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セグウェイの思い出@宮古島

 沖縄が大好きだ。何回だって行きたいし、どの季節だっていい。

 沖縄の碧い海、遠くから吹いてくる風、突然の大雨、屋根の低い街並み、亜熱帯の植物、地面をちょんちょんと歩く羽の小さな鳥、色とりどりの魚、ばかでかい蜘蛛、飲食店の看板の照明に集まるヤモリの集団、とにかく全部が愛しい。

 まろやかな響きの方言と、耳に心地よい沖縄音楽もとても魅力的だ。

 コロナ禍に陥る前は、毎年沖縄にお邪魔していた。新婚旅行も、勿論沖縄だ。
 また、安心安全に旅行ができる日を、心待ちにしている。

 さて、宮古島でのお話だ。
 夫と一緒に頑張ってお金を貯めて、Aという素敵なホテルに宿泊した。本当にめちゃくちゃ素敵だった。頑張って良かった。

 ホテルで利用できるアクティビティに、セグウェイがあった。
 セグウェイとは、バッテリーを搭載した、電動立ち乗り二輪車のことだ。なお、2020年に製造中止が発表されており、非常に残念に思っている。

 なぜなら、セグウェイは、めちゃくちゃ楽しい乗り物だからだ。
 前後に体重を移動させるだけで運転できるので、子どもでも楽々乗りこなすことができる。
 全身に風を感じ、景色を楽しみながら、疲れることもなく思い通りに移動ができるのだ。楽しくないわけがない。
 いつか、色々な制限が解除されて、セグウェイが公道を走る日が来ると思っていたのに‥無念。

 そんなセグウェイに乗れるということで、大喜びで参加申込みを行なった。
 乗り方の講習を受け(セグウェイには「免許」が必要なのだ)、先生の後ろについて運転した後、晴れて自由時間となった。

 ホテルは広大な敷地を有しており、セグウェイを利用できるコースもかなり長距離だったと記憶している。
 私も夫も大はしゃぎだった。野を越え山を越え、コース内を走り回った。

 セグウェイは、スピードも体重移動で制御する。前方に傾ければ傾けるほど、スピードは速くなる。逆に、後方に傾ければ、減速もしくはブレーキだ。馬の手綱に近いのかもしれない。乗馬したことないけど。

 私は常に前傾姿勢だった。全身に風を受けて走ることに喜びを感じていた。
 後に夫は語っている。
「妻はスピード狂だった」
「最初は自分が前を走っていたのに、いつの間にかちぎられて追いつけなかった」
 私は、こういうときに「ちぎる」という言葉を使うと初めて知った。

 慎重な夫は、セグウェイの小回りの利く運転を楽しんでいた。蜜蜂のように、地面に8の字を書くのがお気に入りのようだった。その横で、妻は直線をトップスピードで駆け抜けていた。

 ホテル滞在時、セグウェイには2回乗った。レンタルできる時間はそう長くないのだが、その分、全力で楽しんだ。本当に乗って良かった。

 都内だと、残念ながらセグウェイに乗るのはなかなか難しそうだ。だから、いまは、モビクルがちょっと気になっている。

 でも、夫曰くスピード狂なので、公道を走るのはやめた方が良いかもしれない。


終わり。

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