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冒険の書 AI時代のアンラーニング

大工職人から起業して25年が経ち、現在私は4つの法人の代表を務めています。全く経営に関する知識も理念もないまま勢いだけで起業しましたが、そんな経営者の会社がうまくいくわけはなく、これまで25年間、必死に学びを続けてきました。様々な場所に足を運び、多くの人からご教示いただきながら、学びを実践に落とし込み、これまで何とか事業を継続してこれています。そんな私がこれまで学んできたことと見出した方向性が、最近大きな話題を呼んでいる書籍に非常にわかりやすく、まとめて書かれてありました。VUCA時代を生き残る指南書として「冒険の書」を多くの人に手に取ってもらいたいと思います。

AI時代のアンラーニング

私が裸一貫、徒手空拳で起業した当時から今までの25年の歳月を振り返ってみると、時代は大きな変化を繰り返してきており、今では私が起業した時には全く想像出来なかった経営環境になっています。
世の中の流れに取り残されないように、陳腐化と戦いながら時代の変遷を敏感に感じ取り、ビジネスモデルを変化、チューニングさせようとこれまで様々な学びを繰り返してきました。その中で、最近になってようやく事業の本質というか、経営者が考えるべきことや行うべき行動が腹に落ち始めて、腰を据えて取り組むべき事業の形が見えてきました。今回ご紹介する冒険の書には、そんな私が経験を積み重ねてきた学びのプロセスから、現時点で見出している結論まで非常に近しい価値観で書き綴られてれており、この本をしっかり読み解くだけで、これからの未来への向き合い方が随分と理解できるのではないかと思いました。それは、「AI時代のアンラーニング」とのサブタイルに集約されています。正解に価値はなくなり、大事なのは本質を導き出す問いを持つ事。問いを立てるには、今まで学んできたこと、既成概念を捨て去ることが必須の時代になった。との示唆です。

教育の逆転

オープンAIが公開した対話型のAIチャットは、まさに人工知能の存在とその大きな可能性を全世界に知らしめることになりました。今後、GoogleやMicrosoftといったIT業界の巨人たちがこぞって、さらに進化させたAIを公開し、サービスとして提供し始めます。これまで学校や社会に出てからも一生懸命勉強して、頭に詰め込もうとしてきた知識は、全く価値がなくなり、インターネット上にある無限とも思えるような膨大な量の情報を誰でも一瞬にして取りまとめができるようになりました。データや情報を整理して、もしくは過去の文献を参照して答えを出すと言うスペシャリストが行ってきた事を、中学生の子供でも同じ答えを出すことができます。答えを出すのは、AIにかなわないのが明らかになった今、人が身に付けるべきはこれまでの思い込みや既成概念を打ち捨てて新たな問いを生む力になるのは自然な流れです。子供たちには、これまでの詰め込み式と全く真逆の教育を、社会で活躍するすべての人はアンラーニングから逃れられない所以です。すべての人は、先が読み切れない冒険に出るしかないのです。

無関心からの脱却

私が長年学びと実践を繰り返してたどり着いた、現時点で腰を据えて取り組もうと決めた着地点とは、「事業は世の中の人を幸せにするものでなければならない」とのシンプルすぎる結論です。このあたりまえの概念を見いだすのに、20数年もの年月を費やしたとは恥ずかしい限りですが、起業した当初、理念もロクになかった私は自分のことばかりを考えていました。その次は、社員とその家族を守りたい。それが、顧客が取引業者にも喜びを渡せないと事業が継続できないことを知り、地域や地球環境とも共存共栄できなければ持続性を担保出来ないない事実に向き合い、漸く、理論や机上ではなく、体感として広い視点と高い視座を持たなければ、持続可能な事業を構築できないとの結論にたどり着きました。それは、自分とは関係がないような社会の課題に対しても無関心ではいられない、向き合わねばならないと言うことであり、あらゆる事業は、経済的な価値と同時に、社会的な価値を生み出さなければならないとの、渋沢栄一が唱えた日本式資本主義、論語と算盤への回帰です。

マイスター高等学院授業体験会

すべての課題の根本解決は教育にあり

複雑怪奇に絡み合い、解決不可能とさえ思える現代の世界にはびこる課題の数々に向き合い、根本的な解決を図ろうとすると、古から歴史に名を残した人々がそうであったように、教育に突き当たります。数多くのスタートアップ企業を育てあげた孫正義氏の弟、孫泰蔵氏が教育をテーマに研究と考察を積み重ね、著書を上梓されたのは、いたって自然な流れだと思います。
戦後77年間、変わることがなかった日本の学校教育に警鐘を鳴らし、アンラーンした全く新しい視点で実際に教育業界に足を踏み込まれている活動もさることながら、このような書籍が書店で平積みにされ、多くの人が手に取っている事の功績は非常に大きいと感じました。もっと多くの人に読んでもらいたいと思います。以下に目次を転載します。ご一読を強くオススメします。

■目次
はじめに
父からの手紙
第1章 解き放とう 学校ってなんだ?
第2章 秘密を解き明かそう なんで学校に行くんだっけ?
第3章 考えを口に出そう なぜ大人は勉強しろっていうの?
第4章 探究しよう 好きなことだけしてなぜいけないの?
第5章 学びほぐそう じゃあ、これからどうすればいいの?
おわりに 新しい冒険へ
旅の仲間たちへの謝辞
世界に散らばる冒険の書たち
本書の問い
参考文献

Amazon書籍紹介より引用

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自立循環型思考と、人間力を切り口にした全く新しい職人育成のキャリア教育を行っています。

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