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在外公館派遣員:2次試験、外国語面接の巻

遂にラスト!在外公館派遣員2次試験の外国語面接についてのお話。

▼▼1次試験(筆記)の様子は以下の記事をどうぞ▼▼


▼▼2次試験、日本語面接の様子は以下の記事をどうぞ▼▼

準備タイム

またもや名前を呼ばれ、面接の部屋の外の椅子に座って待つよう促される。
そして面接で聞かれる質問内容が書かれた紙が手渡された。

面接の前に質問内容を教えてもらえて、数分準備する時間が与えられる。
これはなかなか親切!

質問内容は、応募動機、自分のストレス解消法、あとは「家のシャワーが壊れたので、不動産と交渉」というお題のロールプレイングだった。

派遣員の求められる語学レベルとしては、恐らくB2~C1くらいが想定されており、筆記試験もその位のレベルのように感じたが、面接に関しては、DELF/DALFの口頭試験に比べれば、難易度はそこまで高くなさそうでほっとする。

優しい面接官のマダム

呼ばれて部屋に入ると、面接官は優しそうな日本人マダム1人。
先程の日本語面接と比べるとだいぶアットホームな雰囲気だ。
人によってはネイティブが面接官の場合もあるらしい。

「じゃあ始めますねー」と日本語で言われたあと、フランス語に切り替わる。日本人相手にフランス語で話すのってちょっと気恥ずかしい。

マダムの流暢なフランス語で面接は進む。

少し話が詰まっても、フォローしてくれるし、話を掘り下げてくれるので助かる。マダム優しい。

女優になる

面接官は不動産屋さんの設定。私は家のシャワーが壊れた(フランスあるある)役。DELFのB1あたりの口頭試験でもロールプレイングの試験が確かあった。こういうの好き。女優魂に火がつく。

"La douche ne marche pas très bien chez moi....(家のシャワーが調子悪いんですけど…)"

と勢いよく、私が話を切り出すと、

"Hum? C'est de la part de qui?(え、どちら様ですか?)"

と面接官もとい、不動産屋さん。

あ、そこから始めるかんじ?拍子抜けしつつ、仕切り直し。TAKE2。

”Bonjour, je m'appele Shoko de....”

「こんにちは、日本大使館のShokoですが…」

と言いたかったのだが、

あれ、大使館ってフランス語で何だっけ?

外で待っている間には知っていたはずの単語をまさかのド忘れ。
思い出そうとすればするほど、英語のEmbassyが頭から離れない。

"de...?"とマダムも怪訝そうな目でこちらを見る。

大使館で働きたいくせに、「大使館」という単語がわからないのはさすがにマズイ…。目をきょろきょろさせながら、えーと…と言葉に詰まっていると、

"Vous êtes de l'ambassade du Japon?(日本大使館の方ですか?)

とマダムが助け舟。

そう!ambassade!!
なんで私の言いたいことがわかったんだろう、スーパー空気読みマダムすごい。

そして話は、じゃあ来週修理の人よこすから、よろしく、とあっさり終わりそうだった。

ほぼマダムがペラペラしゃべっていて、私はたいしたこと言ってないし、「大使館」の単語さえ覚えてないし、これだとアピール不足でまずいのでは?と、急に焦る私。

「来週じゃなくて今週末修理できませんか。シャワー使えないと困ります。」

といきなりクレーム、ではなく交渉をふっかける。

え、とマダムは一瞬眉をひそめたが、「週末は修理業者休みだし、アポとるのに時間かかります」とやたらリアルな設定で不動産屋役を突き通す。相手もなかなかの女優である。

結局言いくるめられて、「週末は友達の家でシャワー借ります…」とすごすご引き下がる私、押しに弱い日本人代表。

ロールプレイングが終わったあと、そのまま軽く雑談で、フランスだとよくあちこち壊れるし、修理業者すぐ来ないし、困るよね~というあるある話で終了。

求められる人材像

今考えても、どのパートが採用の一押しになったのかさっぱりわからないが、実際に働いてみて思うのは、採用基準はきっと語学能力ではないということ。

もちろんある程度語学ができないと仕事に支障をきたすが、それよりはむしろ、

・海外でたくましく生きていけるか
・心身健康かどうか
・周囲との人間関係が築けるかどうか
・コミュニケーション能力
・素直に業務に取り組めるかどうか

などが重視されているような気がした。

海外赴任組の中には、慣れない土地でのストレスが原因で、帰国を余儀なくされる人も少なくない。

私はありがたいことに周囲の助けや、スイスの美しい自然のお陰で、無事2年間元気に楽しく過ごし、何事もなく任務を終えることができた。

これから派遣員として世界各地に赴く方たちが、楽しく充実した海外ライフを送れますように。





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