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物事に良いも悪いもない 〜自然(じねん)経営とティール組織〜

令和3年4月13日 小雨のち晴れ

今朝は東京新宿からスタート。コロナも少し収まったと思い、超久しぶりに関東周りの仕事を片付けるべく予定を組んでみたらちょうど「マンボウ」の発出とタイミングが合ってしまいました。昨夜はほとんどの飲食店は午後8時に閉店、私は夕食難民になってホテルでコンビニで買ったつまみをアテにビールを飲む寂しい久しぶりのTOKYO Nightになりました。それにしても、東京の電車はいつもの通りの超満員。感染症の蔓延は人の命に直接大きな影響を与えるし、医療機関への負荷を増大するリスクを回避しなければならないのはよく分かっていますが、今の調子で外食の規制のみで感染拡大をどうにかしようという施策には限界を感じると共に、生存権(営業)の自由を奪い続ける事は果たして全体最適に繋がる選択なのかと疑問に思ってしまいます。とにかく、飲食店の皆さんには大変だと思いますが、1か月間耐え忍んで頑張って事業を継続して貰いたいと思います。

自然経営とは何か?

今日は午前中に所用を済ませ、昼から「武井塾」なる研修に参加しました。このところ、人前で話す事が多くなり、塾生として学ばせてもらうインプットの機会がめっきり減っていただけにとても新鮮で大いに刺激と気付きを頂く事が出来ました。超久しぶりの東京出張のタイミングに、以前から興味を持って学びたいと思っていたコミュニティの勉強会の東京での開講がたまたま合ったこと、絶妙のタイミングでお誘い頂けたこと、そして直前の申し込みにも関わらず快く受け入れた下さった一般社団法人自然経営研究所の運営メンバーの皆様には厚く御礼を申し上げます。ありがとうございました。
今日から6回に渡り受講する事になったこの講座は「自然経営とは何か?」とのテーマを掲げて自然探求ダイアログと題された、ティール組織の解説本として有名な書籍「自然経営 ダイヤモンドメディアが開拓した次世代ティール組織」を共著された天外伺朗氏と武井浩三氏、その武井氏と一緒に一般社団法人自然経営研究所を立ち上げられた山田裕嗣氏の3名体制の講師陣でティール組織に非常に近しく深い親和性のある自然経営(じねんけいえい)について理解を深める勉強会です。

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自然経営 ダイヤモンドメディアが開拓した次世代ティール組織

会社は生命体――。だから、進化し続ける。
固定化されたヒエラルキー型の組織運営から、自然の摂理に則った「自然経営」へ。
これからの自律した組織のつくり方。
日本でどこよりも早くティール型組織を構築した「ダイヤモンドメディア」創業者・武井浩三氏と、元ソニー天外伺朗氏による、「ティール組織」の実践編!
1章 武井塾のイントロダクション
2章 理念も事業計画もない生命体的な会社
ダイヤモンドメディアという会社
上司部下なく会社の情報はすべてオープン
3章 ダイヤモンドメディアではカオスが常態
組織を生き物としてデザインする
組織づくりと街づくりの共通点 ほか
4章 ポリモルフィックネットワーク(多形構造)を武井浩三が目指す
転職をサポートする「Tonashiba」
役割を固定させない ほか
5章 組織の自浄作用
責任を追及してもわからない組織
人それぞれのメンタリティに合わせて
6章 自己組織化の三要素
経営者という立場を必要としない組織
7章 権力の流動性。でも残存パワーがうっとうしい!
会社とは何か、法人とは何か
自分ごとになるためには情報の透明性が必要 ほか
8章 日本流のティールを皆で開拓しよう!
見える化する
メンタルモデルとティールの関係性 ほか
9章 メンタルモデルごとに「ティール組織」が異なる
トップダウンかボトムアップか
ティールにもさまざまなスタイルがある ほか
10章 給料をどう決めるのか?
雇用とアウトソースについて
給与の決め方について ほか
11章 給料をオープンにする。大切だがなかなかでき難い!
給与を公開できる会社、できない会社
人事評価について ほか
12章 給料バブルから多くを学んだ
給与バブルをなくすために
給与制度のガイドライン
13章 給料決定に必要な心理的配慮
給与が下がることについて
業務委託料について ほか
14章 意識やパラダイムより、組織の構造・環境を変える
ティール的な給与の考え方
給与をオープンにすると ほか
15章 情報公開のセオリーと実務
理念で混乱する現場
社長の給与も公開するのか
負債も分散するのか ほか
16章 個人の意識の成長・発達とティール組織
実存的変容を起こすと運がよくなる
17章 開放性のキーは「1on1」と「人だまりスペース」
情報の透明性が最も重要
ダイヤモンドメディアの1on1の実際 ほか
18章 言語化すると失われるものがある!
目に見えないものは言語化できない
19章 新規ビジネスが自然に立ち上がる!
ティール組織だと新規事業が自然発生的に生まれる
情報の共有の仕方
20章 「権力」は構造が与える力。それをなくす!
年功序列の考え方について
決済権と人事権という権力 ほか
21章 会社の内と外の境界を淡くする
これからの資金調達のあり方
ティール組織になるためのプロセス ほか
22章 次世代の会社を現行法のなかで実現する!
権力を無効化するために
責任の所在について ほか

出典: Amazon Services International, Inc.

ティール組織とは?

私はここ最近、6年後の事業承継の準備となる取り組みとなるリーダーズ会議をスタートさせました。会社を譲り渡す前に出来る限り理想の組織に近づけたいと私が考える「理想の組織論」を明文化すべくnoteにまとめて見たり、それを元に実際に自社や顧問先での実業で組織改革の取り組みを進めているだけに、ティール組織やホラクラシー型組織、そして自然経営には以前からとても興味があり、関連書籍も数冊読んだりして情報収集をしておりました。しかし、本を読むだけではやっぱり理解できないこともあり、実際の業務で書籍で学んだ理論を落とし込んでみようとすると、自分自身でも中途半端に齧っている感が否めずに、腹落ちできていないもどかしさを感じていました。そもそも、私の経営する株式会社四方継では2年前から組織図を一変してヒエラルキー型組織から脱却すべく、上下関係のないフラットでシームレスに個々がプロジェクトごとに個別につながって協力しながら事業計画の全体を進めていく体制に変更しました。別段、ティール組織やホラクラシー型組織を標榜した訳ではなく、スタッフが一番働きやすく、力を発揮しやすい形を模索した結果、そのように組織を解体、再構築しました。
その後、強く薦められた自然経営の本を読んで、深く共感する部分があり、一度、時間をとってしっかりと学ぶ機会を持ちたいと以前から思っておりました。この度はたまたま東京に出張に来てきたタイミングでお誘い頂けて、本日初めて参加することができましたが、いきなり全てが理解出来た!とは当然なりませんでした。それでも自分の言葉でティール組織の定義や特徴を説明出来る、扉を開ける鍵くらいは手に入れられた様に思います。ちなみに、ティール組織(フレデリック・ラルー 著)を販売しているAmazonの書籍紹介文から簡単な定義を以下に引用しておきます。

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◆「ティール」とは著者は人類の歴史における組織の進化を色の波長で表現しました。最新の「進化型(ティール)組織」は、世界各地で現れつつあるまったく新しいマネジメント手法を採用する組織のことを指します。

[組織モデルの発達段階]

衝動型(レッド)
……組織生活の最初の形態、数百人から数万人の規模へ。力、恐怖による支配。
自他の区分、単純な因果関係の理解により分業が成立
例)マフィア、ギャングなど

順応型(アンバー)……部族社会から農業、国家、文明、官僚制の時代へ。
時間の流れによる因果関係を理解し、計画が可能に。
規則、規律、規範による階層構造の誕生
例)教会、軍隊、官僚組織など

達成型(オレンジ)……科学技術の発展と、イノベーション、起業家精神の時代へ。
「命令と統制」から「予測と統制」へ。実力主義の誕生。
効率的で複雑な階層組織
例)多国籍企業など

多元型(グリーン)……多様性と平等と文化を重視するコミュニティ型組織の時代へ。
ボトムアップの意思決定、多数のステークホルダー。
例)コミューン、非営利組織、サウスウエスト航空など

進化型(ティール)……変化の激しい時代における生命体型組織の時代へ。
自主経営(セルフ・マネジメント)、全体性(ホールネス)、存在目的を重視する独自の慣行をもつ。

物事に良いも悪いもない

今日の自然経営とは何か?についての学びは非常に面白く、勉強になったと共に、今まで私が疑問に思っていた部分への理解にずいぶんとヒントをいただけました。その中でも最も印象に残ったのは天外伺朗氏の「組織モデルの発達段階という表現が大きな誤解を招いている、単純にティールが良くてオレンジが悪いという訳ではない」との言葉と、「物事に良いも悪いもない、ただそれを味わうだけだ」という圧倒的なパラダイムを示された一言でした。私としては「ティール組織」や「自然経営」の本を読んで、組織を発達させるには構成するメンバーのリテラシーの問題があり、その底上げができない限り組織は理想の状態に成長出来ないのと、非常に閉鎖的で、他業種に比べて組織に対する意識改革が圧倒的に進んでいない建設業界で自主経営(セルフ・マネジメント)、全体性(ホールネス)を担保するリテラシーの向上に対して悲観的な印象を持っていました。天外氏の言葉はその思い込みというか、諦めというか、出来ないことへの言い訳をしたい潜在的なネガティブな意識がガラガラと音を立てて崩れるのを感じました。やはり学びは人から。大先輩から直接聞かせてもらえる機会は本を何冊読んでも辿り着けない奥深い部分に触れさせてもらえます。現在、手探りながらまとめている私見の組織論についても、根本の部分を見直すきっかけを頂けたと大いに喜んでいます。私の感覚と経験則では組織の発達とは成熟の意味合いが強く、時間をかけてじっくりと熟れていくのを待つことも必要だと思っています。これから6回の講座を受講して、私自身の意識変容にも期待しながら、引き続き組織づくりの実務に落とし込み、生かしていくプロセスもこのnoteに書き綴っていこうと思います。

◆四方良しの世界を作る株式会社四方継のHP:
https://sihoutugi.com
◆一般社団法人職人起業塾のオフィシャルサイト:
https://www.shokunin-kigyoujyuku.com
職人育成、人事制度改革についての相談はこちら→
https://www.shokunin-kigyoujyuku.com/application/contact/

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