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スティーブン・R・コヴィ「7つの習慣」を読む前に読むと良い記事

スティーブン・R・コヴィ博士の7つの習慣。
手に取ったことのある方、たくさんいらっしゃるのではないでしょうか。
そして同時にこんな方もいるのでは?
「あぁ、厚みがある…。面白いけど日本語訳は読みづらいし、最後まで読めん…。」

私はそんなひとりでした。
重い腰があがらないあなたのために(?!)、読み込む前に押さえておきたいポイントをまとめてご紹介したいと思います。

「7つの習慣」とはそもそもどれくらい売れているの?

世界で3,000万部、日本国内でも200万部を超える大ヒット作。
ビジネス書は日本国内では10万部売れたら大ヒットと言われ、1~2万部売れて、重版されたら良しとされる世界です。そんな中、桁違いの200万部。やはり名著であることは間違いなさそうです。

そして初版は1989年にまで遡ります。
いかに「7つの習慣」が広く長い間多くの人に愛読されてきたかよくわかりますね。

英語で書かれたものが日本語訳されているのも気にしてみよう

「7つの習慣」は英語原文だと「The 7 habits of highly effective people 」。
直訳すると、”とても効果的な人々の7つの習慣”。
「7つの習慣」でいわれる”とても効果的な人々”とは、”自分が得たいものを得続けることができている人たち”とスティーブン・R・コヴィは捉えています。

つまり、自己実現していきたいと願う人たちはどんな習慣があるのかが、この書籍をとおして理解することができるわけです。
日本語訳されている本は意訳されているので、時に原文にあたる大切さに改めて気づかされます。
※英語が得意な方は、ぜひ英語原文も手に取ってみてください。

副題も大事

2013年にキングベアー出版から副題が変更され、新訳版として改めて出版されました。
副題も含めた正式な書籍の名は「完訳 7つの習慣 人格主義の回復」。

人格主義の回復…。深い…。
それまでの副題は「7つの習慣 成功には原則があった!」でした。

人格主義の回復とは

フランクリン・コヴィは、アメリカが建国された1776年以降、約200年超の期間において、「成功」に関わる文献を調査しました。直近50年はコミュニケーションスキルやポジティブシンキングなど、上辺だけの応急処置的なテクニック(Doingとも言い換えられます)に寄っており、本質的な課題解決につながる示唆に富んだものではないことに気が付きます。

ではそれ以前はどうだったかというと、不変の「原則」に基づく人格の養成を重視。
誠意や勇気、勤勉、節制など、その人のあり方(Beingともよく言いますね)にフォーカスされていました。

DoingとBeing。両方大切なのですが、スティーブン・R・コヴィは「7つの習慣」という書籍をとおし、Beingに改めて着目しなおし(人格主義を改めて思い起こし)、人の本質的な不変の「原則」を改めて紐解き、それらを習慣に置き替えていこうというメッセージが込めているともいえるでしょう。

7つの習慣を具体的に読む前に押さえておきたい”あり方”

というわけで、7つの習慣という具体的な手法を読む前に、”あり方”について特に重要と思われるポイントを押さえておきましょう。

(1)インサイドアウトからはじめる

インサイドアウトとは、内側から外側に向かっていくという意味です。インサイド(内面)からアウト(外)へ、です。
あり方として、自分の内側に変化を起こし、外側に対して働きかけていくという順番がとても大事だとスティーブン・R・コヴィは言います。

インサイドアウトの逆はアウトサイドイン。アウトサイド(周囲の出来事)からインする(影響を受ける)、です。
ふと考えてみると、人はアウトサイドインに陥りがち。
何かと自分の外側の世界の出来事に一喜一憂しますよね。

<アウトサイドインが及ぼす影響>

◆ポジティブ
・同期の中の誰よりも早く昇格できてうれしい
・人よりお金がたくさんあるから安心して暮らすことができている
・朝早くから並んだので誰よりも早くiPhoneの最新機種を手に入れた

◆ネガティブ
・資格の認定試験に落ちた
・給与が少ないのにいつも仕事が山積みで休む暇もない
・お花見の日、早起きして場所取りにいったのに事前の場所取り禁止だった

スティーブン・R・コヴィは、アウトサイドインの考え方を改め、内側の幸せを追求し、インサイドアウトを軸に生きることこそ、自己実現に不可欠であると主張します。

(2)パラダイムを理解しよう

パラダイムはものの見方、考え方を認識する枠組みのこと。
なんだかムズカシイ…。

例えば、「信頼」という言葉から連想されるものは何が思いつくでしょう。
親友、約束といったものもあれば、ビジネスパートナー、責任など仕事に直結するものを連想する方もいらっしゃるかと思います。

スティーブン・R・コヴィの残した言葉のひとつに、
「人は世界をあるがままにみているのではなく、私たちのあるがままでみている」
というものがあります。

人は必ず解釈を加えて認識しているということです。

仕事がら私は研修で登壇する機会があります。
Aさんは「また研修かよ…。忙しいのに呼ばないでくれる?」というスタンス。Bさんは「今日はどんな講師が出てくるのかな。新しい考え方に触れるのが楽しみ~」というスタンス。

研修後の結果は明白ですね。
同じ内容を伝えていても、得られるものは人それぞれ。

自分の人生に大きな変化を起こしたいのであれば、パラダイム(ものの見方、考え方の認識)に働きかけなければ本質的には変わらないと、syティーブン・R・コヴィは言います。

(3)P/PCバランス

”7つの習慣”であまり注目されることの少ないP/PCバランス。
実はこれもとても大事。

P=Production(成果)
PC=Production capability(成果を生み出す能力)
の2点をバランスせよ、という意味です。

うん、わかりづらい。

どういうことかというと、とあるクラムチャウダー屋の比喩が登場します。

<クラムチャウダー屋の話>
そのクラムチャウダー屋、大変繁盛しており、毎日行列を成していました。
たっぷり入った生クリームとバラエティに富んだ具材、ゆったりとした店内。訪れる誰もが満足する素敵な飲食店。

ある日、オーナーが変わることになりました。

店の様子をみたオーナーは経営方針を転換します。
「こんなに並ばせてしまってもったいない…。もっと稼働を上げるために店内のレイアウトを変えて、ギュギュッとしてたくさんの人が着席できるようにしよう!」
「生クリームもこんなにたっぷり使って…。コスト削減のため、使用量を10%減らそう。きっと気づかれないよ。」

経営が変わってx日後。客足が段々と遠のき、1年半後には倒産にまで追い込まれてしまいました。

多くのお客さんがその店を訪れていたのは、生クリームたっぷり、具材たっぷりのクラムチャウダーの品質と、店内のゆったりした空間からでした。これがまさにPC(Production capability)だったのですが、売上というP(Production)に気を取られ、PCを失うことにもなってしまうわけです。

PとPCはバランスが命。どちらも大切ですが、他方を疎かにしてはいけないという教訓です。

”7つの習慣”は3つのパートの分かれている

(1)~(3)は基本原則として語られており、習慣そのものの中身に入る前の前提として捉えておくべき重要な価値観です。
ぜひ一通り頭に入れてから読み込んでいただくと、より理解が深まると思います。

さて、ここまでで7つの習慣の1つ目のパートが終わりました。

いよいよ習慣の中身について読み進めていくことになるのですが、ここから先は書籍の中でもわかりやすく整理されているので簡単に構成だけ触れておきましょう。

2つ目のパートは”依存”状態から”自立”状態に至るまでの習慣が整理されています。
H1:主体的である
H2:終わりを思い描くことから始める≒死から逆算して考える(死を迎えたとき、どんな人だったと言われたいか)
H3:最優先事項を優先する

3つ目のパートは”自立”状態から”相互依存”状態に至るまでの習慣が整理されています。
H4:Win-Winを考える
H5:まず理解に徹し、理解される
H6:シナジーを創り出す

これらの刃を研ぐことがH7、7つ目の習慣。

こんな構成になっています。

終わりに

最後に告白します。私、”7つの習慣”をまだ読んだことがありません(笑)。これから読みます!
実はスティーブン・R・コヴィ・ジャパンに数年所属された後、現在は起業し、研修事業を中心に展開されている紀藤さんに勉強会を開催していただいた内容をサマリしたものをもとに、本記事を書いています。
※掲載許可いただきました

名著の勉強会を定期的に開催予定

「この名著、読めてない!」
「この名著、分厚くて途中でいつも挫折する!」
「この名著、日本語訳がわかりづらくて眠くなる…。」
まだまだたくさんの名著を勝手に私は眠らせてしまっているので、不定期に勉強会を開催していきたいと思っています。

次回はまだ未定ですが、ご興味あれば個別にメッセージください。Active Book Dialogue(通称:ABD)など様々な読書法がありますが、本気で一文字も読まずに、一緒に積読をやっつけていきませんか?(笑)

Focus now , enrich your days .

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