たかおかしょうこ

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たかおかしょうこ

コピーライター/クリエイティブディレクター/ときどき詩。F&S CREATIONS. https://www.fands-c.com/

最近の記事

なめくじのおみくじ

子どもに笑って欲しい詩をふたつ。 「なめくじのおみくじ」 なめくじ おみくじ くじけて いじいじ なめくじ くいいじ ねちねち くいすぎ なめくじ はなから いちいち おおあじ おおさじ こさじ なだめて いいあじ 「うみのゆうびんやさん」 わたし、あさりです。 ゆうびんやさん してます。 二枚貝ですから この中にね、 手紙、入るんです。 ああ、直接、わたしに わたしてもらっても いいですよ。 でもあんまり 大きなものは 貝柱、 伸びちゃ

    • 風になびく服を着たい。

      「子どもはみんなお母さんから生まれてくるでしょう。じゃあ最初のお母さんは誰なの」 年末から今年にかけて我が子に問われ続けていて、未だ答えを出せないでいる問いである。 たぶんテレビや友だちに影響を受けて本人もよくわからずに聞いているのだとは思うけど、子どもの成長というのは油断ならない。 「お空の上の神さまが魔法をかけたんだよ(テヘペロ)」などとファンタジーに持っていくのも一つの正解だと思いつつ、人間ってどこからが人間なんだろうか。そもそも最初のお母さんっていうのは生命のは

      • 大きな声では言えない孤独。

        comme徘徊する そこの 小虫 入ってきたところが 出口だ 前にすすみつづける 呪いでも かけられてるのか すきまどうしたって もじ には すきまが あるから こぼれないように たくさん あつめるけど どうやら うまくつたえられないのは りょうのもんだいでは ない こんなにすごい発見なのにこんなにすごい発見なのに 大人は くすくすわらっている 可愛い 可愛いと わらっている この重大さが わからないとは 大人なんて あわれなもの 極楽鳥ひとりぼっちの 極楽

        • メダカのコイ

          仔 水槽の中に 日毎に増える ◎◎とT。 目ばっかり目立つから メダカなのか。 ぜんぶ妄想だとしても 泡で遊ぶ。 水草で眠る。 食事をせがむ。 喧嘩をする。 同じ方を向く。 巻貝をからかう 私が目を細めても メダカの目は 綺麗に二重丸。 メダカのコイ 三辺の掛け算の世界の中の 運命の出会いの中の 遺伝子配列の直感の 合意のすえ。 ここに一対のコイが誕生するのだ。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー メダカ三部作。こういうのを書

        なめくじのおみくじ

          「今日は誰にも愛されたかった」に影響を受けまくった、とても短い詩を3つ

          オーバースペック水も油もいらなく パリッと焼ける餃子を どぼんどぼんと お湯の中。 ファミリー・ツリー兄、 入れてください。 つづいて 入ってください、 これは従兄弟。 セーターださい 案外こうなると 妹。 シアン床に落ちた米粒は ばっちいですか。 死んだメダカは 戻ってきますか。 ◇「今日は誰にも愛されたかった」という本を読んだ。谷川俊太郎さん、岡野大嗣さん、木下龍也さんによる「連詩」を納めた一冊。詩のようなもの(ようなものって逃げだーと思い

          「今日は誰にも愛されたかった」に影響を受けまくった、とても短い詩を3つ

          ズッキーニ

          そのいっぽんは 孤独で 全部だった。 包丁で切ると 順番がうまれた。 フライパンで焼くと 裏と表がうまれた。 こうなってくると ズッキーニは ズッキーニたちとして 面積を比べたり 焼き色を比べたり。 挙げ句、 いちばんを決めたがるものだから ひとおもいに 平らげて 腹のなかで 沈黙。 ◇ちょっと言いたいことが表に出すぎたか。それにしてもズッキーニってかわいい。

          とにかく読んでほしい”PARTNERS”。人と人の関係が、ここまで感動するものだとは。

          目と、それと心臓から、こびりついて離れなかった。その衝撃は沖縄のとあるカップルの取材記事。複雑な人生を支え合うように生きるふたりは、どこまでも飄々としているように見える。その様子が汗や生活の匂いが漂ってくるほど濃密な写真と裏腹なのも、忘れられないひとつだ。 このカップルが「一体化」と呼べるようなパートナーシップを築いているとすると、「曖昧さ」が良好にする関係性もある。ひとりとひとりだけではない。チームの中にもパートナーシップは存在する。 そのさまざまを見せてくれるのが”P

          とにかく読んでほしい”PARTNERS”。人と人の関係が、ここまで感動するものだとは。

          ただのともだち

          あなたとは ママじゃなくても ともだちだった あなたはともだち ただのともだち ◇ママ友って言われると少しさみしくなるのです。

          ただのともだち

          消えた

          しんしんとした 夜闇をすり抜けて ぼくはきみのキッチンで ミルクティーをつくろう その間にきみは ぼくの本棚の 好きな本を 一冊燃やして 何もなかったかおをして ミルクティーを飲めばいい きみの爪の 曖昧な色のマニキュアを 見ているだけのぼくを 知らないふりで飲み干して きみは自分のベッドで眠るんだろう 消えた本のタイトルを ぼくはずっと 思い出せないまま ◇矢野顕子さんの歌う「中央線」が大好きで。作詞作曲は宮沢和史さん。あんな詞が書けたら

          しずか

          静かに怒るひとがいる  その足を地面に突き刺し 流れるものに 問いを続ける 静かに祈るひとがいる その手が届くものを 一途に守り 風向きを確かめる 静かに眠るひとがいる その一切を内に引き受け 出番が来るまで 出番が来るまで ◇解説は野暮なのだろうか。昨今のSNSを見ていて感じたことを。

          リモートワークは製氷器をいったん失うことかもしれない。

          わたしたちが普段口にする「会社」という言葉には、ふたつの意味がある。コミュニティとしての“会社”と、場所としての“会社”だ。「会社に勤める」というのは前者で、「会社に行く」というのは後者の場合が多いと思う。 そこでリモートワークの話だ。 わたしの所属する広告制作会社は、コロナがきっかけで全面リモートワークに舵を切った。個人的にはその恩恵だけで一記事書けてしまうほど恩恵を受けていて、正直なところ、今の職種を続ける限り(コピーライター)毎日出勤する必要はまったくないと言い切っ

          リモートワークは製氷器をいったん失うことかもしれない。

          はじめましての日がくるなんて。

          noteをはじめようと思う。 自分のなかのものを発信したい季節はもう来ないかなと思ってたので、けっこう自分自身におどろいている。 きょうの夕飯はカレーで、それもなんの凝ったこともしない、ふつうの日の、いや、ふつう以上に手抜きをしたい日の、でもみんなたくさん食べてくれるカレーで。 あたまは別のことを考えながら野菜をトントンやっていた。 そこで何かと何かが急につながって「そうだnoteしよう」となったのだ。(これを界隈ではクリエイティブジャンプと呼んだりする) そこに至

          はじめましての日がくるなんて。