シュート論

シュート率アップの真実とは?

スマホの発明により、インターネットが爆発的に普及した現代。わからないことは、「検索」すれば、スグに答えが手に入ります。2020年入ってすぐ、センター試験でのスマホ操作事件もありました。もはや「情報を知っている」ことには価値がなくなり、「情報を扱い、生み出す」ことに価値が移るのを感じております。

シュート率アップの方法も、ブログ、youtubeなどで、検索すれば、「情報」がたくさん出てきます。私が中学生のころは、月刊バスケットボールなどの写真を見て練習していたものです。笑

静止画

このような静止画に、「つま先の向き」や、「手の使い方」、「姿勢」などがポイントとして記入されていました。いまでは、「動画」で再生できるので、「スピード感」「タイミング」「リズム感」「前後の状況」など、より多くの情報を臨場感高く得られるので、BSでたまにNBAを見るしかなかった時代の人間からすると、うらやましい限りですね。笑

さて、うらやましがるだけでは、「老害」と呼ばれ、社会の荷物になってしまうので、いくら「動画」で見ても再現できないような、深いポイントをなるべくわかりやすく文章にしてお伝えしていきます!

今までの記事の流れから、「上手くなる」には、「試合の勝敗」を意識することが必要であり、試合の勝敗は「得点の差」で決まり、得点するにはシュート、すなわち「ボールをリングに通過させる」制度を高めることが大切であり、一番確率や汎用性が高いのが、「ワンハンドのシュート」と説明してきました。

今回は、ワンハンドシュートの大まかなポイントをまとめてお伝えします!

ワンハンドシュートの基礎

巷にあふれる情報によると、ワンハンドシュートのポイントは以下のようです。

手首を返し回転をかける/膝を曲げて地面を押す/腕でなく/足の力で投げる/肘が開かないようにリングに向ける/体を真っ直ぐにする/リングを見る/アーチを出す/フォロースルーを残す/スタンスを決める/

このようなポイントがありました。(シュートを解説している本や記事から特に多かったものを抜粋しました!)

さて、これらすべては、しっかりシュートを研究された方々のアドバイスだと思うので、「間違った」情報はないと思います。しかし、どの情報が自分に合っているのか?迷う方も多いと思います。試した結果、良くなるのか、悪くなるのか、両方のパターンが存在するのが事実です。

もう少し踏み込んだ話をすると、上記の「ポイント」だけを意識してシュート率が改善するなら、コーチはいらねぇっ話ですし、全員「上手く」なってますよね。

シュートのアドバイスには「落とし穴」が存在するので、落とし穴にはまらないような知識をお伝えします。

アドバイスの落とし穴

まずは、人間のパフォーマンスの基本的な構造について、理解していきましょう。この構造がわかると、自分でパフォーマンスを考えられるようになり、アドバイスで迷ってしまうことが防げると思います。また、アドバイスする側の監督やコーチは、アドバイスで選手を迷わせてしまうことが減ると思います。

人間のパフォーマンスを直感的に理解するのにすごくオススメな、「ロボットの研究」のお話しをします。

人間のように精巧な動きをするロボットを作ろうとした場合を考えてみましょう。ロボットは基本的に、「あるプログラムをすると、その通りに動く」という仕組みでできています。例えば、「センサーで障害物を認識したら、静止し、方向転換して進む」というプログラムを入力すれば、障害物を避けて進むロボットが作れます。人間は障害物があれば、方向転換し、避けることは無意識で行います。

では、このロボに、「犬や猫や赤ちゃんがいたら、助ける」という行動をさせるとなるとどうでしょうか?犬や猫ではなく、ネズミやウサギであれば障害物とみなして避けなければならない、赤ちゃんは助けるが、45歳のおっさんは障害物とみなし、避ける。これを細かく場合分けして、すべての状況をプログラミングするのは至難の業です。ロボットはどのような動きをするかというと、プログラムにない状況が訪れると、動きが止まるか、違う動きをし続ける、とても「ぎこちない」動きをします。

「この場合はこう」という具体的な条件だけをいくら細かくプログラムしても、全体としては「ぎこちない」動きになり、人間のように、状況に応じた判断をして滑らかに動くことはできません。

しかし、ある博士は、生き物らしい動きをするロボットを作り上げました。それはどのような仕組みであったかというと、「光がある方向へ進む」ということだけをプログラミングした単純なロボットです。障害物にはぶつかり、赤ちゃんとおっさんの判断はもちろんできませんが、一番「生き物」に近い動きをしたようです。

※ちなみに、自動でお掃除をしてくれる「ルンバ」はこの単純な仕組みで実用化されています。ルンバを利用したことはありませんが、どこか「生き物」に近く「可愛げ」がありそうですよね。

実は人間も同じであることに気が付きましたか?

意識すると上手くいかない?

ロボットの「動き」と人間の「動き」にはある共通点があり、ロボットにおける「プログラミング」を、人間における「意識すべき要点」とすると、プログラミングが細かいほど、「ぎこちない」動きになり、人間も意識すべきポイントが多いと「ぎこちない」動きになります。

習字で筆の持ち方を意識したら、文字全体のバランスが崩れる。話し方を意識したら、話す内容を忘れる。歩き方を意識したら、段差でつまずく。

このようなことは日常の様々なシーンで起こる事実です。

シュートの練習においても、肘や手首の返し、スタンスなど、細かい部分を意識しすぎて、シュートが入らなくなる経験をした方は多いと思います。

アドバイスの表面を切り取って、単純に「意識する」だけでは、「ぎこちなさ」につながるのであれば、どうしたらよいのでしょうか?実際にアドバイスを活かして、成果を出している人がいるのも事実であり、上手くいかない人との違いはどこにあるのでしょうか?

先ほどのロボットにヒントがあるとするのであれば、生き物に近いロボットは「単純なプログラム」だけをした。ことにあります。

人間でいうと、「単純なプログラム」というのは、「内部感覚」と表現できます。わかりやすく言うと、どんな感覚でその行動を行っているか?ということです。

たとえば、「椅子から立ち上がる」ということを例にとると、

「頭が宙に浮くように立ち上がる」場合と、「脚で大地をしっかり踏みしめるように立ち上がる」場合。使われる筋肉も、立ち上がるタイミングも、立ち上がる時の自分の感覚も、全て違うことが体感できるはずです。

この事実に気づいた場合、例えば、「もっと肘を絞って」というアドバイスがあるとして、「頭が宙に浮くような感覚」で体を操作している人と、「脚で大地を踏みしめている感覚」の人では、アドバイスは同じでもまったく違う「動き」をするのが分かると思います。

逆に、「内部感覚」が「動き」として表現されるという順序が正しく、「内部感覚」を上手く統合できれば、勝手に理想の動きになってきます。

例を挙げると、

何かの動作で肘が90度に近いことが理想ならば、「肘を90度にして!」というアドバイスではうまくいかないことが多く、「○○をイメージして」というと、勝手に肘が90度に使づいてくる。というのが、人間のパフォーマンスに即した、本質的な動作取得です。

内部感覚を無視するから上手くいかない!

以上のことをまとめると、アドバイスを意識しても、上手くいく選手と、そうでない選手がいるのは、アドバイスの内容が悪いわけではなく、選手の「内部感覚」の違いに原因があります。

鋭いかたはお気づきかと思いますが、「上手くなる」秘訣は、物理的な外部要因でなく、自分の「内部感覚」をコントロールすることにあります。

私もこの事実に気づいてからは、「動けてしまう」選手にたくさんの感覚を聞いて、それに近い感覚を模索し形にしてきました。単純なアドバイスも「内部感覚」を意識することで、活かすことができるようになりました。

次回は、上手な選手に共通する「内部感覚」について発信します!

私のインスタグラムで、「内部感覚」については発信していますので、ぜひフォローお願いします!

最後までお読みくださりありがとうございました!





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