新しい英検で求められている力
英検(実用英語技能検定)の問題が変わるらしい。
https://www.eiken.or.jp/eiken/info/2023/pdf/20230706_info_eiken.pdf
変更に関してどう思うかというと賛成。
理由はシンプルにこれまでの英検の基準が、国際基準のCEFRとズレていたように思うから。あくまで体感としてだが、他の検定と比較すると、英検の基準は、CEFR基準で他の検定試験よりも高めに出ている気がする。
例えば違いについて、ChatGPTさんに英検準2級と2級、それからTOEFL Juniorのリスニングの設問を分析してもらうと、こんな違いがあると指摘する。
TOEFLにあり英検にないと指摘されるのは、アカデミックな内容が入るのと、思考力(特に予想や推測)の部分。このあたりが、CEFRで英検がちょっと高めにでてくる理由のかなと個人的には思う。
で、本題にもどり、何が変わるかというと、シンプルに言えば、
状況を読む力、やり取りの力(コミュニュケーション)、英語の表現力
の3つが特に新しい問題では必要で、思考力がさらに求められる形に変わるように感じる。
英検3級
一見、簡単そうに見えるけど、難しい。求められているのを分解すると、
①メールの返信として適切か。
⇒やりとりとして自然かどうか
②与えられた指示に答えているか。
⇒やりとりが自然でなおかつそれに答えて内容を考える。
これまでの英検3級のライティングの問題だと、どんな問題であっても、考える視点さえ練習しておけば、何とかなった。
例:どの季節が好きですか?
こういう問題が来たとしても、
発問:夏に何するのが好き?、どこ行くのが好き?、夏の思い出は?
そんな感じのことを、教員が質問して考える視点・観点の練習をしておけば、英語の表現を学ぶだけで、ライティング問題に対応できた。
例えば、こんな感じで練習すると、思考力も高めながら、対策が可能。
でも、今回の変更によって求められるのは、もう1段階上の、『やりとり』という部分までもが求められている気がする。
きっと満点の解答として、求められるのは、
①適切な書き出し
そうなの!パーティに行ったよ。
②求められる答え
20人ぐらいが来たかな、日本食がでて美味しかったよ。
③適切な終わり
すごく良いパーティだったよ!
このあたりまでだと思う。字数制限的にも②は指示があるからマストで、①か③を入れるとこまで、求められると思う。
う~ん、ここまで求められると、国語力というかコミュニュケーションの力まで求められるので、英語というよりか、別の練習(メールor文字だけでのコミュニュケーションについて)が必要だと思う。
英検準2級
これも3級と同様に考える内容が増える。
①相手のメールの内容を踏まえる
例:そうなの!知らなかった!ロボットペットいいね!
②相手の聞いていることに答える。
例:問題があるそうだけど、きっと良くなっていくと思うよ。
③指示に出されていることを入れる。
例:ちなみに寝たりするの?食事の時はどんな風に動くの?
学齢があがってくれば、対応はしやすいだろうけど、小学生や中学1年生あたりには、難しそう。やり取りはできたとしても、指示されている内容をそこに入れて、適切なやりとりにする部分がとくに難しそう。
英検2級
要約しなさいというが、求められているのは以下の3つ
①この文章は何について?
②2段落と3段落は何について?
③言い換えると、どういう表現がある?
学力がある生徒であれば、さっとこんな風にまとめられて、段落間の関係も捉えることができる。
①大学生になった時の下宿について、
②ルームシェアのメリット
③ルームシェアのデメリット
反対に言えば、そこまで見抜く力(読解力)がなければ、適切なまとめもできないと思う。加えて、英語の表現の書き換えもトレーニングなしには、できない。
いくつかの論理構成のパターンがあるだろうから、そのパターンを知っておけば、対策はしやすいのだろうけど、初見では厳しいだろなと思う。
最後に
きっと、今後、色んな対策本や方法がでてくるのだと思うけど、もし中高生や受験生にアドバイスを行うなら、次のことを普段から意識して欲しい。
どんな授業(英語でもそれ以外)でも、何かを読んだり、学んだりしたら、以下の項目をつかって自問自答して欲しい。
Reviewing Questions
(1) 何のための授業?
(2) 何についての授業?
(3) キーワードは何?
(4) ここが大事!それはどこ?
(5) ここは大事!それはなぜ?
(6) 新しく学んだことは?
(7) それを簡単にいうと?
(8) 授業後に何する?
そうすることで、考えも深まり、思考力あがっていく。上の質問は、TOEFLや英検でよく設問の文で聞かれる内容をシンプルにまとめたもの。
普段の学びで、そういうことを振り返っていれば、どんなテストであろうと、答えていくことができるようになると思います。
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