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子どもの自由な発想や想像を大切にする

 「先生見て、透明人間だよ。」あるお子さんは、こう言いながら柔道衣を畳の上に並べていました。子どもの発想はユニークで面白いです。今では着替える前のルーティーンになっています
 実は、初めてこの「透明人間」を見た時、こう言おうとしたんです。「余計な時間がかかるからやめよう。」でも、「ちょっと待てよ。子どもの自由な発想や想像を止めてはもったない。」と思い、ぐっとこらえました。後で、お子さんと透明人間について話してみたら、色々なことがわかったんです。柔道衣がとても好きだということ。そして、こうすることで忘れ物がないか確認でき、着替えもしやすいということ。もし、「そんなことしないですぐに着替えよう。」と言っていたら、こういった考えを知ることができませんでした。


 また、このような例もあります。未就学児は、帰る際にご褒美シールを貼るのですが、「魚シール」が好きなあるお子さんが「台紙に色を塗りたい。」と言いました。ここでも私は、「別に白いままでもいいんじゃない。」と言いかけましたが、いけない、いけない。ここは子どもの話を聴くことが大切。台紙をお家に持ち帰ってもらいました。
 次の稽古時に台紙を見て納得。お子さんが持ってきた台紙は、きれいな青色に、つまり「海」になっていたのです。「お魚は海にいれてあげないとかわいそうでしょ。」そう言ってシートを見せてくれたお子さんの笑顔を見て、「あのとき止めないでよかった。」と思いました。

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 「それは違うよ。」「それは意味がないよ。」大人の何気ない一言で、子どもの発想力や想像力を伸ばす機会を奪ってしまうことがあります。私もつい「常識」や「普通」という言葉にとらわれ、つまらない一言を言ってしまいそうになります。でも、そこはがまん、がまん。話をしっかり聴いてあげると、子どもは自由な発想や想像をどんどんふくらませてくれます。子どもの考えをすぐに否定せずに、まずは聴いてあげること。こうすることで、子どもの自己肯定感も上がっていくでしょう。
 こらからも稽古の効率化ばかりを求めずに、のんびり、じっくり、お子さんたちの心を育てていきたいと思います。 


「柔道家が増えることで、社会はより良くなる」
文武一道塾 咲柔館


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