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「文月の精進料理」  2016年7月

紫陽花の季節がすぎて、観光で見える方も落ち着き、いよいよ夏まっさかりな鎌倉です。夏の鎌倉は鎌倉花火大会や、ぼんぼり祭りがありますが、どちらも夕暮れからが見頃。枕草子ではないですが、暑さも少し柔らいだ"夏は夜"がよろしいようで...。
さて、今月はすっかり夏食材です。新生姜、冬瓜、賀茂茄子、隠元、玉蜀黍、枝豆、京唐菜と手軽に入る食材でのひと味違う料理をご紹介しています。日々の献立にぜひお役立てください。

1.新生姜飯  2.冬瓜の葛仕立椀  3.賀茂茄子のオランダ煮 4.隠元と玉蜀黍、枝豆の胡麻酢和え 5.京唐菜の佃煮


1.新生姜飯
新生姜は皮が柔らかいのでむかなくてもよく、アクや辛みも少ないので下ゆでもいりません。生姜独特の香りシネオールには夏ばてで落ちる食欲を増進したり、疲労回復成分もあり、ぴりっとした辛み成分ショウガオールには殺菌効果もあるので、食品が痛みやすい夏場にはもってこいなんです。暑さに慣れていない体を生姜で中から温めて発汗を促してあげましょうね。美味しく炊くこつは最初から炊き込まず、火を止める直前に入れること。そうすると生姜の風味がたちますし、苦みも感じにくいですよ。

材料:米2C、昆布出汁440CC、醤油大1、酒大1・1/2、塩少々、刻み新生姜大2

1)生姜はよく洗って皮のまま荒微塵に切っておきます。

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2)米を洗い、笊にあげて15分程度おいてから、調味・水加減して20分おいてから炊きます。沸騰するまでは強火、その後7分中火の弱で炊いていきます。
3)そのあと3分とろ火にしますがとろ火の最後の1分くらいで生姜を入れて、火を止める寸前に強火にして10秒、パチパチと音がしたら完成です。10分蒸らして天地返しをして盛り付けます。電気釜の場合は保温になったところで加えてください。

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2.冬瓜の葛仕立椀
冬瓜の皮はロウ質で覆われていて、水分が蒸発しにくくなっています。なので冬まで持つということろから"冬瓜"という名がついたそうです。夏に失いがちなビタミンCも豊富で、なにより見た目が涼しげで絵になりますよね。青々しく仕上げるこつは、ゆでるときほんの少量重曹を使うこと。またゆですぎると溶けてしまうので、注意してゆでてくださいね。

材料:冬瓜各3×4cm、重曹みみかき1杯
煮汁:昆布出汁1C、淡口・味醂各小1
胡瓜各5mm×2、梅干し1つ
吸い地:精進吸い物出汁3C(煎り大豆・昆布・干し椎茸を同割で水につけたもの)、淡口小1,塩小1/4、片栗粉大1、青柚適宜

1)冬瓜は3cmの厚さの輪切りにして6等分にカットし、綿の部分は捨てて、青さを残しつつ皮をむきます。
2)皮目に鹿の子に包丁目を細かく入れて、まな板の隅に重曹をおき、皮目にこすりつけ、お湯で柔らかくなるまでゆでます。だいたい15~20分かかります。

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3)ゆであがったら、水に取り、何回か水を変えて重曹を抜いてから、煮汁で煮含めておきます。

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4)胡瓜は種を打ち抜きで抜き、3~5mmに切って、塩少々の熱湯でさっとゆで、水に取っておきます。胡瓜は火を通すためにゆでると云うより、発色を良くするのと青臭さを抜くためにゆでるので、ゆですぎないように注意してください。2枚のうち1枚に包丁をいれ、もう1枚をくぐらせてリング状にしておいてください。

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5)梅干しは包丁でたたいておきます。
6)冬瓜を温めなおし、椀に置き、吸い地用の出汁を温めて調味し、水溶き片栗粉でとろみをつけた汁をはります。
7)胡瓜をそえ、梅干しを冬瓜にぽちっとのせ、青柚を下ろしがねでおろして茶筅などで椀に少々加えて召し上がってください。さわやかな梅干しの酸味と優しい冬瓜の味わい、柚子の青々しくスパイシーな香りが楽しめます。

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3.賀茂茄子のオランダ煮
賀茂茄子はまさに今が旬。とろっとお口でとろける味わいはどんな茄子もかないませんね。オランダ煮というのは油で揚げてから煮る調理方法。南蛮渡来の技法だったのでこんな呼ばれ方をしています。茄子類はもともと油と相性がよいので、こういった揚げ煮はナスのポテンシャルを最大限に生かした料理といえますね。大根おろしを乗せる前提での煮汁ですので、そのままだとちょっと濃いです。煮汁はいつも同じではありません。最終的な味わいを考えて構成していきましょう。

材料:賀茂茄子各1/6個、揚げ油適宜、七味唐辛子
大根300g、青楓麩各7mm
出汁250CC、醤油・味醂各50CC、酒大1

1)賀茂茄子は天地を切ってから1/2に輪切りにし、皮目に斜めに包丁を入れ、6等分にカットします。

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2)青楓麩は7mm程度にカットし150度で揚げます。

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3)さらに180度の高温にして賀茂茄子を皮目から揚げます。

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4)大根をおろし、ざるにあげて余分な水分をすて、辛いようなら、ボールに水をはってすすいで適度に辛みを除いてください。抜きすぎてもいけないので、流し水ではなく、ボールに貯めた水を使います。
5)煮汁を用意し、茄子を入れ、1,2分炊いたら器にもりつけ、青楓麩をそえて大根おろしをのせ、汁を張って好みで七味をふって食べます。獅子唐などを添えてもいいですね。

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4.隠元と玉蜀黍、枝豆の胡麻酢和え
隠元と枝豆のグリーン、玉蜀黍の黄色で目にもさわやかな和え物です。枝豆とか玉蜀黍ってちょっと残ってしまうこと多いですよね。そんな時のリメイク料理としても覚えておいていただければと思います。妥協できないのは胡麻を煎ること。市販の煎りごまとは別格の香り豊かな胡麻ができあがりますので、頑張って洗い胡麻を煎ってくださいね。

材料:隠元150g、玉蜀黍1/2本、枝豆150g、
胡麻大4,酢大3,昆布出汁大1、砂糖大1、淡口小1・1/2

1)隠元はゆでて醤油洗いをして(分量外)、食べやすい長さに切っておきます。醤油洗いはかすかな下味をつけるときによく用いられる技法で、今回は150gの隠元に小さじ1/2程度かけてました。まぶすやいなや醤油は流します。
2)玉蜀黍は焼いてほぐしておきます。

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3)枝豆は塩ゆでして、さやから出しておきます。薄皮はとりません。

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4)胡麻は香りよく煎ってあたり、調味して、食べる直前1~3をあえます。

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5.京唐菜の佃煮 
京唐菜は木胡椒などとも呼ばれますが、一番一般的な呼び名は葉唐辛子でしょうか。おにぎりの具でこそ知ってはいるものの、生の状態で見ることはほとんどないかと思います。見つけたらぜひお求めください。赤ちゃん唐辛子(若い青い唐辛子)もついていますので、それも少し加えて自家製の佃煮にしてあげてください。白い熱々のごはんのお供にぴったりですよ。

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材料:葉唐辛子200g(正味)、出汁で使用した昆布適宜、酒1/4C、味醂大2、醤油1/4C弱、炒り胡麻大2

1)葉唐辛子は洗って葉だけをつんで、熱湯に塩一つまみで湯がき、水に取って絞っておきます。

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2)昆布は長さ4cm程度の千切りにします。

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3)好みで赤ちゃん唐辛子を2,3本小口切りにします。
4)鍋にゆでた葉唐辛子と赤ちゃん唐辛子、昆布を入れ、まず酒を入れて火にかけてアルコール分を煮とばし、さらにみりん、醤油を加えて汁けがなくなるまで煎るように煮ます。できあがったらあら熱をとってから色煎りごまを振ってください。

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レシピ&原稿:温石会 入江亮子
北鎌倉たからの庭<旬を楽しむ精進料理> 7月の献立より


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