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ゆっくりでいい、が欲しかった

私は物心ついた時からのんびりやだ。でも人に言われるからそう思っているだけで、自覚はできない。なんか、元々の自分の中の時間がゆっくり流れているんじゃないかと思っている

自覚できないから、いつも自分は遅いんじゃないか、と思って、周りの人のちょっとした仕草で、急かされているんじゃないか、と思ってしまう。

この前私が野菜を切っていた時、ふと、前に母に言われた言葉を思い出した。

それは、同じように私が野菜を切っていた時だった。私は料理下手で、包丁の使い方が壊滅的だった。そこで一人暮らしを始める前に、実家で母が料理をするのを何回か手伝ったのだった。

私が野菜を恐る恐る切っていた時、母が、
「ゆっくりでいいから」
と言った。

別に大したことのない言葉なのだけれど、なぜか印象に残った。

それは、私がずっと
ゆっくりでいいんだよ、
と言って欲しかったからなのだと思う。

ずっと自分は遅いんじゃないか、急がなきゃいけないんじゃないか、とプレッシャーを感じてきた分、ゆっくりでいい、という言葉にかなり安心するのだと思う。

それに加え、母から言われた、ということも関係しているかもしれない。友人が気を使って
ゆっくりでいい、と言うことはあっても、母から言われることはあまりなかったと思う。むしろ早くしてと言われた記憶の方がある。

今、改めて野菜を切る時に、自分に向かって
「ゆっくりでいい、ゆっくりでいい」
と言い聞かせてみる。

それだけで、
「ゆっくりな自分でもいいんだ」
と今までの自分が慰められた気がした。

今日の絵は「野菜を切る」からとって
にんじん。

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