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【滲み対策②】熨斗袋に名前を書くときのインク・墨の調整方法

卒業入学シーズンで、祝儀袋に名前を書く機会も多いかと思います。

今回は滲み対策のために私が熨斗袋に名前を書く前に確認していることのご紹介。
※以下、祝儀・不祝儀袋を金封と表記します

金封に名前を書く際に滲んで焦ってしまい、失敗したというお悩みやご相談をよく頂きます。滲み対策はいくつかあるのですが、大きくは3つ。いずれも書く前にする準備になります。

滲みにくい金封を使用する(前回)
筆ペンのインクの出を調整または滲みにくい墨を使用する(今回)
紙に滲み防止対策をする(次回)

前回は購入時に紙の素材を確認するようにしましょうという話。
今回は②筆ペンのインクの出を調整または滲みにくい墨の使用についてです。

筆ペンのインクの出の調整方法


滲む紙に筆ペンで書くときの原則は
1.書くときの速度を上げる
2.筆ペンのインクの量を調整する
という対応になります。

書く時の速度が遅いと、筆ペンの毛先からインクがでて紙に吸収されてしまい滲む原因になってしまいます。紙に筆ペンの先をチョンっと置いた瞬間にぶわーッと滲みが広がりビックリした経験はよくあります。これを避けるためにはある程度の速度で書く必要があります。

ですが、そうはいっても速度を上げることにも限界はあります。
そこで、インクの出を調整します。硬筆タイプや軟筆タイプでは難しいのですが、毛筆タイプの筆ペンの場合は、毛の部分のインクをティッシュペーパーで吸い取って調整をします。小学校の書写の授業などで着けすぎた墨を、硯の端っこで落として調整した経験のある方はいると思いますが、それと同じことを筆ペンでも行います。

日本筆記具工業会さんのページに筆ペンの構造が紹介されていますが、毛筆タイプの筆ペンはカートリッジのインキがスポンジに吸収され、それが毛先に伝わるようになっています。

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画像:日本筆記具工業会 筆ペンのページ より

特に、ぺんてる筆シリーズの筆ペンはカートリッジを押すとスポンジにインクが伝わる作りのため、カートリッジを押さなければインキは出てこないということです。ですので、穂先のインキをティッシュペーパーでふき取って調整をします。

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画像:日本筆記具工業会 筆ペンのページ より

金封に名前を書く前に新聞紙のような紙質のものに試し書きし(ツルツルの紙は避けてくださいね)、インクが乾くのに30秒も60秒もかかる場合はティッシュでふき取り調整をすることで、滲みを改善することができます。


滲みにくい墨の使用方法

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次に滲みにくい墨の使用方法を3つご紹介します。墨のため、筆ペンではなく小筆を使って書く際の方法になります。

1.墨を濃く磨る
2.サクラマット水彩(黒)をまぜる
3.帛書墨(はくしょぼく)を使用する


1.墨を濃く磨る
こちらは、書道をやっている方は当たり前かもしれませんが、墨を硯で濃く磨ることです、目安は少しトロトロになるまで。磨りが足りないと水っぽくなり滲みやすくなってしまいます。
ただし、薄墨が必要な香典袋の時は濃く磨るわけにいかないのが難点です…

2.サクラマット水彩(黒)をまぜる
(ポスターカラーの黒を使用してもOKです)
この方法は賞状技法士養成講座で教わりました。磨った墨に墨にサクラマット水彩を混ぜてると、濃く磨った墨のようになり、結果的に滲みにくくなります。
こちらは、使い終わったらしっかり筆を洗うように気をつけてください。

3.帛書墨( はくしょぼく)を使用する
帛書墨は開明さんから販売されている布・リボン・色紙・提灯・だるまなどに書くための専用墨汁で滲みにくい特徴があります。私は師匠の先生から最初に教わりました。ペンキのような書き味で、墨があまり伸びません。ですがその分滲みにくいです。時間がなくて短時間でサッと書かなければいけない時などにおすすめです。

いかがでしたでしょうか。少しでも参考になりましたら幸いです。
気になるものがありましたらぜひ試してみてください!

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