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ダンボールイカダの可能性にチャレンジした話

今年も大盛況で終了した第3回印旛沼ダンボールイカダCUP。
ここでは、ダンボールイカダの醍醐味を深く追求した取り組みについてお話をさせていただきます。


ダンボールイカダレースの過去2年の実施結果

2021年のコロナ禍に暇すぎて仲間達とスタートした印旛沼ダンボールイカダCUP。「チャレンジ精神」と、「安心してシッパイしていい場」の発信の場として、緊急事態宣言での延期を乗り越えながら、それでも参加してくださる参加者さんに支えられ、大盛況で2年を終了しました。

変化で言うと、完走率が1年目は4割程度でしたが、2年目は8割強と、多くの艇が完走できる艇の仕上がりに。
また、艇の完成度が上がるに連れて、大人数が乗る艇も登場し、1年目の最多乗船人数が5名から、2年目は10名と大躍進。

そうした、完成度の高さの理由として、「情報量の変化」が挙げられるのではないかと踏んでおります。なんせ、1年目で「ダンボールイカダ」を検索すると、ほぼ情報がなく、オランダあたりの「cardboard raft」が検索で引っかかってくるくらい。それが、2年目は本大会出場艇の情報が多く出てくるようになり、色々な種類が情報として得られ、それが完走に繋がったのではと言う仮説を立てました。

3年目にチャレンジした取り組み

では、3年目、どうするか。さらに面白い大会にしたい!と考えた時に、立ち返って、ダンボールイカダの醍醐味をさらに際立たせるものにしよう。そう考えました。

ダンボールイカダの醍醐味とは!?

さて、改めて考える「ダンボールイカダの醍醐味」とは何か。過去2年の経験と参加者さんの感想から、以下2点ではないかと絞り込みました。

⚫︎みんなの知恵を絞り、制作する試行錯誤のイカダ作り時間
⚫︎足を置くまで(or 置いても)予測不能なドキドキとワクワク

印旛沼ダンボールイカダCUP実行委員会の勝手な見解

自分たちで設計し、作り、そして足を置くまでどうなるかわからない、いや、漕ぎ出した後だって何が起こるか分からない。この時代に、なかなかありませんよね。

ここをさらにシャープにするには、「制作」と「コースのドキドキを増やすことだ」と、今年は2つの取り組みを始動。

  1. 「現地制作」の一寸法師クラス

  2. ダンボールイカダの限界に挑戦、海賊船ロングコース

(参考)
階級について
・ 一寸法師クラス:1人乗り
トムソーヤクラス:2人乗り
海賊船クラス:3人以上(無制限)通常コース
海賊船クラス:3人以上(無制限)ロングコース

「現地制作」の一寸法師クラス

制作の熱気と試行錯誤を現地で

毎年、バラエティに富んだ艇が出場する本大会ですが、「作る過程の価値もある。その価値を現地でも!」ということで、
今回は、「段ボール」の名付け親、レンゴー社さんに段ボールのご提供をいただき(佐倉市に千葉工場があるご縁)、

「5枚の段ボール+ガムテープ2巻」

という同条件で、当日1時間の制作となりました。制作は、仲間の手伝いもオッケー。どんな段ボールが渡されるかは、参加者さんに当日まで明かされていません。(※高校生以上は1枚段ボール追加支給)

ダンボールを渡された瞬間から、こうしよう、ああしようと議論するチームもあれば、作ってきた設計図片手に作り出すチーム。考える前に手を動かすチームなど、作る過程も千差万別。

そうして、集中した1時間後には、同じ条件のダンボールにも関わらず、それぞれの特徴溢れる形状の14艇が完成。どの艇も、1つとして同じじゃない!これぞ「ダンボールの可変性」が成せる技。

みなさんの集中が伝わってくる制作空間

さて、レースに切り替えると、これまた波乱万丈。
この日、制作時間終了後、レース前にやってきてくれたゲリラ豪雨。20分以上降り続く土砂降りに、スタート時点で既に浸水している艇も。更に、風が強かった。この日印旛沼に吹いていた東北東の風は、ゴールとほぼ逆。一寸法師たちをゴールに近づけてくれません。茂みに流されてしまったのは、茂み=鬼退治に行けということだったのか!?

この日は、一寸法師クラスで時間内にゴールまで辿り着けたのは、14艇中3艇と、なかなかな難コンディション。が、それはそれでOK。自然の厳しさを感じるとともに、自分で作ってやってみる。そして次にまた「こうしてみよう!」が生まれる。その起点となるいいレースでした。
夏休みの自由研究にする小学生もいたようです。どんな研究結果になったのかな。

一寸法師クラスの皆さん、お疲れ様でした。また来年もお待ちしています。

沈しても、ゴールできても、みんなが笑顔なのは、誰もがやりきったから

ダンボールイカダの限界に挑戦、ロングコース

今年の取り組みの2つ目は、どれだけ長く走れるか!?ロングコースを新設。

通常のコースはおよそ100メートル。今回はその3倍。300メートルの距離。
できるのか?できないのか?そんなことは誰にもわかりません。

そして、単に「速さを競う大会」ではない本大会。観客席へのアピールタイムを設け、そのパフォーマンスを子ども審査員が評点。モーグルのように、スピード+パフォーマンスポイントの合計点で順位が決定されます。

そんな無茶なレースですが、当日は地元企業を中心に、9組の猛者たちがエントリー。我らのアホな取り組みに、乗っかってくださりありがとうございます。

速さを追及するチーム、全員ゴール前で飛び込むチーム(ゴールして笑)、スタート直後にひっくり返り上下逆さまに進むチーム(水の抵抗がすごい)などなど、こちらも多種多様。

パフォーマンス部門では、会場である「佐倉ふるさと広場」の名物、「風車」を回転させてくれたチームも。これには会場から一段と大きな歓声が上がっていました。アイデアがすごい!

個性がすごい。海賊船クラスロングコース

ちなみに、佐倉市西田市長の乗る佐倉市役所チーム号は、スタートしてすぐ沈んでしまい、観客席前には現れませんでした。はい、八百長、忖度、一切無しでやっております。西田市長、今年もご出場いただきありがとうございました。来年もお待ちしています。

さて、来年はどうなるのか

さあ、こうした取り組みを経て、じゃあ来年はどうするか。終わった後から実行委員会で話をスタートしております。
色々なアイデアがありますが、「ダンボールイカダ」の、を楽しんでもらう点と、「チャレンジ精神」と、「安心してシッパイしていい場」の発信は変わらずにしていきます。

さあ、来年はどんな大会になるのか、乞うご期待。
また印旛沼でお会いしましょう。



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