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読書ノート「RANGE(レンジ) 知識の「幅」が最強の武器になる」
なんとなく読んでみたら面白かったので、読書ノート。
著者: デイビッド・エプスタイン
スポーツ、科学、医学、ビジネスなどの分野で執筆しているジャーナリストであり、著作家。
💡主張
この本で著者は、成功するには(何を成功かと信じるかは置いたとして)超専門化するよりも知識の幅(レンジ)を持つ方が良いと主張する。
もちろん、超専門化により成功した人物はたくさんいるが、どれもゴルフやチェスなどのルールが決められている分野内での話。そういった分野は、行動への結果(フィードバック)がすぐに得られる学習環境なので、複雑化している現代社会では超専門化は再現性の無い方法である。
わかりやすいサクセスストーリーや「1万時間の法則」は効率的で近道とされているが、このような手法で失われる「まわり道」にこそ長期的に真の価値がある、とのこと。
ノート
パターンを学んだチェスプレイヤー
戦術は模倣が可能。戦略はまだ難しい。ということは人間の本来の強みはいくつの層からも成る全体の戦略であり、超専門化とは真逆のものである。
希少性
例えば、以下のような人たちがいるとする(適当な数字)
100mを10秒以下で走る人が世界で10,000人
42.365kmを2時間20分以下で走る人が世界で10,000人
この2つをどちらもできる人は世界に何人いるのだろう? レンジを持つことは希少性に繋がる。
抽象的な概念のモデリング > 構造化されたモデリング
「1万時間の法則」は意味ない
同じプロセスと練習を繰り返すことでエキスパートは経験的・直観的にパターンがわかるようになる。ただし、環境を取り巻くルールが少しでも変わると、柔軟性を失ってしまったエキスパートは適応に苦しむことになる。この現象をライス大学教授のエリック・デーンは「認知的定着」と呼ぶ。
これを避ける方法としては、「1万時間の法則」とは正反対に、いつも多様で違う領域を経験しておくこと。
ノーベル賞を受賞した人たちでは、アマチュアの俳優やダンサー、マジシャンなどのパフォーマーである確率が少なくとも22倍高い
関係で考える能力
未だ見たことのない問題を解決するには共通項、関係で考える必要がある(アナロジー)。要は類推するために色々な経験をしておけ、とのこと。
アナロジーという強力な武器は意外にも使われていない。多くの人の直感は専門化によるパターンであって、柔軟な思考ができていない。一つの領域の経験や知識に依存するのは限界があるだけではなく、悲惨な結果に繋がりかねない。だからこそ、かけ離れた領域の経験を思い出すべき。
アナロジーを利用する際、直感的にはその課題に類似している例を探してしまうが、調査結果によると内的視点から外的視点に移すこと(かけはなれた領域のアナロジー)によってクリエイティブな案が出るらしい。
人は色々な事象や現象をカテゴライズするときに表面的な分野などで考えてしまい、根底にある構造を理解してカテゴライズするのは難しい。例えば、物価の高騰とニューロンの間を伝わる脳内メッセージはともに因果の連鎖という分類が可能だが、それぞれ経済学と生物学にも分類ができる。
この関係性を見つける能力はレンジを持つことによって訓練が可能である。
グリット
ゴッホの人生は34歳になるまであれをやっても失敗。これをやっても失敗。そんな失敗の連続だった。自分に合っているものを探すのは遅かったとしても、自分に合ったものを見つけたときに、その成長速度は他の人とは比べ物にならない。
ウィンストンチャーチルの「決して屈するな。決して、決して、決して」と言う言葉はよく引用をされているが、この言葉には続きがある。それは、「名誉と良識に基づく信念が屈することを許す場合を除いては」。
グリットとは情熱と忍耐力の組み合わせ、すなわちやり抜く力。ただし、グリットの調査を行った環境では、その環境にすでに適応している人間を対象にテストされた。そのため、グリッドテストは適用性を測るものではなく、忍耐力を試すものとして誤解がされがち。忍耐力が足りないのかそれとも自分にそもそもマッチしていないのか、そこの判断基準をしっかり持つことによって、真のグリットがテストできる。
瞬間的にパニックになりやめるのではなく、しっかりと情報を集めて、それをもとに判断を下すべき。
グリットはいいが、マッチクオリティーも大切に考えよう。
アウトサイダーの強み
難しい問題に直面した際に、企業や人は自分たちの中、「ローカルサーチ」で解決しようとしてしまう。もちろん、専門家たちの持っているリソースや知識は素晴らしいものだが、時として解決困難な問題はアウトサイダーによって解決することができる。専門家だからこそやってみないようなアプローチで解決するパターンがある。
シンプルなアプローチを考えられるのはアウトサイダーだからこそである。この効果を心理学ではアインシュテルング効果と呼ぶ。大きなイノベーションを起こすためには、その問題から遠く離れた分野の人がその問題を別の角度から捉え直すことが重要である。
分野横断的な問題解決をするには、複数の分野に足を踏み入れることだ。具体的には、今まで掛け合わせのなかった分野2つを探して何か新しい発見を考えてみる。
感想
そもそも「成功」とは?についての議論を見たかったかも
うまくいった例を挙げている感はある
ただ、レンジを持つことによる創造力アップは経験則的にわかるので、確かにと思った
続けて、GRITとかも読んでみようかな。
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