腰痛の人は水泳をした方がいいのか?
抄読論文
要点
本研究はレビューにて、腰痛に対して水泳が効果的かを検討したものになる。
最初に問題提起され、水泳は確かに可能な施設では理学療法の中に取り入れられているところも多い。
しかし、明確なエビデンスを持って治療が行えているかというと、不明な点も多い。
本研究のCQとしては、この点に焦点を当てている。
しかし、いざレビューしてみると、対象となる研究論文は少ないということがわかった。
また、明確に水泳と腰痛の関連を定義したものは判定しずらいものであった。
まず、観察研究の視点から、水泳は他の競技と比べて、腰痛の発生率は低い傾向にあることは判断できる。
また、競技レベルによっては、競技レベルが上がるほど、疼痛の発生率は低くなる可能性が示されている。
ここでは、腰椎疾患があっても水泳をすることはリスクにはなりにくいことが示されている。
バイオメカニクスでは、泳法の姿勢が検討されている。
その中でも興味深いのはクロールよりも平泳の方が腰椎の伸展が強くなり、腰痛の発生リスクが高いのではないかという検討結果となった。
介入研究からは、水泳は他のエクササイズと比べて、腰痛を軽減させる可能性はあるものの、明確な判断はできないものであった。
しかし、水泳や水中運動はそれ単独では明確な効果を示すことはできないが、リスクが低いことは示され、他のエクササイズと組み合わせて行うことで、腰痛に対してもポジティブな結果が導き出せる可能性を示している。
どのように活用するか
結論の状況を活かして、水泳は一つのエッセンスとして運動に取り入れていくメリットは多くあると思われる。
その中でも平泳にはパフォーマンス上のリスクを持ちながら、慎重にアプローチしていく必要があるであろう。
直接腰痛を改善させるというよりは、腰痛がある中でも行うことができるエクササイズとして活用していくのがベストではないかと考える。
重力負荷を減らした状態で、筋活動を促すことができ、泳法や水中での動作方法を配慮して行うことで、有効な活動になる可能性はある。
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