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おかま きょうと ひとりたび

DAY1


大阪から京都へ。

京都について真っ先にタクシーで北野天満宮前の『澤屋』さんへ。

売り切れ…

残念。
大阪でカレーとか食ってる場合じゃなかった(カレーはカレーで食べたかったけど)。

幼い頃、正月の祖父母の家には普通の餅と粟餅があって、ぷつぷつとした食感が良く、普通の餅より好きでした。
今となっては食べる機会の少ない粟餅(東京の甘味処『みはし』が冬限定で粟ぜんざいをやるくらいですかね)なので京都の楽しみのひとつなんですけど。

ま、気を取り直して『合格祈願』で有名な『北野天満宮』へ。

何を受験するわけでも受験生の子を持つわけでもないのに
『粟餅ロス』を埋めるために購入
こういう『映え手水』増えましたよねー
両脇で干されているのは梅干し


で、北野天満宮の近くにシェアサイクルスポットがあって電動自転車を借りられたので『金閣寺』へ。

『粟餅ロス』がひど過ぎて道中でどら焼き購入
なんだかんだ美しい金閣寺

京都全体がそうですが、とにかく外国人が多い。
金閣寺に至っては「私以外、全員外国人?」と思うほど。
「日本人なのにわざわざ金閣寺へ?え?しかもひとり?」となんだか急に恥ずかしくなって(何故?)。。。外国人のふりして英語でチケットを購入。「OK! センキュー」とか言ったりして。

金閣寺は金満っぽくて派手すぎて(発想が単純)あまり好きじゃなかったんですけど、陽が傾いてオレンジ色が少し溶けこんだ空と金色の調和が美しく「金閣寺もいいもんだなー」と見直しました(上から目線)。

金閣寺の解りやすい美しさやゴージャスさは外国人たちにも好評のよう。みんな楽しそうでした。逆に銀閣寺が不安。あの渋い良さを外国の方々にご理解いただけるのでしょうか?

それから「あれ、これ間に合うんじゃね?」ということで、自転車を東へ走らせ『下鴨神社』へ。

ここはいつ来てもあからさまに空気が良い

『下鴨神社』には、ちりめん生地でできた『媛守(ひめまもり)』という可愛いお守りが売っていて、これを好きな女友達がいるので。

みんな違って みんないい

ほら、もしも『澤屋』さんが売り切れていなかったら、のんびり粟餅なんか食っていて、女友達にお守りを買ってあげるという善行は行えなかったわけじゃない? だから、むしろ『澤屋』さんが売り切れていて正解だったのよ。
…なんて下鴨神社くんだりまで来ても、まだ、粟餅のことをうだうだ考えていました。食べたかったなー。

それから鴨川沿いに南下して、ホテルのある河原町へ。

なぜに鴨川には高貴な水鳥が集まるのでしょう?


河原町に到着して、とりあえず川床で生ビール。

鱧の落とし、とうもろこしの天ぷら、生ビール

人間、一人で悠々と川床ができるようになったらいっちょあがりだな、と思います。
ゆっくりと暮れゆく鴨川を眺めながら少しずつ酔っ払い、そこからまさかの北野天満宮リターン。

なぜ八月に七夕なのかは特に調べていません

昼間に訪れた時に、今だけ「七夕ライトアップ」をやっていることを知ったので、見てみたくなったんですよね。
というわけで、本日、二度目の北野天満宮。
こういう無駄な動きができるのが(無駄ではない)一人旅の醍醐味。

冷たい御手洗川に足をつけて身体を清めて。
これは、もう、何らかに合格せざるを得ないと思う。何に合格するだろう?自分に期待。

さっきの川床でお腹はそれなりに満たされているのでホテルへまっすぐ戻り、大阪の阪神百貨店で購入してきたちょっとしたおやつを本日最後の晩餐とする。

ちょっとしたおやつがおこわ

大阪の有名土産物『とん蝶』です。
炭水化物の話ばかりでドンマイですけど、私はうるち米以上に餅米が好きです。

「そろそろウチらの主食、決めておく?」
「んー、餅米で良くね?」

日本の古代の人たちがそんな決定をしてくれたら良かったのに。
毎日、普通に食べたいよ、餅米。

『とん蝶』はいわゆる『おこわ』で保存料が入ってないから賞味期限はその日限りなのですが、売っていたすべての味を購入してしまいました。
この夜は「普通味」と「とうもろこし入り」を食して眠りにつきました。



DAY2

ホテルの近くの喫茶店でモーニングをいただいてから、行ってみたかった『五条楽園』へ。

五条大橋から南、高瀬川近辺が『五条楽園』


ここは旧遊郭、戦後は赤線だった花街で、2010年に摘発されるまで風俗街として機能していたそう。
今でも一般住宅に混ざってお茶屋や置き屋だった建物が存在しています。

京都の悪いところは、こんな素敵な建築物を見ても「まあ、京都って全体的にこんな感じじゃね?」と思えてしまうところですけどね。

それから東京の吉原などでも見られますけど、いわゆる『カフェー建築』も点在します。タイル貼りやデザイン化されたガラス窓など。私はカフェー建築が好きです。

『カフェー』は女給が接待をしてお酒も出す『特殊喫茶』で、それに対し純粋にコーヒーを売りにしているのが『純喫茶』ですね。

丸窓や色ガラスが可愛い
ここは今はポン酢屋さんになっていた


で、何だか楽しくなってきたの、自転車を借りて西へ3キロほど。『島原』へ。『島原』は京都最古の花街です。

吉原大門と違ってちゃんと門が残っている『島原大門』
置屋兼お茶屋の『輪違屋』
揚屋『角屋』


『角屋』が特別内覧をやっていたので見てみました。
揚屋っていうのは人を揚げるから揚屋。大勢をもてなせる宴会場みたいな感じですかね。

庭の向こうに見えるのは茶室
広間、広い庭、茶室、そして広い台所を持つことが揚屋建築の条件だそうです

基本、京都に来ると四条より北にいることが多いため、せっかくこちらの方へ(五条や六条)に来たので『西本願寺』に寄ってみました。

強い寺!というイメージ。豪僧がいそう


となったら『東本願寺』も。

さすがツインズ。だいたい一緒


この日は台風の上陸で夕方くらいから大雨の予報だったので、錦市場のあたりでランチをしてから、京都大丸のデパ地下で食料を買い込もうと思ったのですが…錦市場が外国人で溢れていたので、寺町通りを南へ逃げて、適当なラーメン屋で食事を済ませてから、せっかくなので京都市役所の方まで歩いて『湯葉半』さんへ。

看板の小ささ。たぶん一般人や一見相手に商売する気がない

炭屋さんなどの老舗旅館にも卸している老舗の湯葉屋さん。
前回、偶然この店の真ん前のホテルに宿泊していて試しに「刺身湯葉」を購入してみたらめちゃくちゃおいしかったんです。

店内に入るっとちょっと複雑な気持ちになるくらいの古さ、日常生活感なんですけど、早朝の湯葉を作っている時間は、もうもうと湯気が立ち込め、乳白色の湯葉が当たり一面に干されていて、神秘的ですらありました。

古いと汚いの違いについて考える


それから京都大丸で食料を買い込んでホテルへ。
どうせこれから雨だからと昼寝。
だけど目覚めたら窓の外は暗かったけど雨はまだ降ってなくて、雨の予報は深夜からに変わっていたので「あれ?これは行けるんじゃない?」ということで。

清水寺の『千日詣り』へ。

この期間の1度の参詣は千日分の利益があると言う


しかもお盆の3日間は夜の参拝ができるのです。

レーザー要るかな?
あからさまに美しい
レーザー要るかな?Part2


帰り道は雨に濡れましたけど、雨も京都も良いものです。
気分よくホテルへ戻り、本日最後の晩餐。

京都大丸の鱧の落としと鯖寿司、湯葉半の刺身湯葉、缶ビール



DAY3

一日中台風で雨。
ホテルにこもって「大阪旅行記」を書いていました。晴耕雨読。ていねいな暮らしをしている人っぽい。



DAY4


翌朝はカフェでモーニングを食べてから


今夜は『京都五山の送り日』なので、護摩木を供えに銀閣寺へ。

今回一番多くの日本人を見た場所

護摩木に名前や願いごと(無病息災、とか)を筆で書くのですが、その作業が楽しくて、なんだかノッてきちゃって、頼まれてもいないのに友人家族の分まで護摩木を書いていました。
書いては写メに撮ってお土産代わりに送るという、勝手な先祖供養をひたすらに。

銀閣寺自体には入らず(何度も見てるし)、参道でひとやすみ。

鮎だよ


そして、京都で一番好きな場所『南禅寺』へ。
かつてのJR東海のCMで有名なお寺ですね。


春や秋ももちろん良いですけど、緑に包まれる夏の『南禅寺』も美しいです。

門の向こうに見える絵画のような季節感
気持ちいいなー
この岩は花が落ちることを想定してここに置かれているんですかね?
以前は日本人だかけだったフォトスポットも外国人ばかり


南禅寺の山道にはブルーボトルコーヒーがおしゃれに佇んでいるので一服したり。

レモンクリームのワッフルだったかな


それからまた自転車を借りて、四条までのんびりと。
台風一過の京都は、まだ、どこもかしこも夏そのもの。

だけど四条に到着した途端、急激に飽きてしまいましてね。
連日の食べ過ぎで胃も重め。

友達とガヤガヤ行く旅行は楽しいですけど、「あそこも行きたかったな」「あそこをもう少しゆっくり見たかったな」という後悔が必ず残るんですよね。たとえば友達と京都に来て「今日は五条楽園に行ってみたい」と主張してみたところで、多分、誰も賛同してくれない。

その点、一人旅は自由ですから好きな場所、好きなことを存分に楽しめます。だけど不意に我に帰って「あ、今日、まだ誰とも口をきいていない」なんて寂しさを感じることがあるのも事実です。

そんなわけで、一人旅をしていると旅の後半に「里心」がついてしまう瞬間があります。一人でいることに飽きてしまう。でも、この「飽きるまでそこにいる」というのも良いものです。

せっかく京都にいるのにドトールでいつも飲んでるカフェオレを飲んで「東京帰ったらサウナ行こっと」なんて考えるのも、それはそれでまた楽しい。東京へ帰るのがちょっと楽しみになります。

飽きたならさっさと帰れば良いのですが、夜まで京都で粘った理由は『五山の送り火』です。

出町柳から赤々と燃える『右大文字』を眺め、夏の一人旅も無事終了。
駅へ向かい新幹線に飛び乗り…たかったところですけど、台風の影響でダイヤが乱れまくっていて、東京駅に到着したのは深夜2時半でした。

ああ、でも、楽しかった。

次回は『澤屋』の粟餅が食べたい。
あと嵐山の灯籠流しを見てみたい。

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