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職人育成高校とキャリア教育の交差点

昨年、サイクリング中に自動車にはねられる事故に遭いました。車とぶつかる瞬間に脳裏をよぎったのは先送りしてきた様々な事に対する後悔です。幸い、大した怪我はなく、顔面にそこそこ大きな傷が残る位で事なきを得たのですが、その事故以降、先送りする事に対して敏感にリスクを感じるようになりました。

社会課題の根本的解決へのアプローチ

私が世話人として参画しており、熱心に活動している一般社団法人経営実践研究会には、本業で社会課題を解決しようと志した経営者ばかりが集まっています。当然、今の世の中の課題や問題に対する意識が高く、しかもその課題に対して対処療法ではなく、根本解決を模索される方が多くおられます。そんな方々と交流する中で、大きな学びや気づきを得られるのはもちろんのこと、そこから実際にプロジェクトを立ち上げて、社会課題の根本解決に力を合わせて向き合おうと言う具体的な話が次々と生まれます。

学歴マイノリティーの若者の救済

現在、私が力を入れて取り組んでいるのは、コロナ禍以降、圧倒的に増え続けている不登校や学校を辞めてしまう学歴マイノリティーの子供たちに対して、ものづくりの世界で活躍してもらえるインフラを整える、職人育成の高校プロジェクトです。まさか中学校しか卒業していない私が教育業界に足を踏み入れることになるとは思いをしませんでしたが、高校を運営する一般社団法人マイスター育成協会の代表理事に就任して4月に迫った開校準備に追われています。

キャリア教育の重要性

学歴社会からドリップアウトした私が教育業界に殴り込みをかけることになったことから、最近教育関係の事業に携わる方々と交流する機会が圧倒的に増えました。先日も全国的に数百名のキャリアコンサルタントを組織されている方と情報交換する機会があり、じっくりと時間を設けて協力し合える事が無いかと話し合いました。私は高校を中退する際に学校生活を続けた先のキャリアを調べ、それに絶望して退学して社会に飛び出した経験があり、小学生や中学生の早い段階でキャリア教育を行う必要性を強く感じてきました。非常に課題を感じてきた部分だったこともあり興味深く話を聴きました。

学歴が必要ないキャリア組

職人育成の高校、マイスター高等学院は現在の学校教育とは一線を画した教育機関です。テストの点数も内申書も関係なく、職人の世界で活躍したいとの想いがあれば入学出来ます。高校卒業の資格を取得出来ますが、現場での実務と共に学校の座学で学ぶのは主に社会人、職業人としての在り方であり、学力では無く人間力を高める志や目的意識を持つことの学びです。社会で活躍するキャリアの入り口としての機関として創設しました。

旧態依然の学校教育の限界と岐路

現在、全国の小中学校で不登校の児童は30万人を超えると言われます。非常に多くの子供達が学校、もしくは学校での勉強に意味を感じなくなっているのが現実です。そして、残念ながら学歴社会から零れ落ちた殆どの若者は正規雇用される事もなく、生涯安定した安心出来る環境に身を置くことは出来ないとの統計が出ています。中学校ではクラスに1名以上、不登校児童がいる現状は学校教育自体を見直さなければならない岐路に立っていると言っても過言では無い状況です。

先送りがもたらす出口なき進路

学校に行く意味を感じない。だから学校を退学した私としてはそんな子供達の気持ちが分かる気がします。そもそも出口の無い、誰でも受験に受かる様な三流高校に行く意味が無かったのだと中学生の時に気付くべきだった、もしくは、将来に夢が持てる学校に入学出来る様にもっと熱心に勉強しておくべきだったと思います。どちらにしても中学校の頃に将来について真剣に考える機会が無く、高校を中退したのは進路について考えるのを先送りして来た結果だと思います。

中学ギャップを殲滅せよ

そんな私自身の経験を鑑みると早い段階、小学校を卒業して中学校に入学するくらいのタイミングから継続的なキャリア教育を行う必要性を強く感じます。中学ギャップとの言葉が囁かれるくらい、中学生になってから不登校が圧倒的に増えているのは未来を考える、学校に通う意味や勉強を続ける意義を問いかけるタイミングがそこにあるのだと思うのです。国家資格として認定され全国に6万人とも言われるキャリアコンサルタントが活躍する場はそこにあるのではないかと思うのです。

職人育成とキャリア教育の交差点

私達が来年以降の全国展開を推し進めている職人高校のプロジェクトは若者達に学歴以外でも社会で大いに活躍出来る、生きがいを感じながら働けるキャリアが存在することを指し示す活動でもあります。小中学校の早い段階でのキャリア教育の中でその存在を子供達に知ってもらう事が出来れば、中学生活は受験やテストの点数に縛られる事なくもっと楽しく有意義な時間を過ごして貰える可能性があります。全国のキャリアコンサルタントの人達に私達に活動を知ってもらいたいし、私達は職業体験のWSを開催する地域の学校にキャリア教育の重要性を訴えて、プロフェッショナルによる教育の導入を強く勧めていきたいと思いました。社会課題の根本解決は教育にあり、新たなプロジェクトとして取り組みを進めたいと思います。

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若者に夢と生きがいと志を与える目的で職人育成高校の運営をしています。
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