今井尚/native編集長

記者、編集者。旅や冒険についての取材、編集しています。

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  • native | FIELD assistant

    • 139本

    NPO法人フィールドアシスタントがお届けする、世界各地の人たちに暮らしの知恵を求めて話を聞くポッドキャスト「ラジオネイティブ(radio native)」を公開中。このマガジンはnative note版です。

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最近の記事

北極のフィールドアシスタント(下)

(インタビュー)北極探検家・山崎哲秀さん その年の秋、北極探検家の山崎哲秀さんにお会いした。「フィールドアシスタント(極地の案内人)」というNPOに参加した以上、会っておかなければならない人だと感じたからだ。もう30年以上、北極に通い、研究者を案内し続けている。 「いよいよ極夜が明けます。明日(17日)には久々に太陽が見れそうですよ。」 日本時間2020年2月17日、山崎さんからメッセージとともに現地の写真を送っていただいた。一日中、太陽が地平線から顔を出さ

    • 極北のフィールドアシスタント(上)

      その年の秋、北極探検家の山崎哲秀さんにお会いした。「フィールドアシスタント(極地の案内人)」というNPOに参加した以上、会っておかなければならない人だと感じたからだ。もう30年以上、北極に通い、研究者を案内し続けている。 きっかけは植村直己もう30年以上、北極に通い続けている。毎年冬、おもにグリーンランド北極圏のシオラパルクという村に出かける。肩書は「北極探検家」。犬ぞりの技術など、北極という特殊なフィールドでの豊富な経験をもとに、ここを研究対象として訪れる学術研究者の

      • 模擬宇宙生活実験のクルー(女子大生)

        髙階美鈴さん「本気で死ぬと思いました。といってもまあ、実際は別に死なないんですけど・・・」宇宙服を着た船外での活動中に、宇宙服に空気を送るバッテリーが切れそうになり、髙階さんはかなり焦っていた。なにしろここは「宇宙」であり、バッテリーが切れるということは、すなわち「死」を意味するからだーー。 2019年2月から3月にかけて、4人のクルーが16日間にわたり閉鎖された環境で過ごす「模擬宇宙生活実験」が千葉県船橋市の元南極観測船「SHIRASE」船内で行われた。企画したのは極地建

        • 模擬宇宙生活実験の管制官

          地球から火星まで往復3~4年。その長い旅に関わるのは、飛行士だけではない。同じ期間、地上で見守り続ける人たちがいる。「管制官」はその象徴的な役割だ。 北極冒険家の事務局・栗原慶太郎さん将来の火星飛行を想定し、閉鎖環境で過ごす実験が近年、アメリカをはじめ世界各国で盛んに行われている。だがそのどれもが飛行士に注目したもので、管制官を想定した実験はほぼない。2019年2月から3月にかけ、千葉県船橋市の元南極観測船「SHIRASE」船内で行われた実験では、管制官が2名配備された。

        北極のフィールドアシスタント(下)

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          村上祐資|FIELD architect 他

        記事

          日本で行われた「模擬宇宙生活実験」

          「誰もが宇宙に行く時代」に問われること人類が月に降り立ってから50年が経った。世界の関心はいま再び月、さらにはその先の火星に向いている。 かつて国家的ビッグプロジェクトだった宇宙は、いまや大学の研究室やベンチャー、町工場までもがプレイヤーとなり、多くの民間資本がそこに関心を寄せる開かれた存在になった。だれもが宇宙を目指せる時代、自分は無理だとしても、自分の子どもはもしかして月や火星に行くかもしれない、そんな気にさせられる。 実際、いま世界各地で人が長期の宇宙飛行を想定

          日本で行われた「模擬宇宙生活実験」

          nativeとは

          厳しい環境の中にこそ、美しい暮らしがある これは極地建築家・村上祐資の信念だ。地球上で「極地」と呼ばれる場所は、牙をむいた自然が目の前に迫り、人を容易には寄せつけない。だが、そんなところでも人は暮らしを続けている。日本の南極観測隊はもう60年以上、雪と氷の地で暮らしをつなぎ続けてきた。富士山の山頂で観測を続ける人、あるいはヒマラヤのベースキャンプで登山家を見守る人たちもいる。村上はそんな場所に出かけては、もう1000日以上、暮らしてきた。建築家としての関心は、極地の暮らしのな