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カープが認められたような気がした日。【2022.6.27】

2022年6月27日。広島に衝撃が走った。「秋山翔吾が広島移籍を決断」。ヤンキース・黒田博樹がカープに復帰した2014年の暮れ以来の衝撃の大きさだった。

秋山翔吾のカープ移籍は、戦力的な面だけでなく、カープが認められた気がして物凄く嬉しい出来事だった。なぜそう感じたのかについて書いていく。

カープの歴史を振り返ると1993年にFA制度が出来てからは、江藤智、金本知憲、新井貴浩(現監督)等カープの4番打者やエースの巨人、阪神への放出を繰り返してきた。

その背景には、親会社のない球団経営からくる"ケチ"な年俸査定。ボロボロの市民球場を使っていたことからくる年俸以外においても"貧しい"球団のイメージがあった。

FA権を行使して巨人や阪神に移籍すれば満員の綺麗な球場でプレーし、年俸も高く、優勝争いをすることが出来る。正直、カープファンでもこの時代の選手たちの気持ちを考えると移籍することも理解出来てしまう。

しかし、2009年にマツダスタジアムが開業。メジャーリーグの球場にヒントを得たボールパーク型の本拠地が完成した。更にチームは、25年ぶりのリーグ優勝から球団史上初のリーグ3連覇を果たす。

2014年に「カープ女子」ブームが起きたこともあり、マツダスタジアムは満員の光景が当たり前となった。4年連続Bクラスとなっている今季も巨人阪神に次ぐセ・リーグ3位、12球団中でも4位の観客動員数を誇っている。

更に観客動員数が安定したことでグッズ販売の売れ行きも良化。球団経営に余裕が出来たことで選手の年俸にも良い影響が出ることになった。市民球場時代には、貧乏球団と嘲られていたカープだが球団別年俸ランキングで2021年には、12球団中4位となった。

ケチな年俸査定、勝てない、ボロボロの本拠地球場、の三重苦だった面影は今のカープにはない。NPB4位の選手年俸、リーグ3連覇を経験した選手、そして真っ赤に埋まるマツダスタジアムは貧しいイメージだった世間のカープへのイメージをPopで明るいものに変えただろう。

そして2022年6月27日。古巣・西武、潤沢な資金力を持つソフトバンクホークス、そして我らがカープからのオファーを受けていた1シーズン216安打のNPB記録を保持しているシンシナティ・レッズ秋山翔吾が次なる所属先にカープを選んだというニュースが流れた。

当然、カープを取り巻く環境が変わったのは今に始まったことでは無い。しかし、ファンとして秋山翔吾がカープを選んだことは、カープのイメージが変わったことの集大成のように感じた。

4番打者、エースを放出することが当たり前だったカープに他球団のレジェンド的選手が加入した日。あの貧しかったカープが認められたような気がした日だった。

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