れるんじゃないか?というなんの根拠もない希望を持ちました。実際はそんな甘いものではなく、ここからが大変でしたが。。。
(7)倒産の危機と事業譲渡。串カツ田中のハイボールで祝杯
手掛ける事業はことごとくうまく行かず、このままだと投資を受けたお金も、あと1ヶ月でなくなるという状況に至ります。
ただこの時、事業を売却するという手段があることを、これまた尊敬する投資家の方からの助言で知り、よしじゃあこれでなんとかやってみようと即行動に移しました(といっても、Webフォームで自分から問い合わせして、話をもちこんだだけですが)。
このときなんとかなって、みんなで飲んだハイボールと串カツ田中の串の味が忘れられません。うまかったなぁ。。。
今回のクラウドワークス社へのグループ入りの意思決定の理由と「働くをもっと自由に」のビジョン
このタイミングでの意思決定は、皆様周知の通り、コロナウィルスの感染拡大という外部環境の大きな変化が、逆に大きな機会ともなりうるのではないか?と深く考えた結果でした。
コロナウィルスの影響による働くのあり方の変化で、働くのあり方の変化のスピードが10年は前倒しされたと思っています。その中で、自分が経営者として考えた結果、「#働くをもっと自由に」の弊社ビジョンに近づくために、最善の手段を選びたかったことが一番の理由になります。
「働き方革命」をビジョンに掲げているクラウドワークス社のグループ入りをさせていただくことで、コデアル株式会社のビジョンである「働くをもっと自由に」を実現するスピードを、加速させていけるイメージが、自分の中で一番湧きました。
コデアル株式会社は、即戦力エンジニア採用サービス「コデアル」のサービス、単一事業を運営している会社です。おかげさまで利用企業数はもうすぐ1,000社、利用求職者数も15,000名ほどの規模になっています(2021年9月時点)。
利用していただいているエンジニアの方に対しては、エンジニアの方々の「働くをもっと自由に」を目指しており、直接企業とつながることができ、フルリモートワーク求人が掲載求人のうち、過半数を占める点に特徴があります。
利用いただいている企業様に対しては、エンジニアの方々と直接つながれるので、より柔軟な報酬形態、働き方、雇用形態の提案をすることで、特に受け入れに苦戦しがちなエンジニアの方を受け入れることができる点に特徴があります。
ユーザーの皆様、コデアルの会社のメンバー、投資家の皆様、コデアルのことを支援してくださっている方々。一人一人の顔を思い浮かべながら、どれが最善か?どれが一番良い選択なのか?迷いに迷って、決断し、行動しました。
自分自身、経営者としても、人としてもまだまだ未熟です。今回の上場企業グループ入りの機会に関しても、自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えたいという思いもありました。
尊敬している父は、中学校までしか出ていない。でも親は関係ない。
ヒモになりながら創業したアタゴさんでさえなんとかなるんだったら、自分にだってきっとできるし、なんとかなるさという勇気づけを、自分の人生の生きざまを通じてやってみたい(自分で自分を勇気づけたいというのもあるかもしれません)という気持ちが昔から強く根本にあります。
これは、私の人生における個人的なビジョンです。
創業し、心の底から思い知ったのは、自分はとても未熟で、得意なことは限られているし、得意ではないことのほうが多い。そして、自分の時間も限られているということです。
そんな中でも、転んで転んで、また立ち上がって、今も楽しい旅をかろうじて続けられているのは、周りにいる皆様が支援してくださるからです。
挑戦する中での学び、そこでの人との出会いこそが、かけがえのない財産だと感じます。コデアルユーザーの皆様、会社のメンバーのみんな、投資していただいた皆様、士業の先生方、友人のみんな、家族。とにかく数え切れないほどの人の支援で、今も挑戦が続けられています。
感謝しかありません。それを感謝するだけではなくて、自らの日々の具体的な行動に落とし込めるように、これからも少しでも #働くをもっと自由に の実現を通じて、皆様のお役に立てるように、これからの旅もみなさんと一緒にめちゃくちゃ楽しんでいきたいと思います!これからもよろしくお願いします🙇♂️
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