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思い出のルーニー

私が人生で初めて好きになった海外サッカークラブであるマンチェスター・ユナイテッドを知ったのは2008年、小学3年生の頃。ユナイテッドが欧州王者として出場したFIFAクラブワールドカップ2008が日本開催で、それをテレビで観て知ったらしい。来日当時のメンバーを調べてみるとスターぞろいで、クリスティアーノ・ロナウドとウェイン・ルーニーが同じチームにいた。

のちにロナウドはレアル・マドリーに移籍し名実ともに伝説となるわけで、そこから先の活躍ぶりは周知の事実だろう。そしてまたルーニーも、2010-11シーズンのマンチェスターダービーにおいてオーバーヘッドでゴールを決めるなどエースとしてレジェンド級の活躍をした。ルーニーはストライカーでありながら何でもできるタイプの選手で、個人的にはセンターフォワードというよりかはセカンドトップのイメージが強かったが、パスも守備もできてスタミナもある超万能型ストライカーだった。今でこそバイエルンのハリー・ケインが「アシストもできるストライカー」であるが、それでもルーニーは現代フットボールで見てみたかった選手のひとりだ。

2012-13シーズンには当時アーセナルのエースだったロビン・ファン・ペルシーと、ドルトムントでトップ下のレギュラーとして大活躍していた香川真司がユナイテッドに来た。特に香川の加入によって間違いなくユナイテッドへの注目度は上がったし、試合を観てプレミアリーグのハイレベルさに誰もが驚いたはず。それこそプレミアの試合をNHK BS1で観られていた頃がとても懐かしく思える。2011-12シーズンにスカイブルーの宿敵マンチェスター・シティが44シーズンぶりにリーグ優勝を決める試合も家のテレビからリアルタイムで観ていたし、本当にいい時代だった。

しかし12-13シーズン限りで名将サー・アレックス・ファーガソンが勇退。「強い」ユナイテッドの一時代が終わりを告げ、長い低迷期が始まった。


私が大人になるにつれ、ユナイテッドは迷走に迷走を重ねた。有名な選手を多数連れてきては失敗を繰り返し、ごくたまに優勝するくらいである。それもプレミアリーグの優勝ではなくせいぜい良くて2016-17シーズンのUEFAヨーロッパリーグ優勝(モウリーニョ体制)、2022-23シーズンのEFLカップ優勝、そして記憶に新しい2023-24シーズンのFAカップ優勝(テンハフ体制)くらい。
昨日FAカップ決勝の映像を観たが、久々にユナイテッドの試合で面白いと思えた。毎回それやれ。

選手補強も毎年即戦力または有望な若手を持ってくるものの、大体は負傷が多かったり馴染むまで時間がかかりすぎていたり。2013年にファーガソンが勇退してから2022年夏までの時点で42人の選手に10億8000万ポンド(当時のレートで約1753億8000万円)もの大金をつぎ込んだそうだが、過大評価とも言える金額とその失敗ぶりにはあきれるばかりだ。ここのところ即戦力で良かった選手なんて、2019-20シーズンの冬に来たブルーノ・フェルナンデスくらいではないのか。

オーナーの件は長くなるので割愛するが、ここまでファン・サポーターの忍耐力が問われるビッグクラブもそうそうないと思う。ユニフォームだけは毎年カッコいいので、新共同オーナーのラトクリフにはとにかくユニフォームがよく売れるよう頑張ってほしいところ。早速「新加入選手は25歳までにしてスター選手は獲得しない」など補強における新ルールを定めたようだ。まだしばらく時間はかかるかもしれないが、彼の手腕と「強い」ユナイテッドの完全復活に期待したい。


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