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中国にきたぞ⑨ 西湖
杭州にやってきました。思えば随分と東にやってきました。もう少し行けば日本が見えそうな錯覚に陥る程に、中国は観光地から観光地までの移動距離が長いです。
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西湖に行く前に、浙江大学にやってきました。超名門大学で、飛びぬけた学力の持ち主たちが集まる場所だそうです。中に入って見学できたらいいんですけど、中国の大学は、セキュリティもへったくれもあったものではない、二十四時間出入り自由の日本の大学なんかと違って、厳重に守られています。認証カードがないと入れませんし、周囲は壁で覆われていて、抜け道もなさそうです。一般公開は夜の七時から九時までの、学生の勉強を邪魔しない時間のみだそうで、徹底されています。行くのを楽しみにしていた彼女は残念そうでした……とりあえず正門はがっつりと撮っておくことにしました。
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気を取り直して西湖を散策します。ここも非常に有名な湖で、太古は干潟だったそうです。そのため、水深が2.8mと浅めで、落ちてもなんとか生きて戻れそうな望みがあります。外周はなんと15キロ。体力と時間によっぽど余裕がある人、それから寒さに万全の備えがある人以外は、中々一日で全てを回ることはできないでしょう。
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ここ数日間、天気はどんよりと曇っていましたが、変な意味ではなく、これもこれで中国の良い雰囲気が出てるな、と思うのは僕だけでしょうか。確かにぱっと見える美しさや、写真映えする色どりはありませんが、靄がかかる山々と静かな湖を眺めていると、それこそ仙人や諸子百家の人物たちの息吹が感じられそうな気持になってきて、時の流れまでもが靄にかかっている素晴らしい感覚に落ちることができます。(大気汚染肯定派ではないですからね!)
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先にも言ったように、西湖は巨大なくせに、各所に見どころがあって、「西湖十景」と呼ばれる10大観光スポットもあるわけです。なので、船で移動することができます。巨大な観光船で西湖を一周することもできますし、個人の手漕ぎ船で、のんびりと西湖を楽しむこともできます。あるいは、電車のように各所に駅があって、一区間ごとに船に乗って移動することだってできてしまいます。僕たちも一区間ごとに移動するタイプの船に乗ろうと待っていたのですが、全然こないので、待ちきれずに歩いてしまいました。また、個人の船を持つ人が値引きを口にして粘りっこい接客をしてくるのも厄介でした。まるで、断られてからが勝負だと言わんばかりの粘着性でした。
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有名な橋です。この橋を渡って湖に浮かぶ小島に歩いていくことができます。小島には断橋残雪と平湖秋月というスポットがあります。断橋残雪はうっかりスルーしてしまったカスですが、平湖秋月はしっかりと捉えました。
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こちらが平湖秋月。中はお土産屋さんになっていて若干残念ですけど、ここで秋月を見るとどれだけ素晴らしい眺めになるのかと想像できる外観です。
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もちろんお腹が空いたのでグルメも頂きましたよ。左が鉄板豆腐です。文字通り鉄板で焼いた豆腐が味付けされたグルメです。右はお肉が挟まれた、サンドウィッチというか、パンというか、タコス? です。何の肉かというと、驢馬。僕は学無し能無しの一般人ですので、食べた後にこれは驢馬だと教えられてびっくりしました。噛み応えがありつつも、固すぎて口に残ることはないほどよい柔らかさで、あっという間に食べ切ってしまいました。
西湖の周りには程よい感覚で屋台やお店があるので、西湖散策で飲食に困ることはあまりないのではないかと思います。
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中国では、ねこを呼ぶときには「ミー、ミー」と声をかけます。
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ミー、ミー、ミー、ミー、ミー、ミー、ミー、ミー、ミー、ミー、ミー、ミー、ミー、ミー、ミー、ミー、ミー、ミー、ミー、ミー、ミー、ミー、ミー、ミー、ミー、ミー、ミー、ミー、ミー、ミー、ミー、ミー、ミー、ミー、ミー、ミー、ミー、ミー、ミー、ミー、ミー、ミー、ミー、ミー、ミー、ミー、ミー、ミー、ミー、ミー、ミー、ミー、ミー、ミー、ミー、ミー、ミー、ミー、
嫌われたかな
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僕が最近読んだ『無限の月』という小説の中にも出てきましたし、他の有名な作品でも出てくるらしい西冷印社にも行ってきました。まさか本当に実在しいているとは思っていなかったので、思わず目を入口と同じくらい丸くしてしまいました。
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西湖も綺麗でしたが、西冷印社が綺麗すぎてびっくり仰天しました。
振り返ってみれば、色々な湖に行った四日間でした。水と共にめぐる中国、と名付けてみてもいいでしょう。
杭州から劣悪鉄道に乗って、西へと戻ります。
続く
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