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【アスパラの名産地、それは“滋賀県”です】

滋賀県、琵琶湖を持つその地域は関西随一の農業王国なのですが実際の繁栄と世間の評価がまだ釣り合っていない印象があります。野菜も果物も豊富に揃い、県外への近年のヒットといえばハウスポッド栽培で強烈な甘さを生み出した『彦根梨』がありますが、それ以外にも隠れた/知られていない特産物がいくつもあります。
その中の一つ、アスパラ。
これはお伝えしたい事がたくさんありますが、なるべく簡潔にまとめようと思いますので最後までお読み頂けると嬉しいです。

折り重なる穂先

遡ること1950年頃、滋賀県彦根の新海町では驚くことに東京ドーム5個分もの敷地でアスパラ栽培が盛り上がっていました。グリーンのみならずホワイトアスパラも大量に栽培され、瓶詰めの工場も休む間なく回転していたと言われています。ですが北海道など北部の地方や海外からの輸入の勢いが増すにつれ、新海町でのアスパラ栽培は1/20ほどの規模に落ち込んでしまいました。それ以来、長らく縮小傾向が続いていましたが当時の様子や栽培を行っていたOB達の心の炎は消えていません。小規模ながらにアスパラ栽培を続けていた精鋭が集まり2015年あたりより、そのアスパラ栽培も再熱の兆しが伺えるようになりました。

新海町のアスパラの特徴

極太でも歯切れよくサクサク

◎サクッとした食感
近年、幅広い年齢層から支持されるのは“柔らかくて食べやすいアスパラ”ですが新海町のアスパラはサクッとした食感が特徴。とはいえ筋っぽさはないのでどんな年齢層の方にも食べてもらえます。1本まるまる食べると、先端はソフトな食感、根元に向かってサクッとした食べ心地が楽しめます。

◎段違いの香り
アスパラの香り、ってわかりますか?アスパラにはちゃんと香りがあるんです。特に蒸し焼きにした時の香りは本当に芳醇で空豆を彷彿とさせます。フライパンの蓋を開けた瞬間、あたりに広がるその香りだけでかなり食欲がそそられてしまいます。美味しい蒸し焼きの方法は後ほどご紹介します。

◎水分が多いので鮮度が続く
パキッと手で割ると断面から水分が浮き上がってきます。水分が少ないとすぐにパサパサになって行くのですがこの水分がとっても多いので鮮度が保たれ美味しさがキープされます。先端は生で食べても甘みが感じられるほどです。

折った断面から滴り落ちる水分

アスパラのポテンシャルを引き出すコツ

アスパラは出始めのものは特に水分が多くて柔らかいのが特徴で、湯掻いてしまうと水分が更に含まれてしまうので水臭い仕上がりになることがあります。旬が始まった時は炒める方が断然美味しく食べれるというのが料理人の方々の間では定説です。その辺りを踏まえて、この時期のアスパラの一番美味しい食べ方をご紹介します。驚くほど簡単で最高に美味しい食べ方です。

出来立てアツアツを食べる

中まで火を通し、でもみずみずしさをキープすることが美味しく食べる鍵です。順序としては“乾煎りしてから蒸し焼き”という流れ。
まずはピーラーで皮を剥きます。通常の太さのものでしたら下半分、太いものなら全体の皮を剥いて硬い部分を取り除きます。

油は引かない

3等分にカットしたら油も引かずに強火にしたフライパンでまずは乾煎りします。ほんのり焦げ目がついてきたらアスパラが1/3浸かる程度の水を入れて蓋をして蒸し焼きにします。フライパンの中の水分が飛んだらOKです。
すぐお皿に盛ってオリーブオイルと塩をかけて熱々を一気に食べる、香りを楽しむには熱々が一番です。

サクッと噛み切れる歯切れの良さ

乾煎りで一度水分を飛ばしてから蒸し焼きで水分を入れるので余計な水っぽさがなく濃厚なアスパラの味わいが堪能できます。
この時期のアスパラならではの食べ方ですので是非お試しくださいね。

あともしお時間あれば卵の記事とアボカドの記事も読んで頂けると嬉しいです。


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