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通信簿も内申書もテストの成績もどーでもいい3年間

2023年4月から新しく開校する職人育成の高校、マイスター高等学院の2023年度の新入生募集を開始しました。
先週末、早速、入学希望の生徒と親御さんが入学試験となる3者面談に来られて、私は即合格の内定を出しました。この面談だけで試験は終了、正式に願書が届けば入学承認書を通知する流れになっています。この学生は小学生の時から大工になることを決めており、ゆくゆくは大工見習いになるつもりだったようです。ただ、高校卒業の資格くらいは持っておきたいと、普通科の高校への進学の内定をもらっていたとの事でした。彼の話を聞いていて、マイスター高等学院のような専門的な職業訓練の高校が出来たことで、これから中学生の学生生活の過ごし方が少し変わるかも知れないと感じています。

勉強なんぞせんでも良い

私は小中学生の頃、父親に「男は身体だけ丈夫なら将来はなんとでもなる。別に勉強なんか一生懸命やることはない。」と言われ続けていました。やんちゃな少年時代を過ごしていた私はその言葉を鵜呑みにしてまるで学校の勉強に興味を示すことなく、テスト勉強など一切しない中学生時代を過ごしました。悪さもしたし、多くの方に迷惑をかけましたが、私の中学時代は友人と遊び回る日々で、今になって振り返るとずいぶん楽しく過ごしていたのだと思います。
そんな勉強を全くしないかった中学時代を過ごした私も、卒業時は先生の勧めもあり一応、(半ば冷やかしで)高校を受験しました。まぐれなのか、神様のいたずらか高校の入試に合格してしまい、普通科の高校に進学しましたが、そもそもあまり勉強に興味がないし、高校に行きたくで進学したわけでもない私は結局、高校に通い続ける理由を見出せずに1年生で中途退学することになりました。

図33 高校をやめた理由(複数回答)

預言通りの人生

17歳で社会に飛び出した後は、全国を放浪するかのように様々な職を転々としながら、学歴社会からこぼれ落ちた者が就ける職業が非常に狭く、限られていることを肌身で感じながら、結局、父親が言っていた通り、身体を使ったガテン系の職業、しかも当時最も過酷な職業と言われていた佐川急便のセールスドライバーに落ち着き、20歳を過ぎた頃にはなんとかそれなりに稼げるようになりました。しかし、過酷な肉体労働で身体をすり減らし、怪我や病気で退職していく先輩達を見ながら、ずっと将来への不安を抱えており、なんとかその不安から抜け出す道を模索し続けていました。
25歳になって、一念発起して手に職をつけると大工見習いとして働き出し、その後、個人事業主の大工として独立、一緒に働きたいと集まってきた若衆と共に工務店として起業、今に至ります。
このように振り返ってみると、父親が預言した通りの人生を歩んできたのだと、今になって気付かされます。

図31 どんな形態の仕事をしているか(高校中退者)

職業選択の自由の行使

中卒の私のこれまでの人生を振り返ると、確かに職業選択の自由が非常に狭かったと思います。しかし、大工になり、工務店を経営するようになったのは決して消去法ではなく、子供の頃からぼんやりと感じていた大工という職業への憧れがあったのは間違いありません。世界に誇る日本の木造建築の技術を身につけるのは私のように学のない人間でも文化的な価値を持って働ける、また、誰に指図されることなく、誇りを持って自由に働ける格好良い仕事であり、しかも一人前になれば結構稼げるとの印象もありました。数年間、修行に入って収入が無かったとしてもそれで未来を切り開くことが出来るなら我慢も出来ると年収1000万円くらい給与を貰っていた職場を退職して日当7000円の大工見習いに入りました。
決して選択肢が多くあった訳ではありませんが、それなりに悪くない選択を繰り返してこれたのではないかと今は思っています。

学校に通わなかった結果

私の子供の頃からの職歴とその流れを振り返ってみると、学歴社会における世間一般的な人との圧倒的な違いに気づきます。それは、中学生の後半から高校生として大学受験するまでの所謂受験勉強に全く時間を割いていないということです。人は皆、1日24時間の同じ時間を与えられており、それをどのように配分するかが人生そのものです。そのように考えると私がテストでいい点を取るための勉強をせずに、勝手気ままに遊んだり、本を読んだり、波乱万丈の社会経験を積み重ねてきた事は後々になって変えがたい大きなリソースになった気がします。
国語や数学の基礎的な能力は必要なのは当然として、受験の為だけの勉強に大して意味はないことを今や誰もが知っていて、暗記する力を身につけたところで、誰もが常にインターネットで繋がっている時代に役に立たないのも気がついています。そんな事よりも好きな事を本で学び、仲間を作り、自分たちの頭で考え、工夫して楽しい時間を過ごす方がよっぽど社会に出た時に役に立ちます。自分自身の経験でも学校に通っていないことで困ったことはほぼありません。学校の勉強よりも社会での学びの方が役に立つと確信を持っています。

図35 これからの自分にとって大切なこと(高校中退者)

やりたいことがやれる3年間にしたら?

冒頭に書いたように、近畿圏で20社の事業所が集まり立ち上げた一般社団法人マイスター育成協会が運営するマイスター高等学校では、入試の試験は面談と作文だけです。中学時代の成績や内申書、テストの点数など全く関係なく、対話の中でモノづくりの世界で活躍したいとの意思の確認と、自分で決めたことを誠実に向き合って継続して行えるか、そのやる気があるか?とそんな程度しか合否の判断材料を求めません。
そして、3年間の高校生活では現場に出て技術を身につけながら、主体性、習慣化、コミュニケーション、そして目的意識を明確にするビジネススクールの様な研修を受講します。通信制高校としての高校卒業資格も取得できますが、あくまで教育の中心は社会に出て活躍する力を身に付けることであり、自分の努力次第ではありますが、将来のキャリアが約束されます。
この様な進路の選択肢があると中学生に入学したころから知っていれば、受験勉強に割く時間と意識をもっと有意義なことに振り替えれるのではないかと思うのです。人生でたった一度しかない青春、勉強以外の色んなことにチャレンジして、とことん謳歌したほうがいいと思います。新しい選択肢、広く若者に知ってもらえるようにそろそろ認知活動を本格的に進めます。

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