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漬物屋の自分が塩を語る理由

こんにちは、木村彰太です。

簡単に自己紹介をさせてください。

自分は昭和26年創業の漬物屋で生まれ、育ててもらいました。小さい頃から食卓には漬物が並んでいました。新商品を考える祖父が試作の漬物を兄に食べさせては兄が感想を言い、それを聞いた祖父が喜んでいた記憶を今でも鮮明に覚えています。

そんな家庭で育った私は、中学を卒業後、バスと電車で1時間〜1時間半かけて家から離れた工業高校に進みます。この時は、まだ実家の漬物屋で仕事をしようという気持ちは30%〜40%くらいでした。その後、色々と自分の人生を考えたかった、実家で仕事をしようと決断しました。

実家の漬物屋に入ると、さまざまな学びの連続でした。高校卒業後は、自動車部品の会社に3年半、金融システムの会社に2年勤めました。なので、食品製造の経験は全くないという状態でした。

実家の漬物屋は、自分の育った愛知県渥美半島に本社があり、宮崎県に自分の叔父が経営しているグループ会社があり、千葉県松戸市と東京都練馬区に親戚が経営する会社があり、山形県に工場があるという特徴があります。

弊社は漬物の製造を中心に行なっていて、卸先は漬物問屋さんがほとんどです。自分が以前勤めていた会社の環境とは少し違い、漬物屋さんならでは、ということを幾度となく経験しています。

ちなみに、弊社の漬物はスーパーマーケットやお土産屋さんなどで購入できます。業務用として飲食店さんに使っていただくことや、海外へ輸出もさせていただいております。ECサイトでも購入できますので、覗いていただけると幸いです🙌

少し前振りが長くなりましたが、ここからが本題です。

塩との出会い

漬物の製造をしていると、欠かせないものがあります。

「塩」です!

塩は、野菜を漬け込むときに使い、野菜を脱水する作用があります。

塩を使うことで野菜は漬物になれます。塩を使わない漬物もあるのですが、ほとんどの漬物には塩が使われています。

弊社は、たくあん漬を中心に漬物を作っています。たくあんは、たくあん専用の大根(スーパーでは買えません。)を使い、大根を塩と米ぬか、唐辛子などを使って漬け込むことによってできます。

当然のように、塩を毎日使って漬物を作ることが出来ているのです。2020年9月に入社した自分にとっては、漬物作りは全てが新鮮でした。

「こんな感じなんだぁ...!」

ということだらけで、塩を使うことに特別着目することはしなかったのです。

入社後、製造の勉強をしながら、営業職として活動することを中心にしてまいりました。取引先の方と交渉したり情報交換したり、とにかく色んな方とお話をしてきました。

消費者の方は、漬物と聞くと「塩分」を気にする方が多いとの意見があったり、しょっぱい漬物は敬遠されていることがあり甘くした方が良いという意見があったりしました。

漬物はしょっぱい方がいいと思っていた自分にとって、漬物は甘い方がウケがいいと聞いた時は衝撃的でした。

弊社のたくあんは、平均的なたくあんと比べるとややしょっぱいことが特徴で、問屋さんやスーパーのバイヤーさんからは、

「しょっぱいから売れない」

と言っていただくことがあります。自分としては、売っていただく立場でもあるので、お客さまが求めるものをつくることも重要なことです。(賛否ありますが。)

そうやって営業活動をしている中で、懇意にして下さっている会社の会長さんから、とある取引先を紹介いただきました。

「安心して食べる」ということを追求されている方が率いられている組織でした。率いられている方とお話をする機会を幾度かいただき、大変勉強させていただきました。

そのトップの方とお話ししている中で、

「塩を食べ比べたことはあるかい?」
「塩は本当に面白いよ」

ということを言っていただきました。
自分はそれまで、塩について話を聞いたことは何度かありましたが、深く塩について突き詰めて考えたことはありませんでした。この話は自分が入社して約1年後の話です。

その後、自分は出張先でスーパーや百貨店などを見に行ったり、休日に様々な小売店を見に行きました。

それまでは、一言で「塩」でしたが、あの日を境に一言で言えるような「塩」では無くなりました。

塩について深く解説するのはこの記事では行いませんが、最近YouTubeの方で解説する動画を何本か上げていますのでもしよかったら見ていただけると幸いです。

そもそもの塩とは

塩の違いについて

それぞれの塩の特徴について

まだ準備中ですが、順次動画を更新していきますので、見ていただけると嬉しいです。

塩を知ること

塩を知ることで、自分は生活の質が上がりました。

食事って一日三回行うことが自分の中の基本で、たまに外出すると間食をすることもあります。

そんな食事に欠かせないのは塩です。

塩は、五味の一つである塩味に寄与するだけでなく、漬物のように食品の保存性を高める効果があります。

塩がないと成り立たない生活の中で、一言で片付いてしまう存在ではないべきだと思います。

というのも、塩を知ったことで自分は、食事の時にどの塩を使うかでより美味しく食事と向き合えたり、塩を作っていることを想像しながら食事を行えたりしています。

当然、弊社が作る漬物においても、前述の通り塩を使っていますので塩を使う以上は塩を詳しく知っておく義務があると考えます。

塩は使い方を間違えたり、過剰摂取したりすると、人体に害を及ぼすので気をつけないといけないものです。

料理の味を決めたり、保存性を高めて食品ロスを減らすメリットがある反面、デメリットがあるということを忘れてはいけないし、使う責任もあると考えます。

なので、塩を知ることは自分や周りの人の健康寿命を伸ばすことにも寄与すると考えています。

逆に言うと、塩を知らないことによる機会損失的な側面は大きいのではないかと確信しています。

今回の記事は、2,000文字くらいにとどめておこうと思いましたが、既に2,400文字を超えています...

塩についてここまで書けるようになるとは自分自身想像していませんでした。

塩と、今後の自分

塩に対する熱量は、自分の中で高まりを見せています。今後もさらに塩について勉強して、塩について発信をしたいと考えています。

いずれ自分自身で塩を作ってみたいとも考えています。

日本では藻塩という文化が古くからあったり、揚げ浜式製塩という製塩方法があったり塩作りに関する歴史もあります。

その一方で塩専売法という精製塩に統一された過去もあり、さまざまな議論や意見が長年されているのも事実です。

こういった塩がいい、こういった塩はダメ、そういった様々な観点から塩に対する意見を自分は客観的に見るようにしています。

いろんな人とお話しして、いろんな塩を見に行き、いただいた知識を自分の頭で解釈して、多くの人に公平感とわかりやすさを念頭において伝えることをしていきたいと思っています。

自分は漬物を製造しているから、ということを入り口に塩を知ることができました。その点も含めて、自分が塩に関する情報を発信することは、一つの使命なのかなぁとも思っています。

まとめ

本当に長くなってしまいましたが、そろそろ終わりにしようと思います。最後までお付き合い頂いた方、本当にありがとうございます🙇‍♂️🙇‍♂️

自分は、一人でも多くの方に、生活を豊かにしてもらいたいと思っています。それがたった一人でも構いません。なにかしらの良い影響を与えられていたら幸せです。

それが弊社の作った漬物を食べてもらうという形でもいいですし、今回のこの記事を読んでいただくという形でも、YouTubeを見ていただくという形でも構いません。

自分自身の行動が正しいかは分かりません。自分にとっては最善を尽くしています。

というのも、食の産業というのは広いし、深いし、長いんです。だからこそ大きな会社が大きな声で情報を発信しています。自分にとってそれが、賛同できる情報の時もあるのですが、賛同できない場合も少なくありません。それは自分だけでなく、一部の消費者の方から同じような意見を聞くことがあります。

そのような中で、消費者の目線で大事だと思うこと「自分の声で発信することを、今後継続していこうと思います。

応援していただけますと幸いです。

noteでの更新頻度は高くないかもしれません。YouTubeで応援していただくことが嬉しいです。そのほかのSNSもやってますので、見ていただけると嬉しいです。

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