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140字小説 秋の星々①

さて、秋の星々(140字小説コンテスト第4期)! 落選してしまいました。残念です。供養の意味もこめて、ここで活躍させてあげましょう。

先生、久しぶり!やっぱり先生のクラスは明るいね。先生明るい雰囲気が好きだったもんね。ところで先生、あれ見たことある?深作欣二監督のデスゲーム映画。そう、生徒同士の殺し合い。このクラスでやってみようか。私今デスゲームの主催者やっててさ……誰も許してないの。あの時の先生も、クラスも。

今回のテーマ文字は、「深」でした。
これは、三作あるうちの、一番最初に考えついたものです。
どうでしたか?
何を書こうか考えていた時に、ちょうど深作欣二監督の「バトルロワイヤル」を見ていて、深作欣二監督、「深」やん! と興奮したのを覚えています。
「バトルロワイヤル」という映画は、今でも名作として語り継がれていますよね。クラスの生徒同士で殺し合いをさせられるやつです。北野武が、「今から皆さんに殺し合いをしてもらいます」と言い放つシーンが有名でしょう。
その映画を見ていたものですから、そっち系の作品が完成しました。

一言で言えば、復讐ですね。
中学や高校を卒業して、何年か経って同窓会などに行くと、おかしいな、って思いません? 話が全て美談なんですよ。少なからず、苦しい人間関係、陰湿ないじめ、妬み嫉みがあったはずなのに、全て忘れさられたかのように、青春の一言で片づけられるのです。でもきっと、同窓会にきて居心地が悪そうにしている人だったり、同窓会にこない人の誰かは、今でも当時の苦しみや不快感を覚えているはずです。もしかしたら、どこかでその時の復讐をしようとしているかもしれません。そういう妄想の百四十字です。

ねちっこい人間だと思われるでしょうが、僕は結構、今でもあいつらに痛い目を合わせてやりたいと考えるんです。いじめられていたわけではありませんが、自分の怒りの領域に踏み込まれ、プライドを傷つけられたことは度々あります。それを今でも当時のように思い出して、怒りが体中に浮遊するんです。

過去の話だとわりきって前に進むのは悪いことではありませんが、誰かにとっては、わりきれない問題のまま今も残り続けていることもあるんでしょうね。


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