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宇宙寺院を建立するという醍醐寺に行ってみた(1) ~下醍醐編~

世界遺産の醍醐寺は、豊臣秀吉の「醍醐の花見」で有名で、わたしは以前友人と桜を見に来ただけでお寺そのものを見たことがなかったのです。

しかしこの「醍醐寺」がなんと宇宙寺院を建立するという記事に接し、お寺に興味が湧き思い立ち行ってみました。

行ってみると想像を超える空間が。。。

醍醐寺

醍醐寺は、開山以来、天皇、貴族、武家、民衆など多くの人々の祈りに守られてきたお寺で、平成6年(1994年)12月にはユネスコ世界文化遺産に登録
上醍醐准胝堂は西国三十三所の第11番札所(准胝堂は焼失したため、御朱印は准胝観音を祀る下醍醐観音堂)でもあります。

醍醐寺 総門

その歴史は古く、京都市街南東の醍醐山(笠取山)に平安時代の貞観16年(874年)開創

貞観といえば、富士山が噴火したのは貞観6年(864年)、貞観地震・津波は貞観11年(869年)、と自然災害の多かった時。

約200万坪の広大な境内を持ち、醍醐山の麓を「下醍醐」、山頂一帯を「上醍醐」と呼んでいます。

現在伝承文化財は国宝69,420点、重要文化財6,521点、その他古代、中世以来の貴重な寺宝10万点以上があります。

第103世の仲田順和座主のお言葉が素敵です、

醍醐寺は「木の文化」「紙の文化」伝承の宝庫。
醍醐寺一山は、一木一草に至るまで文化財と心得、「生かされてこそ文化財」という一語を大切に、伝承を続けています。


三宝院エリア

下醍醐は、「三宝院エリア」「伽藍エリア」「霊宝館エリア」と3エリアに区分されます。

その三宝院は、第14世座主により永久3年(1115年)に創建

その後、豊臣秀吉が慶長3年(1598年)に催した「醍醐の花見」を契機として整備され、庭園は秀吉自らが基本設計したもので、国の特別史跡・特別名勝に指定されています。

で、「この紋所が目に入らぬか!」とばかりの威厳漂う唐門(国宝)。

唐門

菊の御紋と桐の御紋。桐の御紋は豊臣家の御紋だけでなく、そもそもは天皇家の御紋であり内閣総理大臣・日本国政府・内閣府の紋章として使用してますよね。

秀吉自らが基本設計した三宝院の庭園、一見の価値ありですよね。
ただ、画像を圧縮したため粗くて暗くなってしまった😅

三宝院庭園

三宝院庭園3


伽藍エリア

三宝院を出て伽藍エリアに向かうと迫力の西大門が見えてきました。
西大門は豊臣秀頼が慶長10年(1605年)に再建したもの。

西大門

そして、近くに行くと最初に目に入るのが、西大門の仁王門(重要文化財です)。

仁王門にはど大迫力の仁王像(金剛力士像)が睨みを利かせ、悪人を絶対に入れさせません。

この仁王像、平安後期長承3年(1134年)に造立、もとは南大門に祀られていた尊像を西大門に移設したようです。

西大門(仁王門)

仁王門をくぐってしばらくすると、堂塔のならぶ伽藍が広がり国宝である金堂と五重塔が目に入ります。

金堂は、醍醐天皇の御願により延長4年(926)に紀州(和歌山県)の湯浅に創建された建物。豊臣秀吉の命によって紀州から移築。主要部は平安末期の様式を完全に残しています

金堂

五重塔は、醍醐天皇のご冥福を祈るために朱雀天皇が起工、村上天皇の天暦5年(951年)に完成、なんとついこの間の応仁の乱(1467年)の戦火を逃れた貴重な京都府最古の木造建築物

五重塔

五重塔を後にして前へ進むと日月門があります。

ここで見られた ⇓ の写真のように目を見張る豪華で細部に至るまで手の込んだデザインは、大正から昭和戦前の近代建築によるものだそうです。

日月門

そして、観音堂西国三十三所11番札所納経所がありました。

そこには、西国三十三所は日本最古の巡礼道、草創1300年と書いてありました。

納経所

次に、上醍醐に向かって歩いていくと、水面があらわれ一際目を引く弁天堂が見えます。紅葉の名所だそう。

堂内には、音楽などの学芸や知識の女神であるとして広く知られている弁才天(七福神の一つ)が祀られているという。

弁天堂


霊宝館エリア

そして、醍醐寺の貴重な10万点以上の寺宝の保存と一部公開を兼ねた施設として霊宝館があります。

セキュリティー万全の新しい建物の中で、貴重な寺宝を無料で拝見させて頂けました。

霊宝館


補足

散策していると、旧伝法学院(修行道場)に立ち寄ってみたところ、お寺の一部が崩壊していました。

これまで見てきたお寺は全て立派なのですが、その状態を維持するためのご苦労は並大抵ではできません。

歴史ある建物の管理って大変だなとつくづく思います。

旧伝法学院(修行道場)

旧伝法学院(修行道場)2

宇宙寺院を建立するという醍醐寺に行ってみた(2) ~上醍醐編~ に続きます。

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