「パリ市民A」の憂鬱
大学時代、一応フランス語専攻だった私。
(一応、とつけたのは、ビリから数えた方が早い成績だったからです、トホホ)
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毎年、私の母校では2年生は学祭で専攻語の劇を披露する、という恒例行事があるんですね。
作品選びや脚本、字幕(セリフはALL外国語なので、日本語字幕を出す必要がある)演出、衣装、小道具なんかも全部自分たちで用意して、本番は大使館関係者も観に来ることがある、けっこうガチな出し物なんです。
で、私たちフランス語クラスは、世界的文豪ヴィクトル・ユゴーの名作「ノートルダムの鐘」を演じることになりまして。
パリ・ノートルダム大聖堂の鐘付き男カジモドが主人公のあれです。
それのディズニーアニメ版をベースにしたミュージカルをやったんです。
フランス語はクラスの人数が比較的多いので、全員が舞台に立つ必要はないんですが、ホラ私生まれながらの女優じゃないですか(?)
せっかくなら舞台に立ちたい!と思いまして、役者に立候補したわけです。
で、あてがわれた役は、ヒロインのエスメラルダ・・・
ではなく、その名も「パリ市民A」!いえい!
名もなき市民と言っても、侮るなかれ。
意外と出番は多く、オープニングで布ヒラヒラさせながら、テーマソング歌ったり(最後までフランス語歌詞うろおぼえ・・・)、
主人公が長セリフ言ったり、ソロで歌ったりしてる間、うしろでパン売ってみたり、
大道具急いで舞台に出したり(もはや演者じゃない)、
セリフもあったんですよ!!
後半、エスメラルダが捕まって処刑されそうな場面で、
"Elle n'a rien fait!”「彼女は何もしていない!」
って叫ぶ一言。
いや、一言だけ!?って思うじゃないですか。
もう、めっちゃ練習したからね。
フランス語分かる方には理解していただけるかと思うんですが、
ただの否定形ne...pasの形じゃなくて、ne...rien「何も~ない」の形ですよ。
見れば意味はわかるけれど、実際話すとなると、すぐにはパっと出てこない。
でもね、このセリフ100万回(ちょっと盛った)唱えたおかげで、ne...rienの形はバッチリになったし、テストに出たときはガッツポーズしたし、今でもこの形を見ると「あのセリフだ…(遠い目)」ってなるんですよ。
やっぱり何度も口に出して言うって大切だなぁ、と。
で、たった一言のセリフ言うだけで心臓バクバクな私ですが。
メインキャラクターを演じたクラスメイト達がね、いかに優秀か分かっていただけるかと思います。
まぁ、こんな劣等生の私でも、なんとかフランス語圏住めるくらいには、フランス語できるようになったので、どうか皆さんも諦めないで~!という話でした!
ちなみに、オープニングで一緒に布ヒラヒラさせながら歌うはずだったペアの子が、本番当日インフルエンザに罹りまして、無事私の出番は1つカットされましたとさ。ちゃんちゃん。
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