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【創作大賞2023入選作】硝子の鳥籠

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宿命に縛り付けられた男女の物語。二万字ほどの短編で、悪魔祓い――エクソシストを題材に使っています。 残酷な描写がありますので、苦手な方はご注意ください。 第一話 ざらついた平穏… もっと読む
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記事一覧

「硝子の鳥籠」 第1話 ざらついた平穏(1)

 創作大賞2023イラストストーリー部門応募作です。  よろしければ、こちらの記事をご覧にな…

翔花里奈
10か月前
43

「硝子の鳥籠」 第1話 ざらついた平穏(2)

 日本人には悪魔に対抗するための力が備わっておらず、宣教師よりもずっと前の時代に渡来した…

翔花里奈
10か月前
18

「硝子の鳥籠」 第2話 指針よ、揺らぐな(1)

「それじゃあね、早瀬川さん」 「はあい」  柊人が、去り際に爽やかな笑みを向けてくる。そ…

翔花里奈
10か月前
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「硝子の鳥籠」 第2話 指針よ、揺らぐな(2)

『名前が嫌い? 私もよ。だけど、「百」だからまだマシじゃない? 私なんて「千」だもの。あ…

翔花里奈
10か月前
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「硝子の鳥籠」 第3話 動揺

 時刻は十八時半過ぎ。職員室にて一連の事務作業を終えた千影は、島唯一の料理屋に向かってい…

翔花里奈
10か月前
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「硝子の鳥籠」 第4話 予兆

「やっぱ生理?」  翌朝。洗面所で顔を合わせるなり、百香が尋ねてきた。 「は?」 「ぼー…

翔花里奈
10か月前
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「硝子の鳥籠」 最終話 待ち望んだ結末(1)

 放課後。  クラスを受け持たない千影と柊人は、教室から漏れ聞こえるホームルームの声を聞きながら廊下を歩いていた。  結界の点検をするためだ。 「分散した方が効率がいいよね。僕が北校舎に行ってくるから、千影ちゃんはこのまま南を頼める?」  昨日のことがなかったかのように、柊人が話しかけてくる。  彼の中では、本当に区切りの付いたことなのだろう。だったらこれ以上気にするのは失礼だと、千影も気持ちを入れ替えた。 「わかった。中庭は私が行くから、体育館お願いできる? あそこ、

「硝子の鳥籠」 最終話 待ち望んだ結末(2)

 千影は回転式拳銃を正面に構え、息を殺し視線を素早く左右に動かしながら、一歩、また一歩と…

翔花里奈
10か月前
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