食べる量は「容器の大きさ」で決まる!? 行動経済学から見る誘惑の科学

皆さんこんにちは。

本日は、「行動経済学から見る誘惑の科学」というテーマについてお話していきます。

以下のような方々には、特におすすめの記事となっております。

 ・ダイエットに励んでおり、食べる量を減らしたい方

 ・ダイエットは考えていないけど、なんとなく食べ過ぎだと感じる方

 ・今は大丈夫だけど、食べ過ぎには気を付けたい方

とにかく、食生活を改善したい方、食べることへの誘惑に打ち勝ちたい方は読むべきです。

・・・それでは、本題に入ります!

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消費者行動学やマーケティングに詳しいブライアン・ワンシンクという方が、ある面白い実験を行いました。

シカゴの映画館にて、観客の半分にはポップコーンのLサイズを、もう半分の観客にはポップコーンのMサイズを無料で配り、観客が食べるポップコーンの量と、箱のサイズの相関関係を調査しました。

ただ、このポップコーン、観客に配る5日前に作られたもので決して美味しいとは言えないものでした。

彼がこの実験で確かめようとしたことは、「たとえまずいポップコーンでも、大きい箱を受け取った人ほど食べる量が増えるのではないか」ということだったのです。(筆者としては、某水曜日のダウン○○○で検証されそうなネタだと思ってしまいました。。。)

実験の結果は、彼が予想していた通りでした。

なんと、Lサイズの箱で配られた観客は、Mサイズの箱で配られた観客よりも、食べた量が平均して53%多かったのです。

さらに、彼は映画が終わった後で、Lサイズの箱を受け取った観客に「美味しくないポップコーンをたくさん食べたのは、箱が大きかったからか?」という質問をしたところ、大部分の観客はそれを否定しました。

つまり、Lサイズのポップコーンを受け取ったほとんどの観客は、箱の大きさが食べる量に影響したという事実にすら、気付いていませんでした。(もしくは、そんなことには騙されないぞという見栄を張っていたのかもしれません。)

また、彼は別の実験でも同じことを確かめています。

その実験では、トマトスープが入っている大皿の前に被験者を座らせ、被験者にはスープを好きなだけ飲んでよいと伝えられました。

実は、大皿の底はテーブルの下にある機械とつながっており、常時スープが注ぎ足される仕組みになっていたのですが、被験者にはそのことは知らされていませんでした。

このような状況で被験者がどのくらいスープを飲むかを観察したところ、多くの被験者は実験が終了するまでの間に大量のスープを飲むことがわかりました。

ワンシンクが行ったこれらの実験からは、以下のようなことがわかりました。

①箱や皿が大きい場合は、小さい場合と比べて食べる量(飲む量)が増える。

②多くの人は、自分が食べる量(飲む量)が箱や皿の大きさに影響を受けていることに気付かない。

行動経済学では、人の行動をそれとなく誘導するきっかけのことを「ナッジ」と呼びます。

今回の実験では、「箱や皿の大きさ」が「被験者が食べる量」を誘導していることが分かったのです。

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ダイエットや食生活の改善などで、食べる量を減らしたいという方は多いと思いますが、「自分の意志で頑張って減らそう!」という発想はあまりおすすめできません。

人間の意志力は、一般的に考えられているほど強いものではありません。「食べちゃいけない」と思うほど、その反動で食べたくなるものです。

また、もし失敗したときに「自分は意志が弱い人間なんだ」という考えになってしまい、結果的にストレスが原因で余計に過食に走るという悪循環に陥ってしまうこともあります。

そうならないためにも、「食べ過ぎないための環境づくり」が大切です。

●普段から冷蔵庫に余計な食べ物を入れない。

●食器を、今よりも小さいものに取り換える。

●スナック菓子は、一番小さい袋のものを買うようにする。

このように身の回りの環境を変えてみるだけでも、自分の意志力に頼ることなく、食べる量が減るように「誘導」することができるのです。

つい食べ過ぎちゃうと感じる方は、ぜひ試してみてください。

本日のテーマは以上です!

最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。




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