早稲田大学ビジネススクール受験録
こんにちは。Sudo です。今週はWBSの事前授業がある筈だったのですが、コロナの影響で事前行事や入学式が中止になり、授業の開始日も後ろ倒しとなってしまいました。
アメリカのビジネススクールでも全ての授業をオンラインに移行したりと、大きな影響を受けているようですね。
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ありがたいことに先月書いた note が好評だったので、事前授業が無くなって空いた時間で早稲田の夜間主総合プログラムの受験記録(2020年度)をまとめてみました。国内MBAの入試は9~10月頃から本格的に始まるのですが、僕の場合は進学を考え出した時期が早かったので、充分な時間を掛けて準備を行えました。
この note では主に、準備において特に時間を要した研究計画書・小論文・面接についてまとめています。そのため、以下の内容は日本国内でMBAを取得する方向けとなります。
①志望校の決定
まず、志望校を決める際に特に重視したのは ①本業と学業を両立できる ②理論と実践のバランス ③夜間プログラムへの注力 ④立地などです。
各校の雰囲気を実際に知ったうえで学校を絞るために、早稲田・青山・明治・一橋・グロービスの説明会に参加しました。
説明会で先生方や現役生および卒業生から話を伺い、グロービス経営大学院の公開する国内MBAスクール選び「22のポイント」なども参考にしながら、WBSを第一志望に定めました。
WBSの秋入試に合格したので他校を受けることはありませんでしたが、青山ビジネススクールが力を入れるアクション・ラーニング(経営理論とビジネスの実践を結びつける体験型学習プロジェクト)など、WBS以外の学校も非常に魅力的で、体が複数あれば他校にも通ってみたかったです。
②研究計画書の作成
志望校が決まると具体的な準備が始まります。国内MBAの受験にあたって最初の壁が、願書と共に提出する研究計画書の作成です。学校ごとに内容が異なりますが、①これまでの実績 ②キャリアゴール ③志望動機 ④研究テーマなどをまとめます。
WBSの1次試験は研究計画書と筆記試験の内容で合否が決まり、2次試験の面接でも計画書の内容から質問をされる場合があるため、非常に重要な文章です。
◆研究計画書の要項 (WBS)
1. これまでの実務経験のなかで成し遂げたこと、および現在の担当業務に関する詳細について説明してください。(1,000 字以内)
2. あなたのキャリアゴールを具体的に設定してください。それをどのように達成しますか? 当研究科における学習・研究がその中でどのような意味を持ちますか?(500 字以内)
3. 当研究科におけるあなたの志望プログラムへの期待と入学後に予定している研究テーマについて、以下の項目に言及した上で具体的に述べてください。(1,000 字以内)※当該テーマに取り組もうと考えた理由(課題・仮説)
なかなかに重たい内容なのでスラスラと書くことが難しく、僕の場合は完成するまでに約2ヶ月かかりました。
◆研究計画書を作成した流れ
1. 対策本を読む
2. キャリアの棚卸し
3. MBAを取得する理由の明文化
4. ストーリーラインを作成
5. 研究計画書を作成
6. 他者によるレビュー
まずは参考書籍を読み、他の受験生が書いている研究計画書の粒度やレベル感などの全体像を掴みます。
その次に、マインドマップを用いてキャリアの棚卸しを行いました。自らの業務における課題は何なのか?その課題に対してどのような行動を取ってきたのか?その結果どうなったのか?を整理します。
この作業を通して実務内容と成し遂げたことが具現化され、自然にMBAを取得する理由も明文化されます。その後、全体がストーリーになっていることを意識しながら簡単な文章を書き始めました。
①達成したいキャリアゴールは○○である。(問2)
②なぜなら、○○だからである。(問1)
③キャリアゴールを達成するためには、○○を研究する必要がある。 (問3)
何パターンか書いてそれぞれを肉付けしてみて、一番自然で違和感の無いストーリーを深堀りしていきます。
国内MBAでは基本的に研究が必須で、自分が課題だと考える問題と、それに対する解決策を検討するプロセス(研究計画)を提示する必要があります。既に答えが出尽くしている内容は不適切なため、深掘りする過程で関連した書籍を何冊か読み、適切な内容か検討しましょう。
全体の内容が固まってきたら予備校の先生や知人(MBA保持者)などに読んで貰い、誰にでも伝わる内容になっているか?無駄な文章が無いか?適切な表現が使われているか?などを確認して頂きました。
③筆記試験(小論文)対策
WBSの1次試験は事前に提出する研究計画書と筆記試験(小論文)の結果によって合否が決まります。過去問から小論文のテーマを一部抜粋しました。
◆2019年(冬)
文章(バス運転手の平均時間当たり賃金について)と図を参照し問題に答えてください。
①図から読み取れる「傾向(観察事実)」と「その傾向の理由(推測)」として、どのようなものが考えられるか、傾向と理由をセットにして合計4つ抽出し箇条書きで書いてください。
②2005年以降「有効求人倍率が上がったのに、平均時間当たり賃金が上がらない理由」について、図すべてに言及して説明するロジックを考えてください。
◆2019年(秋)
文章(キリンの長い首のミステリー: 有力説はダーウィンの性淘汰について)を読み、以下の問題に答えなさい。
①「キリンの首が長くなった」ことを説明する論理展開を図解してください。
②「性淘汰がキリンの首を長くした」というロジックには飛躍があると思われます。この飛躍をうめるためには、どのような想定が必要でしょうか。
◆2018年(秋)
文章(レストランの店主がある日寝坊した。時間と材料が限られている中、売上を最大化するために準備を始めた)を読み、以下の問題に答えなさい。
①店主が本日の売上を最大化するためにはどうしたら良いですか。
②店主が意思決定に時間をかけると開店が遅れるとします。どれくらい時間を使う価値があるでしょうか。
③店主が本日を臨時休業にするとしたら、どういう条件が揃えばそれが合理的か、なぜかを議論してください。
小論文は学校によって経営の知識が問われたり、論理的に物事を考える能力が問われたりと傾向が異なりますが、過去問の通りWBSでは経営の知識が無いと解けない問題は基本的には出ません。
僕は対策として予備校で経営学の基礎を学び、5月~8月は小論文の課題を毎週1~2本解き、9~10月は過去問に取り組みました。
◆小論文を書く際に意識したこと
1. 問いを明確にする (筆者の主張と根拠は何か?問いの論点は何か?)
2. 主張と根拠をセットで問いに答える (○○は××である。何故なら...)
3. 問いに含まれていない内容には答えない
4. 一文一義で簡潔に書く
5. 曖昧な言葉の利用は避け、利用する場合は定義する
読みやすい文章を時間内に書き切る練習は必須で行うべきでしょう。日常的に文章を書かない人にとって小論文を書くのは大変なことです。2020年度の秋入試でも1時間半で約1,500文字を書くことが求められました。
なお、意外と抜け漏れがちですが原稿用紙は書き方などが細かく決まっているので、対策用の書籍を一度は読んでおきましょう。また、ボールペンが使える場合は消すのが楽なフリクションペンの利用を推奨します。
④面接対策
筆記試験を乗り越えた先に待っている2次試験は、3名の先生方との15分程の面接です。面接では研究計画書の内容を中心に質問されると予想していたので、事前に想定されるQ&Aを整理しましたが、その中から聞かれた質問はほぼありませんでした。笑
ただ、想定される質問に頭を巡らせることで自信を持って面接に臨めるので、事前の準備は時間を掛けて行うべきでしょう。
◆面接の際に意識したこと
1. 落ち着いてゆっくりと話す
2. 意識的にハッキリとした声を出す
3. 背筋を伸ばして、身振り手振りを大きくする
4. 質問に対しては、まず結論を答えてその後に補足する
5. 聞かれてないことに答えない
出来れば事前に模擬面接を行って、自分では気付けない所作や受け答えについて他者からフィードバックをしてもらえるとベストです。
なお、試験当日は30分前には会場に着き、精神を落ち着ける時間を確保して余裕を持って面接に臨みましょう。会場ではスマホを使用できないので、雑誌などを持ち込みリラックスすることをオススメします。ちなみに、面接では大半の人がスーツを着ていました。
おわりに
以上が、ビジネススクールへの進学を考えてからWBSに合格するまでの8ヶ月間に行ったことのまとめです。
短期間でも要点を抑えて準備をすれば合格が可能だと思いますので、興味がある人は試験までの期間にかかわらずにチャレンジしてみてください😌
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