実務家としての読書のススメ

最近、「本を読むのは本氣で」を意識してまして、一冊の本を何度もアンダーラインを引きながら、メモも書いていくスタイルに変えました。

読むスピードは牛歩の如く、2ヶ月で1〜2冊といった感じではありますが、以前より記憶というか、身体にその思想や理論が染み込んでいる気がしています。

本をじっくりゆっくり何度も何度もなぜ読むことにしたのか、少し考えを整理しておきます。

実務家の読書の仕方とは

小説だったり、雑誌だったり、本を読むと一口にいっても、その読み方は無限になってしまうので、ここでは特にビジネス書を読む理由から、実務家の観点で整理してみたいと思います。

ビジネス書をあなたが手に取る理由は何でしょう。

・経営感の次元をあげたい
・目指す経営者が何に悩み、どう決断したのか自叙伝から参考にしたい
・経営全般に関する知識をつけたい
・マーケティングの専門家として活動フィールドを拡げたい
・コミュニケーションに悩んでいるので解決の糸口を探している
・初めて部下を持ったのでまずはマネジメントを総論で把握したい
・会計知識がなさすぎて周りについていけないから焦って本を取ってみた
・何がやりたいか分からないので自己啓発しようと思った
・周りが読めというから買ってみた
・尊敬している人がバイブルだと豪語するので買ってみた

他にもそれぞれ理由があるとは思うのですが、要は自分を変えたいから人はビジネス書を読んでいます。

ビジネスを学問として解き明かそうという一部の方を除き、変わりたいからビジネス書を読んでいるはずです。

となると、当然自分自身が変わらないと本を買った意味がないわけです。
本から学び、変わるためにはどうすればいいのか。
思考を変え、行動しないと何もはじまらないことに気が付きます。

当たり前といえば当たり前の話。

本棚をみてみてください。
みなさんはその書籍から自分自身の思考に影響を与え、行動変容まで繋がった本は何冊ありますか。

お恥ずかしながら私はせいぜい五冊。
これまで何百、もしかしたら何千と本を手に取ってきたはずなのに、人生の糧になっている本は五冊程度という悲しい現実。

実務家として書籍から学ぶのであれば、内容理解は当然、そこから何を具体的な思考・行動として様式変更するのかが重要です。

私自身の人生観や考え方、思考の癖、いつもの行動と照らし合わせたとき、本質的に違うのはどの部分なのか。
その本質的な部分を自分自身変えたいと心の底から思えるのか。
思えないとするなら、それはなぜなのか。

深く深く自身の内省・内観につなげていかねばなりません。

これらを一冊の本を一度読んだだけでやりきれるかといえば当然無理。
ということで、私はアンダーラインを引きながらまずはザッと目を通す。
その後、書籍を改めて読み返しながら自身の経験とも照らし合わせつつ要約し、記憶に定着させる。
さらにその後は自身への問いをテーマに3回、4回と読み込んでいく。

何度も何度も血肉になることを目指し、味読することに変えました。

これまで思考・行動変容に繋がった書籍が五冊しかないなら、二カ月に一冊でもいいから人生に明確に影響を与えるほど読み込みを行う。2021年末には倍の十冊になっています。

先人の知恵を、活きた知恵にしていきたいものです。

書籍の選び方

書籍を選ぶ際に私が意識している点は3つあります。
①尊敬する人が名著だから絶対読んだほうがいいと豪語している
②できれば長い間売れている本(瞬間風速的に売れているのではなく、長い間ビジネスパーソンに親しまれている本)
③ザッと目をとおしたとき、日本語の言い回しが難しすぎず、頭に入ってくる文章であること

②を意識する理由は本質的で普遍的な内容が書かれている可能性が高いからです。よく原典を当たれと言われますが、長く売れているのには必ず理由があります。

③は個人的にかなり重要だと考えています。
読んでいて眠くなる、理解するだけで脳みそフル回転させられると、ただでさえ内省・内観に意識を集中せねばならないのに、読解力も求められてしまい、力が分散します。結果、内省力・内観力が落ちます。

読みやすさについては私は重要と思っており、読みにくいと感じた本は実務家としての読書対象から外すようにします。
ちょっともったいないことをしているかもしれませんね。

アウトプットから更なる定着を

願わくば実務家としての読書を終えた書籍は手元に大事に置きながらも、自身で学び舎を開催することもおすすめです。

私はまだ2冊しか経験がありませんが、著者の気持ちを汲み、書籍を題材とした勉強会、ワークショップを開催することを行っています。

アウトプットするとなると、内省・内観にとどまらず人に説明できるほどの理解が求められるため、一層の読み込みが必要で、その背景理解や書籍全体の構造化をも行うことになります。

これがその書籍の深い理解につながっていきます。

自身への引き寄せ、内省・内観に加え、書籍全体を通じての著者からのメッセージを読み解くこと。

本質を理解し、具体的な思考・行動変容につなげ、実務家としての読書を実現していきたいものですね。

みなさんも良書との素晴らしい旅を。

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