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人を評価することを考える(小論入試-解答編)

杏林大学(2019年度 医学部)入試問題(解答編)

「“”手に“”論文を書く」人、“勝小”です。
(当noteの前提・諸注意等については、こちらの投稿をご参照ください。)

以下の流れで小論文問題と向き合っていく予定です。
・分析編:出題者の意図を把握する(構成メモのようなもの)
・解答編:実際に解答文を作成する(答案用紙のようなもの)
・補講編:問題から派生した考察、蛇足など(試験後の雑談)

 前回の「分析編」を簡単に振り返りつつ「解答編」を始めましょう。

【問題】

【「人を評価する」ということについて、800字程度で論じてください。】
杏林大学HPより)

出題者の意図(勝小解釈版)

<表テーマ>:(資金援助の)依頼に関する説得力を問う
(テーマに関する)論点を明確に定義する
定義した論点について適切に論ずる
<裏テーマ>
医学部入試の健全性について
勝小note「分析編」

私は本問の出題意図を上記3点と解釈しました。
今回の解答は裏テーマに対して怒られない程度に触れることを目標に書いてみました。実際に解答を提出した場合、採点者にどのような印象を与えるかは…わかりません。

勝小の解答

 人が評価される場面は、人々が集団社会生活を営む中に多岐にわたって存在している。特に、入学試験や就職採用試験等の選抜試験の場面においては、被評価者の人生に小さくない影響を与えるものであるため、当該評価は適切に行われることが望まれている。人を評価する方法の適切性は、評価の目的に沿った評価基準と評価手段が適切に設定されていること、及び設定された評価基準と評価手段が正しく運用されているか否かの2点で判断されるべきであると考える。

 例えば、大学入学試験の際に、ある属性を有する受験者に不利になるような取り扱いをした場合は次のように解釈することができる。当該属性を有することが合否判定にマイナスの影響を与えるとする基準が明記されていない場合には、本来設定されていた評価基準に従っていないという点で、運用上不適切な評価であったと解釈できる。一方で、評価基準に明記されている場合には、当該基準の設定が合格者を選抜する目的に対して適切か否かという議論となる。なお、当該属性を有するものを排除することに合理的な理由があったとしても、法令等で規制されている、または社会通念上許容されない基準については、適切な評価基準とは認められない可能性が高いことにも留意が必要である。

 他の例として、就職採用試験の際に人工知能を活用することの是非について検討すると、次のように考えられる。人工知能を利用することで、人が行う恣意的な評価を回避することが期待されるため、運用上不適切な評価結果となる可能性は低く抑えられると言える。しかし、当該人工知能が判断するために必要な事前入力データ及び人工知能内部の判断ロジックが、採用企業が求める人材選抜の目的に合致しない限りは、適切な評価と認められない可能性がある。

 このように、人を評価することは適切であることが望まれている一方で、適切な評価の実現には、容易ではない課題も存在していると考えられる。

(800字)

解答あとがき

いかがでしょうか。
小論文の解答という枠組みに収まるように、採点者の心証を可能な範囲で損ねないように、医学部入試問題について触れてみました。

出題意図との関係性は、
 ①論点定義:第一段落(評価の適切性について)
 ②論述:第二段落(入試)・第三段落(就活)
 ③医学部入試について:第二段落
に整理しています。(第四段落はまとめ)

今回の(個人的な)目的は、第二段落を書く事でしたので、全体のまとまり(論述のまとめ方)については多少の犠牲もやむなしという気持ちでいます。

自己採点

今回も自己採点で解答編を締めたいと思います。実際の試験では異なりますが、当noteでは以下のルールで採点しています。

 自己採点(10点満点)
  = A)解答力(10点満点) × B)出題意図把握(0%~100%)
A)解答力:出題意図に対して的確かつ論理的な文章かどうか
B)出題意図把握:出題意図をどこまで正確に把握しているか
勝小note「小論文の取り組み方針」

 それでは、今回の自己採点を発表します。

 自己採点(3.0点)= A)解答力(6/10)× B)出題意図把握(50%)

A)解答力:下記2点を減点
・論点定義が曖昧(̠-2点)
・論述のまとまりが弱い(-2点)
B)出題意図:おそらく出題意図の把握は不完全
(正直、本問の出題意図を測りかねているところです。)

勝手に書いた解答を、勝手に決めた基準で採点しているので、どちらかといえば「解答の自信の度合い」のニュアンスの方が適切かもしれません。

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