フランス留学日記:怒涛の修士1年目2学期を振り返る③
2学期の授業振り返りラストです。
前回までの記事はこちら↓
・デジタル教材
この授業はデジタルツールを実際に色々触りながら、フランス語の授業でどのように活用できるか、を考える授業でした。
便利デジタルツール大好きなので、色んな知らないツールを知れて楽しい♪
せっかくなのでいくつか少し紹介しますね。
・Genially
スライドとかゲームとかインタラクティブな資料が簡単に作成できます。
・LearningApps
単語クイズや選択問題、順番並べ替えなどの問題が作成できるツール。
先程のGeniallyに埋め込みもできちゃう。
・Fake Text Message
フェイクのメッセージ画面が作成できるサイト。メッセージのリーディング問題とか作成できそう。
https://ifaketextmessage.com/
・Padlet
ボードが作成できるサイト。授業の資料を入れて共有したり、クラスのプロジェクトとかに使えそう。
https://padlet.com/dashboard?mobile_page=Collection&filter=all
などなど!
この授業の課題は、1~2時間程度の授業の教案を作成し、その中で行うアクティビティをデジタルツールを使って作成する、というものでした。
私はA1レベル向けの旅行予約に関するゲームを作成しました。
こちらからアクセスできるので、お時間ある方はぜひ遊んでみてください♪
ちなみにこの授業はポーランド人の先生が担当なんですが、非ネイティブの先生が、フランス語教授法についてネイティブの学生相手に講義するって本当にすごいし、尊敬しかない…!
・アカデミックライティング
こちらはstage(インターン)後に提出するRapport de stage(インターン報告)の書き方について。
テーマの決め方や構成、参考文献の探し方や読み方などについて学びました。
フランス語の論文を読むのは体力がいりますが、量をこなしていけば、キーワードや言葉の定義、筆者の主張を効率よく拾っていける…はず!練習あるのみですね。
・FOS(Français objectifs spécifiques)
こちらは選択授業。
選択授業は4つの中から2つ選択します。
FOSはFLEの1つで、ビジネス関係やレストラン、観光など特定の分野に特化したフランス語教授法です。
一般的なFLEとは違って、フランス語を用いる場面が限られてくるので、学習者の目的や需要に合わせて授業を作るにはどうしたらいいか、という方法論を学んだり、テキストの分析などを行いました。
フランス語講師はあくまでも語学講師であり、すべての職業に精通しているわけではないので、学習者にヒアリングして、需要をくみ取りつつ、専門分野のことを教えてもらいながら、語学の部分でサポ―トしていく必要があるんですよね。
・言語早期教育(Enseignement précoce des langues)
こちらも同じく選択授業。
お子さんのフランス語レッスンも受け持つことが時々あるので、入学前からこの授業は取りたいな、と思っていました。
大人と比べて子供は集中力がないし、外国語を学ぶ内的なモチベーションがない子がほとんどです。ゲームやアクティビティを取り入れながら、いかに飽きさせず、クラスを巻き込むか、という授業の構成のやり方を実例を交えながら学びました。
初回の授業で全員簡単な自己紹介をさせられたのですが、先生は私が日本人と知るや否や、
「子供向けの日本語授業のデモンストレーションをやってくれないか!?」
という無茶振り…!
非ネイティブの学生に、その人の母語の完全初歩レッスンを母語オンリーでさせて、他の学生に子供の気持ちを体験してもらう、という趣旨のようです。
今回言語科学(SDL)の学生と合同授業だったので、他にも中国人学生が数人いたのですが、去年は中国語をやったので、今年は日本語をやりたいそう。
そういうわけで45分の日本語模擬授業を皆の前で行い、そのあと先生や他の学生のフィードバックを受けます。
フランス語は使えないので、日本語オンリーでジェスチャーやイラストを見せながら行うのですが、仲介言語なしで教える難しさを改めて感じました。
先生を含め、日本語知識ない学生がゼロだったのですが、20代はやはり飲み込みが早い…!先生がクラスの中で1番ついていけてなくて面白かったです(笑)
先生からのフィードバックで、単数と複数はどう教えるのか?という質問があったり、文字はひらがなの他にカタカナと漢字があることを伝えるとびっくりしていました(笑)日本語はフランス語と全然違うから難しいよね。
ほとんどの授業の課題はレポート提出だったのですが、こちらの授業はdevoir sur table(その場で解く試験スタイル)でした。
内容は、配布された子供用のFLEのテキストの抜粋を自分で組み合わせて、テーマやアクティビティを考え、1時間程度の教案を作成するというもの。
教案づくり自体は他の授業でもよくやらされるので、段々形式には慣れてきましたが、時間制限がある分、焦りと緊張感で手汗かきました(笑)
しかも、フランスの試験は鉛筆が不可で、ボールペンで書かないといけないので、1回書き始めると修正がしづらい…!
筆記試験の翌週は、個別の口頭試験で、筆記試験で提出した教案に基づき、補足の説明をしたり、先生からのツッコミに答えたり、というこれまた無駄に緊張感ある試験でした。
口頭試験の日は、順番待ちの学生が廊下でウロウロしながら、教室から試験を終えて出てくる人に「どうだった?何聞かれた?」と質問攻め。
「先生の意見に全然賛同できなくて、めっちゃ反論しまくっちゃった…やばい、単位落とすかも…!」
と、さすが気強めなフランス女子(笑)
私はガンガン先生からの指摘を受けて、だいぶひるみましたが、ザ・日本人戦法(?)で、試験終了後に「先生の授業すごく興味深かったです~!勉強になりましたあ!」とニコニコ愛想を振りまき、印象点アップを狙いました(笑)効果があったかはわかりませんが、終わりよければすべてよし。
・イタリア語(選択授業)
完全初級者もいるA1のクラスなのに、授業の進行はやっ!とビビッていた1学期。
2学期も同様にガンガン進みます。容赦ない。とりあえず条件法まではいきました。
フランス語で条件法を勉強したときは、条件法の概念からまず理解に苦しみましたが、フランス語→イタリア語の場合は、活用と用法例のみ!超あっさり!!
とりあえずフランス語で条件法使う場面はイタリア語でも同じようにしとけば良さそう…?まだ活用の暗記はそこまで追いついていないですが。
イタリア語やってみて思うのは、発音はフランス語に比べるとかなり楽(むしろただカタカナ読みするだけで、フランス人より発音良いと褒められる)だけど、活用や文法はもっと複雑な気がします。
文法も似ているようで微妙に違うのが難しい!
例えば、「私は昨日学校に行かないといけなかった」という文章は、フランス語だと、
J'ai dû aller à l'école hier.
と準助動詞devoirは、複合過去の際はavoirを組み合わせますが、イタリア語だと、
Sono dovuto andare a scuola ieri.
というように、andare(=aller行く)の動詞に引っ張られて、essere(=être)を使うんですよね!
フランス語で直訳すると、Je suis dû aller à l'écoleみたいな。なんともむずむず気持ち悪い…!(笑)
フランス人学生もここはしょっちゅう間違えていました。
2学期はイタリアでヒットした"C'é ancora domani (仏題:Il reste encore demain)"(邦題は何だろう、「まだ明日がある」?)の試写会のMCをイタリア人の先生が務めるということで、イタリア語クラスを招待してくれました。
前情報ゼロで観に行ったので、ラストの意外な展開に鳥肌が立ちました。面白かった!!日本でも公開されているのかな?
2学期の授業はこんな感じ!
2年目の授業は、さらに教育エンジニア的な分野も入ってくるみたいなので(色々詰め込みすぎ感はあるけど)、どんなことが学べるのか楽しみです。
もしもサポートいただける場合は、小躍りしながら大切に神棚にお供えしたあと、今後の活動に活用させていただきます♡