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【もう一度食べたい】亡き母の忘れられないオムレツの味


もう食べられないと思うと


あなたは忘れられない味、思い出の味はありますか?
それが、もう食べることができない味だったとしたら…。

「もし願いが叶うなら、もう一度食べてみたい」
尚のこと、そんな思いが募るのではないでしょうか。

今回、私はそんな忘れられない思い出の味を詳しくお聞きし、再現してみることにした。

忘れられない味を教えてくださったのは、以前にstand.fm大人の給食室でコラボ収録をさせて頂いたモンブランパークさんだ。

母が作る料理はどれも美味しかった


コラボ収録では、亡きお母様との懐かしい思い出を一つ一つ辿るようにお話してくださった。

お父様を早くに亡くしため、女手一つで苦労しながら育ててくれた。
そんなお母様の作る料理はどれも美味しく、料理上手なお母様だったそうだ。

その中でも特に大好きだった料理がオムレツ
シンプルであっさりした味付けながら、ひき肉とソーセージの旨みがたっぷり。
とろみをつけた具が薄焼き卵に包まれている。

薄焼き卵の中にたっぷりの具が入っていた


スプーンを入れると黄色い卵焼きの中から顔を出す、とろみをまとった旨みたっぷりの美味しいひき肉。

想像しただけでも幸せの味だ。

作り方を聞いておけば良かった


お母さんが作る料理はほとんどが家庭料理。
その日、冷蔵庫にあるものを使って作る即興料理であることが多い。

毎回微妙に味付けや食材が変わるので、何度食べても飽きない味になる。
それが家庭料理の良さだと私は思っている。

味付けは大抵目分量だから、レシピがあってないようなもの。
もう一度、あの母の味が食べたいと思っても、なかなか再現ができない。
こんな味だった…という記憶は辿れても、正確には分からないし思い出せない。

今回は、モンブランパークさんから細かく聞き取りをさせて頂き、私なりの想像を巡らせて作ってみた。

母の味「大好きなオムレツ」


<材料> 1人分
合い挽き肉  100g
ウィンナーソーセージ 2〜3本
玉ねぎ    1/4個
人参     1/4本
油      少々
塩・こしょう 適量
醤油     小1〜
(※ 隠し味 醤油麹 少々)
水溶き片栗粉 大1〜
(卵液)
卵      2個
牛乳     大2
塩      少々

ソース    適量

モンブランパークさんの母の味「オムレツ」

(作り方)

1. 玉ねぎをみじん切りにする。油(少量)を入れたフライパンでしんなりするまでよく炒める。

玉ねぎのみじん切りをよく炒める

2. みじん切りにした人参を加えて更に炒める。

人参のみじん切りも入れてみた

3. ひき肉、輪切りにしたウィンナーソーセージを加えて、火が通るまで炒める。

ひき肉、ソーセージを加えて炒める

4. 塩、こしょうを加えて炒め、最後に醤油を加えて味を調えたら、水溶き片栗粉でとろみをつける。

(※ コク、旨みを出すために醤油麹を加えてみた)
(※ 冷蔵庫に余っていた青ねぎも彩りに(笑) )

5. 4を一度器に移し、さっと洗って油を入れる。
割ほぐした卵に、牛乳、塩を加えてよく混ぜ合わせ、フライパンに流し入れる。

薄焼き卵にひき肉を

6. 5の卵に4のひき肉をのせて包む。


モンブランパークさん母の味「大好きなオムレツ」

7, 器に盛り、ソースをかける。

モンブランパークさん母の味「大好きなオムレツ」

(懐かしいポイント)

・ひき肉とウィンナーソーセージ、両方入っている。
・とろっと、あんかけのようなとろみがついている。
・卵はたっぷり2個くらい使ってあった。
・バターなどは使わず、あっさりとした味。
・ソースをかけて食べる。
・ソースはどろっとした中濃ソースだった。

(モンブランパークさんからの聞き取り)

もう半世紀近く前のことで、記憶が曖昧だったけど話しているうちに少しずつ思い出してきて、なんとも言えない懐かしい気持ちになった。

子どもの頃、この大好きなオムレツを「晩ごはんに作ってあげるからね」と言ったのに、仕事が忙しく作れなかったことがあった。
楽しみにしていただけに、私は拗ねてしまい叔母(母の姉)に「お仕事が忙しかったから、仕方ないわね」となだめられたことを今でも覚えている。

それくらい大好きで、楽しみな料理、楽しみな味の一つだった。

(モンブランパークさんの感想)

1からの写真みて、うるうるきました。
「こんな感じこんな感じ」でした。

5の写真で鳥肌が立って泣きました。
ねぎも記憶にはないですが、なぜか長ねぎの味噌汁が好きだったので、入れてくれた時があったのかもしれない、と想像しました。

完成図は、このように綺麗な形でなく凄く不恰好でした。
貴重な卵だったのでしょう。うす〜く、うす〜くなってました。

その中に、具を詰めれるだけ詰めたようなオムレツでした。
お腹いっぱい食べさせようと。

お時間をとって、こんな素敵な形で母親を再現してくださって、母もあの世で、喜んでいると思います。

ありがとうございました。

いくつになっても親はありがたい存在


モンブランパークさんからのご感想で、私も涙してしまった。

親との関係は人それぞれで、仲良し親子もいればうまくいってるとは言えない親子関係もある。
それでも、今日まで生きてこれたことは親の存在があったからこそ。

あのふにゃふにゃで無力な産まれたばかりの赤ちゃんは、誰かの助けなしでは生きていけない。

当時、貴重だった卵をできる限り薄く伸ばし、卵が破けんばかりに具をたくさんたくさん詰めてくれた。
ひき肉だけでなくソーセージも入れたのは、育ち盛りの男の子にお腹いっぱいに食べさせたいという母の愛だったと思うと涙が出てきた。

いくつになっても親はありがたい存在だなぁ… と、しみじみ感じた。

モンブランパークさんの思い出の味を再現することで、私も追体験することができ、何とも言えない温かい気持ちになれた。

食が人を作る。懐かしい思い出はいつも食とともにある。

モンブランパークさん、ご協力頂きありがとうございました。

↓  モンブランパークさんとの対談


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