「硝子の鳥籠」 最終話 待ち望んだ結末(1)
放課後。
クラスを受け持たない千影と柊人は、教室から漏れ聞こえるホームルームの声を聞きながら廊下を歩いていた。
結界の点検をするためだ。
「分散した方が効率がいいよね。僕が北校舎に行ってくるから、千影ちゃんはこのまま南を頼める?」
昨日のことがなかったかのように、柊人が話しかけてくる。
彼の中では、本当に区切りの付いたことなのだろう。だったらこれ以上気にするのは失礼だと、千影も気持ちを入れ替えた。
「わかった。中庭は私が行くから、体育館お願いできる? あそこ、