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UXデザインについて学んだこと

現在、学校でWebマーケティング&デザインについて学んでいます。
UI/UXに関する授業で、UI=User Interface(ユーザーインターフェイス)は、「使い勝手の良さを目指すこと。できていても差別化にはつながらない、逆にできていないとサイトの目的に達成できず、離脱する原因となる」、そしてUX=User Experience(ユーザー エクスペリエンス)は、「魅力的な体験価値を提供することで、競合との差別化や利益につながる」という基本を理解した上で、読んだ本をご紹介します。


同級生の本を発見

UI/UXについて興味が湧いたところで、学生時代に同じクラスだった同級生が執筆した「はじめてのUXデザイン図鑑」(荻原昂彦著)を見つけて、手に取りました。
こちらは3部構成で、現代社会でUXデザインが「業界を問わず、顧客や社員への価値提供の形が、これまでの(中略)物資的なものから、商品・サービスがもたらす”体験”や、そこで働くことによって得られる”体験”になってきている」ことをまず説明。
その上で、そのために欠かせない「脚本作り」の方法、非常に参考になる体験設計が22種類、60ものヒット商品・サービスの実例とともに挙げられています。
最後のパートは実践編であり、いざ自分がUXを実践できなくてはならない立場になったときにもイメージが湧きやすい構成となっています。

印象的な「体験エッセンス」の事例

体験設計の事例として挙げられているのは、例えば、「自分で決めない」という体験価値として、私も利用したことのある、"airCloset(エアクローゼット)”。こちらは毎月プロのスタイリストが、好みや体型などに合わせて選んだ洋服が複数レンタルできるサブスク型のサービスですが、「どういう意味付けで、どういう切り口で、どのタイミングで、どう伝えるか、そして、主人公にどう動いてもらうかまでしっかり設計することが必要」と書いてあります。「解像度を上げる」ことの大切さが伝わってきます。

「失敗OK」の体験価値として挙げられている"レゴブロック"では、こどもだけでなく大人も「失敗の概念をなくすことで、恐れず一歩踏み出す後押しになったり、自由な表現やチームワークを発揮しやすくなったりする側面がある」と書かれており、そういう経験は確かにあるし、改めて言葉にすると新鮮な視点だと感じました。遊びや自由度を持たせることで広がる世界もあることにワクワクします。

そして、私自身5、6年来ファンである宝塚歌劇団のファンクラブについて、「自由度がないゆえの楽しみ方」という分析も深いです。ファンクラブに入ったことはないのですが、序列に従い、つつましく熱く応援している人々の姿を目にすることも多く、自分だけが見つけたという特別感を共有し、いつか人気になってほしいと願う「無名からの育成」という体験価値は、意外と広範囲で応用できそうと腑に落ちました。

納得感のある実践編

最後のパートでは、実践編として、「脚本作り」や事例を踏まえて、いざ自分でUXデザインを実践することになった場合の実現方法が、イメージしやすい設定と丁寧な言葉で書かれています。
ついつい「提供する側の企業」目線になってしまいそうなところを、「顧客に選ばれ続ける体験」を目指すという目的に引き戻す流れや、「体験を通して最終的にどうなっていただきたいか、主人公が何をすることをサポートするか、が一番の要点」という記載にも、「そうそう、そうだった」と振り返って気づきがあります。
サービスを利用するシーンや、「''登場人物"と"小道具"の配置」まで、細かく想定していくことは、なかなか大変そうですが、そこまで具体化することで、リアルな満足感に到達するのですね。

本書を通じて学んだこと

詳しくは全編を読んでいただければと思いますが、全体を通して、現代のあらゆる商品・サービスに存在しているUXデザインの価値を、ジャンル別に網羅して理解することができました。
また、筆者のあらゆる領域への知見の深さに驚くとともに、「人間中心設計専門家」(商品やシステム開発における人間中心設計プロセスを実践できる専門家)という肩書きの指す意味が理解できたような気がしました。
UXデザインというからにはWebサイトにおけるデザインのことを指すのだろうという思い込みが、商品やサービスの体験設計にまで広がることを知り、その重要性や大きな可能性、人間の深いところまで捉えていく温かい視点を知ることができました。




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