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本にまつわるツレヅレ7#いい声について考えてみたら始めていたこと

向暑の候。
冷暖、暖冷、の日々が急に暑!な日を連れてきて、どうもすでに光の波に呼ばれ浜辺へ行きたい人もいるようです。もう6月。
海の近くで育ったわりに海よりは山派なNo,No,Yes! 所作生産部の椿による、「本にまつわるツレヅレ」第7回目です。



個人的には「やっとのご登場!」な小説家、森見登美彦。(所持本の森見率が高いので、今後の頻出ご了承願いを先に…)
今回は『夜は短し歩けよ乙女』角川文庫、2008年。

森見作品の中で一番好きだ。何度も読み返したいと思う。(彼の小説たちはリンクするのも楽しさの肝所)
3年前のアニメ映画公開時も心躍らせて観に行った。劇場の来場者特典・掌編小説にも感激。視覚的に 詭弁踊りが想像以上のものだった、とつけている映画記録ノートに書いてある。
それはともかく、漫画家・羽海野チカにより「かいせつにかえて」描かれたイラストで、登場人物をイメージして読んだ本作(いわゆる解説が、見開きイラストで埋まった本を見たのは私はこちらが初)。
映画はカバーイラストも担当の中村佑介によるキャラクター原案だったが、前者のイラストの印象が強く、自分の中で擦り合わせるのに手こずったのだった。

小説がアニメーション化されるにあたり、気になるところは視覚的にだけでなく、聴覚的にも、だ。
フェティシズムは多々あれど、声に対して抱くひとは多いだろう。いわんや私においてをや。
日ごろから声に注目してしまうが、具体的に「こういう声がいいのだ」とはうまく説明できない。身近でいうと、東京本店のロギー(「東京は夜の8時」略して『東8トーパチッ』毎週土曜日 出演中)の「電話越しの」声は色気があって羨ましいと思う(実際に対面して の声には別段思わないのは不思議)。そういえば、森見登美彦を知ったのはP.A.WORKSのアニメーション『有頂天家族』で、小説はロギーから借りて初めて読んだのだったなと回顧。

しかして、休日のあまりの暇っぷりからスマートフォンの中でサーフィングした末に、配信アプリ「Spoon(スプーン)」に至る。
簡単にいうと、顔出しせずに気軽に配信や視聴を楽しめる、すべてのユーザーが声のみで繋がるソーシャルラジオサービスである。
散々 コミュ障だと言われ続けた私でも気軽に始められた。というより気づいたら登録していた、くらいのハードルの低さ。
「よし、これで好みの声質が探れるぞ」と意気込んだ。

登録したからには、「自己紹介的に投稿を」とCAST(録音配信)をはじめる。コミュ障なうえに、滑舌もよくないので、いい訓練になるかもしれないという目論見もあって、朗読をすることにした。はじめたからには「毎日投稿を」と、謎に自ら(高くないが)ハードルを課す。

それから2週間が経ち、、、


今日まで毎日の朗読に追われている。朗読をするに際し、ただ黙読するときとはちがって漢字の読みに神経質になることに気づく。普段、さらっと「読めている」言葉もいざ声に出して「読む」となると読みが合っているかどうか非常に不安になる。そうなると、「これまで本当に本を読めてなかったのではないか」という気にすらなってくる。
というわけで、最近は国語辞典とお友だちになり、好みの声質はいまだ分からないままだ。


「こうして出逢ったのも、何かの御縁」、気長にSpoonの大海原を漂って、好みの声質という島を発見できることを願う。
「なむなむ!」




それではまた次の日曜日に。

椿

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