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本にまつわるツレヅレ#1 自己紹介とタイミング


はじめまして。
こんにちは。
No,No,Yes! 所作生産部の椿と申します。

苗字が つばき です。(社会人になってよく訊かれるので)

ひごろは生産管理やペイントを主にしていますが、この場では週1で個人的「本にまつわるツレヅレ」を綴ることにしました。

それでは、#1 序開。


先に申し上げておくが、いまの私はさして本好きではない。
かつては本好き、いや本しか楽しみがなかったのかもしれない。小学校〜高校時代まで実家にテレビがなかったうえ、わりかし田舎で育ったので他の誘惑がなかったからだろうか…(テレビがなかったことは親の教育上、というわけでは特にない。ただ物理的に見られなくなったことを家族全員が受け入れた)。

本を読むことが減ったとはいえ、一人暮らしをはじめて10年ちょっとの間に少しずつ本を買っては、少しずつ手放し、、、を繰り返している。そこでいまこのような世情になり「家で楽しむべくは何をしよう?」というところから、クローゼットにしまいこんだ手持ちの本を引っ張り出してきて改めて再読しだした。「楽しみの人に於ける、在らざる所なし」(『賞月雅草』)である。

まず、手にとったのは
吉田篤弘『つむじ風食堂の夜』ちくま文庫、2005年。

読書習慣のウォーミングアップとしては、〈ちょうどいい〉のだ。
文庫本としての厚さといい、字間といい、
題材(食堂に集う人々が織りなす物語ゆえ、当然食べ物が頻出する。食べることが好きな者としてはそれだけで好感を抱く)といい…。
なによりこの本を書店で入手したのも、読書ブランクから復帰の一歩として、だったから。

ブランクといえば、
新型コロナ禍がもたらす〈美術館ブランク〉はどれほどのものになるのだろう。
冒頭で「さして本好きではない」と言ったが、美術館に行くことはそこそこに好きなのだ。
好きな画家・アーティストの企画展、ハコとしての美術館、興味を持てば姫路から離れた遠方にも行く。(ちなみに姫路市に住んで6年が経とうとしているが、徒歩圏内に姫路市立美術館があることも幸せである。ベルギー美術の所蔵があり、赤レンガ造りの建物も好み、それから背後に姫路城天守が見えるロケーション!)

ふたたび訪れたいと思う美術館のひとつは、
島根県津和野町にある安野光雅美術館。
緻密に描かれた優しい雰囲気の水彩画に、絵本で親しんだ幼少期。
だが、美術館の存在を知ったのは大学生になってからである。帰省した折にドライブで津和野を訪れることになり、偶然見かけたのだ。
見知った絵もあり、細部まで凝った絵の数々に胸がいっぱいになった。

安野光雅の絵にはそんな印象が強い。
だからこの度『つむじ風食堂の夜』を再読して、装幀者の名前に目を見張った。
こんなにシンプルな装幀を!と。
いま画家・絵本作家としてだけでなく
装幀家としての安野光雅に関心がある。


なにをきっかけで知ることになるかは人それぞれだし、タイミングもある。知ったとしても気に留めない時代もあるし。縁だなぁ、と思う。私的2020年の目標を「縁」にした(忘年会でnakabayashi(オンラインショップ中の人)に倣い漢字一文字で言い表した)こともふまえ、この場にて様々な縁を繋いでいけることを願う。



それではまた次の日曜日に。
椿





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