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Shopifyレコメンドアプリの開発から考察するECの顧客体験(CX)の重要性

徳満 翔平 / Shohei Tokumitsu

こんにちは。

本日は、ECの顧客体験について、レコメンドアプリを開発しながら感じたことを整理していこうと思います。

EC上における顧客体験は、以下の図のようにサイト訪問~決済が、メインで、決済(購入)後からの商品が届く過程や返品についての領域も顧客体験の一環となります。

作者作成

商品を販売する上で、販売する場所(実店舗・ECサイトともに)の「顧客体験」はとても重要です。
近年、オンラインショッピングを楽しむ人が増え、ECサイトの競争率も上昇し、サービスの質がより問われるようになってきています。

ECが進展してきた、2000年代後半から2010年代前半にかけては、ECで出店している人達も多くなく、出展して、広告を出せば売れる、というような時代もありましたが、SNSが隆盛し、ユーザーは様々なサイトやSNSを介して多くの情報を得る事ができます。

また、情報がたくさんある中で、特定のサイトで買い物をし、リピーターになるのには、商品の魅力だけでなく、ECサイト上で、得る事のできる体験や、口コミなどの他者の購入体験が強く影響していることがわかっています。

1,これまでのEC体験とは

これまでも十分にEC体験の中で、以下の手法は行ってきているブランド様は多いと思います。

改めて、何が違くて、何が必要になってくるのか、という観点で整理していこうと思います。

ECの顧客体験を向上するための、特にこれまでメインとなっていた3つの手法を記載します。
(既に取り組んでいるブランド様も多いと思うので、読み飛ばして頂いて問題ありません)

以下、3つの観点で整理していきます。

・OnetoOneマーケティング(セルフ)
・Web接客(セミオート)
・レコメンド(セミオート/オート)

***

OnetoOneマーケティング(セルフ)

One to Oneマーケティングは、一言で表すと、パーソナライズです。顧客一人ひとりに合わせたマーケティング活動で、セルフ対応(手動対応)で、運用ノウハウが必要です。

利用者は、それぞれ違った趣味趣向があり、年齢、性別、職業等、状況や置かれている立場、行動範囲も異なります。

顧客のニーズや購買傾向を理解し、それぞれに適したコミュニケーションが必要となります。

代表的な手法としては

マーケティングオートメーションを活用→メルマガ(DM)、クーポン
広告施策→広告(リターゲティング)

店舗があれば、CCCM(クロスチャネル・キャンペーン・マネジメント)を活用してWebの閲覧履歴に応じてクーポンをEメールやハガキなどで送付し、Webや店舗への再訪を促したり、位置情報を使ったプッシュ通知で推奨商品のキャンペーン情報を送って近隣店舗へ誘導するなどがあります。

マーケティングオートメーションを活用した解決策は、手動であるという点で、人的工数がかかる点が、小規模EC事業者としての運用の課題になります。

Web接客(セミオート)

One to Oneマーケティングとも少し重なる部分ではありますが、Web接客ツールは、ECサイトに訪問した閲覧ユーザーに対し、チャットボットやポップアップ、プッシュ通知などを使って接客するツールです。

閲覧ページや過去の閲覧履歴からシナリオを設計して設定しておくことでOne to Oneのオファーを行うことが可能です。

主にツールの活用で、シナリオ設計を行うことも多いので、マーケティングの知識が必要です。

レコメンド(セミオート/オート)

Amazonで商品を購入した際には、「この商品を買った人はこんな商品も買っています」、「一緒に購入されてます」と、どの商品詳細ページにも表示されます。

筆者撮影

このようなおすすめ商品の提示には、ユーザーの行動履歴(購入、閲覧など)に基づいた「協調フィルタリング」というレコメンデーションエンジンが利用されています。 レコメンデーションの仕組みには、このようにユーザーの行動履歴をもとにした「おすすめ商品の提示」のほか、「人気商品ランキング」や単純な「閲覧・購買履歴」を提示するものなどがあります。

筆者作成

一般的に、レコメンドエンジンは、データ活用して機械学習の観点で、自動で商品を推薦するので、運用者の手間がかからないような仕様になっているケースが多いです。
(手動で設定できるレコメンドもあり)

図のように、サイトの訪問~決済までユーザーが

・離脱を防止する提案
・回遊促進

がメインで、気づかせてあげる取組みでもあります。

・購入決定支援
の文脈では、「この商品は、このストアで一番売れてます」というような
表記の仕方で、提案する場合もあります。

ただレコメンドで提供できる提案としては弱い部分があり、レコメンドの場合は、比較検討に乗せる、ための認知的な機能が強く、購入を動機付けるためのアプローチとしては弱いです。

2,これからのEC体験

ECサイト内の足し算と引き算の使い方と使い分けが重要なのではないか、
というのがこれからのEC体験のポイントだと考えています。

①ECサイト内の足し算

Web接客のチャットボットやポップアップ、プッシュ通知などとレコメンド、またOnetoOneマーケティングも同様ですが、レコメンドは、よりデータを活用した、属人的な観点を排除した運用ができる点がポイントです。

OnetoOneマーケティングもWeb接客もレコメンドも、顧客単価や注文件数を上げる、というきっかけにはなりますが、コンバージョン率を上げる、という最後の一押し(コンバージョン)までできる解決策ではありません。

なぜなら、OnetoOneマーケティングもWeb接客もレコメンドも、選択肢を拡げる、という観点で、情報を提供・提案する足し算の手法です。

足し算ばかりしていても、選択肢が広がり、最終的な意思決定を下すことはできません。

②ECサイト内の引き算

特に対象のECサイトで購入したことがない初期顧客に対しては引き算の提案が必要だと考えてます。

引き算の提案は、顧客体験の文脈でいうと「購入しない理由を排除する」ことができているか、という点が大きな焦点だと、私は考えております。

特に初期顧客が、「購入しない理由」になるような観点でいうと、例えば

・送料の負担金額ライン
・返品リスク
・サポートや保証
・最適な決済手段の有無の提供
・試着のトライアル化

等、障害を除く系の価値が重要だったりします。

アパレル領域では、ゾゾタウンが返品リスクやトライアル化、パーソナライズ化の事業をやっていたことがあったり、今もやっていたりします。

Shopifyアプリでは、コンバージョン率向上に特化したアプリが出てきていたりします。

また初期顧客と既存顧客の主な共通点として

・商品力(機能的な価値)の価値と価格のパフォーマンス
・商品の客観的な視点(レビュー)

が挙げられると思います。

3,実際の運用について

分かっていても実際は業務に落とし込んで運用することは難しい、というのが正直なところで、運用時も様々な観点やその時の課題で考えていかなければならない、という点があります。

実際考える過程で

1,事業課題
2,社内人員課題
3,運用方法(人的工数で動かす、自動で動かす)
4,課題のターゲットの違い
(新規顧客/既存顧客、どちらを優先する施策なのか)

等、変数が沢山あり、なかなか施策の方向性を決められない場合もあります。

ECサイトにおいては、デバイス上でしか得られない情報なので、情報の質や量が店舗と異なります。
店舗と比較して、触ったり、着たり、匂ったり、五感を使えない

しかも、リアルタイムで接客ができなかったりすることもあり、顧客体験を作ることの難しさは一定あります。

私が自分でECサイトを運用する中で痛感する観点ではありますが、レコメンドやWeb接客だけで完結こともなければ、MAやCRMで完結することもないと思っています。

・商品力
・サポート
・ブランドコンセプト

等、目に見えるモノ(商品やサポート)から目に見えないコト(ブランド)、そしてデータ活用まで、一貫した顧客体験作りが必要なのではないか、というのが現在の仮説であり、私の中の答えであると思います。

そのために、ShopifyのECサイトは、汎用的に自社のEC体験をより良くするためのアプリが揃っていると思っています。

次回のnoteでは、一貫した顧客体験作りをどうすればいいのか、考えていきたいと思います。

手間をかけずにLTV向上を図りたい、Shopifyブランド様は、ぜひ無料期間中にご利用くださいませ。


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徳満 翔平 / Shohei Tokumitsu

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