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わからなくても何か書く工夫(食料自給率問題-補講①)

横浜市立大学(H28年度 医学部)入試問題(補講①)

「“”手に“”論文を書く」人、“勝小”です。
(当noteの前提・諸注意等については、こちらの投稿をご参照ください。)

食料自給率問題の補講を始めましょう。

問題と関連記事の保管先

【問題】<試験時間60分>

【我が国の食料自給率について、あなたの考えを1,000字以内にまとめて述べなさい。】
横浜市立大学HP(国立国会図書館)より

分析編> ⇒ <解答編> ⇒ <補講①:今ココです>

わからないなりに書く方法

今回の補講のテーマは、何かしら書かなければならない時にどう書くかを考えます。受験対策指導とかではなく、私がわからないなりにどう考えて回答を作成したのかをまとめたものです。

様々なところで言われている通り、「白紙は0点」で「書いてあれば1点以上の獲得可能性がある」ことは間違いないので、他に設問がなければ60分を無駄に過ごすのではなく、何かしら書くのが正解と言えます。

参考になるかもしれませんし、ならないかもわかりません。

食料自給率とは

食料自給率は【農林水産省】によれば、

【食料自給率とは、国内の食料消費が、国産でどの程度賄えているかを示す指標です。その示し方については、単純に重量で計算することができる品目別自給率と、食料全体について共通の「ものさし」で単位を揃えることにより計算する総合食料自給率の2種類があります。このうち、総合食料自給率は、熱量で換算するカロリーベースと金額で換算する生産額ベースがあり、2つの指標とも長期的に低下傾向で推移しています。】

カロリーベース総合食料自給率(平成30年度)
=1人1日当たり国産供給熱量(912kcal)/1人1日当たり供給熱量(2,443kcal)=37%

生産額ベース総合食料自給率(平成30年度)
=食料の国内生産額(10.6兆円)/食料の国内消費仕向額(16.2兆円)=66%
農林水産省HPより抜粋)

と、されています。

わかることを挙げてみる(連想ゲーム)

食料自給率について考えを述べなければなりませんが、そもそも食料自給率が何なのか“全くわからなければ”何も書けないでしょう。ですが、幸いにも「あなたの考え」が問われていますので、“わかっている範囲のこと”から何かしら書くことはできると思います。

問題を見た時の食料自給率に対する私の理解は以下でした。

03.食料自給率01

「食料自給率とは国内消費量と国内生産量の割合である」との理解は正確には誤りのようです。ただし、問題解答時にはそれを知る方法がないので、振り返らずに解答作成を進めます。
(「正しい食料自給率は何か?」に時間を割くのは得策ではありません。)

続いて、それぞれの要素についてわかることを並べてみます。

03.食料自給率02

今まで自身が見聞きしたことを総動員して、食料自給率を起点とした連想ゲームを行うイメージです。
(実際に解答を書く時間もありますので、連想ゲームに割く時間もほどほどに)

わかることを繋げて「自身の考え」を整理する

ここまでくればあとは解答指定文字数との相談です。「連想ゲーム」と「考えのまとめ」を繰り返し、指定文字数に収まるように自身の考えの構成をまとめます。

ちなみに私は下図のように整理しました。

03.食料自給率03

事実に反することは書かない

どんなに丁寧に整理ができていたとしても、採点対象はあくまでも回答欄に記載した文章ですので、残り時間が少ないようであれば、迷わず一気に書き切ることをお勧めします。

私が解いているときは、Wordを使って文字数を確認しながら書いていますので、途中で直したり文章を入れ替えることは容易に行えます。しかし、実際の試験では一度書いたものを消して書き直すことは時間を消費しますので、そのあたりは気を付ける必要がありますね。

わからないなりに書くとは言え、事実に反することを書くことは避けるべきでしょう。例えば、「我が国の食料自給率は100%を超えているので問題ない」と書いてしまえば客観的に誤りであるのは明白なので減点されても文句は言えません。それを避けるには、

・自信がない数字・定義は明記しない(「食料自給率は●●%である」など)
・過去の事実より将来の予想を書く(「将来●●となる可能性がある」など)

と、するのはいかがでしょうか。

<数字・定義の明記を避ける>
その数字や定義に誤りがないことを自信をもって書けるのであれば別ですが、明記するとそれが正しいか正しくないかの判断ができてしまいます。
食料自給率は●●%である」を「食料自給率の水準は低い」とすれば、水準が低いかどうかには、ある程度の“解釈の余地”が生まれる(50%を高いと考えるか低いと考えるかは見方による)ので、嘘にはなりません。

<過去の事実より将来の予想>
過去の事実は変えられませんが、将来の予想は人によって様々ですので明確な間違いとはなりにくいと言えます。そこで、「あなたの考え」が問われた時はなるべく将来のことを語るようにすれば、減点要素を少なくすることができそうです。
もちろん、将来の予想をするためには過去・現在の事実が前提となるので全く書かなくて済むことはないかと思いますので、その際には前述の「数字・定義の明記を避ける」ことを意識する必要があります。

あとがき

解答文を書いているときに、「“下町”にある“ロケット”部品を製造する会社が農業機械の開発に関わる」小説が頭に浮かんでいたので、かなりその話に引っ張られていた感は否めません。

「連想ゲームのための素材は教科書や新聞だけではない」という見方もできますね。このnoteも素材の一つになれば幸いです。

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