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日本最古、伝統の和菓子!

京都市北区の今宮神社の参道には古来より伝統的な和菓子があり、タイムトリップしてみたく訪ねてみました。

平安時代から製法を変えずに長保2年ちょうほう(西暦1000年)の創業から1000年以上も同じ味を保ってきた「一文字屋和輔いちもんじやわすけ、通称「一和」のあぶり餅。
日本最古の和菓子と言われています。

その創業は、今宮神社が正暦しょうりゃく5年(西暦994年)悪疫退散の祈願をしてお餅を振舞ったことに始まる

また、その向かい側には、「かざりや」という屋号のあぶり餅。ここは、比較的新しく(?)寛永14年(1637年)創業の約400年続くお店です。

どちらも繁盛していて、「一和」は元祖「かざりや」は本家、と銘打っておりどちらを選ぶか迷います。

なお、どちらもメニューはあぶり餅一点のみ、保存料不使用の一日限りの伝統的なお菓子、選択に悩むのはお店だけというのがまた良いですね。

わたしは約15年前にかざりやさんで食したことがあるので、今回は一和さんにお邪魔することにしました。

そこで、わたしの二つの店舗の個人的な感想を。

今宮神社東門への参道 右手が「一和」さん、左手が「かざりや」さん

一和さんは、
質素な佇まいの中に風情がある。
平安時代から使われてきたという店内に直径3mの現役の井戸があるのも魅力的。

千利休も食していたというお店のどことない雰囲気に、1000年以上も続いてきたという歴史を感じます。

このお店、なんと京都市の景観重要建造物「京都を彩る建物や庭園」に第一号認定されているという。

「一和」さんの看板 いつの時代のものだろう?
平安時代から使われてきたという一和さんの井戸
今では衛生上の理由で使われていないとのことです

そしてかざりやさんは、
流石に新しいだけあって(?)店構えが洗練されている。

江戸時代の情緒ある門の中には「水琴窟」もあり、美しい音色を聴くこともでき五感を楽しませてくれる粋な計らいがあります。

「かざりや」さんも行列
かざりやさんの門

両方のお店が店先にある備長炭でパタパタとお餅を焼いているので、参道には芳ばしい香りが漂ってます

製法は全て手作業で、きな粉をまぶしたお餅に竹串を指し、昭和時代(?)の扇風機で風を送り備長炭で丁寧にあぶってます。

因みにこの竹串は、今宮神社に奉納された神聖な斎串いぐし。そしてあぶることで魔除けになるという意味が込められている。

お餅を備長炭であぶる
参道は参拝者が後を絶たない
あぶり餅をあぶる煙で覆われている

そして、京都と言えば白味噌。
ほんのり甘い秘伝の白味噌のたれをかけて完成。

そもそも今宮神社の悪疫退散の祈願から始まり、応仁の乱(1467年)や飢饉の際にも振舞われたあぶり餅、食べれば病気や厄除けのご利益があると言います。

病気や厄除けのご利益もあるというあぶり餅


今宮神社

別名「玉の輿たまのこし神社」とも言われている今宮神社本殿(健康長寿、良縁開運)を参拝、境内は広く摂社である疫神社(健康長寿、厄除け)、そして末社が数多くあります。

歴史は古く、延暦13年(794年)の平安遷都以前から疫神スサノヲ(その力強さから疫病をもたらすとも退けるとも言われている)を祀る摂社疫神社があったとされる。

今宮神社の楼門
拝殿と本殿
おまけ 美を司る神である弁天さんの使者ナマズの彫り物(見つけにくいです)

最後に

今回は、あぶり餅メインだったので、今宮神社の説明は割愛しましたが、今宮神社こそ見どころとご利益は満載です。

SDG`sが叫ばれる昨今、現在の経営者は25代目だとか、この1000年以上続くお店には多くのヒントがあると思います。どんどん探ってみたいですね。

また、疫病にも悩まされる昨今、疫病退散とお願い事を伝えに今宮神社を参拝、そして1000年以上前そして連綿と続く時代に思いを馳せ日本最古の伝統和菓子あぶり餅を味わってみてください

こちらのお餅も美味しいのでご参考までに添付します。
豆餅の美味しい「出町ふたば」さんは創業1899年、今宮神社の話から感覚がズレてしまいそうですが、間違いなく老舗ですよー老舗。

最後までお読みいただきありがとうございました。


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