ノンプログラマがGASでバリュエーションツール作ってみた
国内初!利用目的に応じて算定方法が変わる自動バリュエーションツールを、エンジニアではないプログラミング初心者が作ってみました!
M&A、IPO、エクイティファイナンスの3つで算定ロジックが変わります。
M&Aと株式上場を比較検討するオーナー企業や、
EXITを見据えて事業会社の出資とM&Aを視野に入れるスタートアップを
私自身、投資銀行出身、一応VCにいた、事業会社のM&A/出資担当として、多く見てきたので、そういう仕様にしました。
1.なぜ作ったのか
上場企業の経営企画で働いていると、無数のM&A案件が舞い込んできます。
要は「こんな会社が売りに出ていますが、興味ありませんか?」
という営業です。ですが実は皆さん
「買い手の目線が、全然、分かっていない・・・!」
買い手に営業しているのだから、分かるはず、なんて理屈は通用しません。
それもそのはず、カウンターパートとしてよくよく業界を分析すると、
M&Aは売り案件の獲得が大変だから、オーナーを口説く営業マンが殆ど
なのです。※業界にはちゃんと知見のある方もいます。詳細は追って。
売却相談を引き受ける営業活動も凄いと思うのですが、餅は餅屋。担当者の経歴を見ると、オーナーを口説くスキルを不動産営業や保険営業など個人営業で身に着けて、M&A仲介会社に入った、という方が大半なようです。
トップセールスとしての営業力やタフさは確かに凄い!
でも、バリュエーションはできない・・・それもそのはず・・・
買い手の目線に立つと、「投資対効果」の目線で売り案件を見ます。ので、本来ファイナンスの理論を踏まえた上で、企業価値評価を行うべきです。
ただ、ファイナンス出身だからこそ分かるのですが、理論は一朝一夕に身につくものではありません。とてつもない「お勉強」が必要です。(一般に「外資系投資銀行」と言われる、石原さとみと結婚できちゃうようなエリートが、会社に入るや否や死に物狂いで必死に勉強して身に着ける代物です。
(そんな簡単に分かってたまるか・・・)との声が聞こえてきそうですね。
とはいえ、上場企業も必ずそんな人雇えるかというと、そうではありません。※私の上司がたまたまエリートで、会社にも知見がありました。
ということで、結果的に、中小企業のM&A相場はとてもざっくりしています。経験ある買い手はそれを分かった上で、中小企業M&Aの「相場観」と「ファイナンス理論」を並べて企業価値評価を行っているのが実態です。
なので、これ、営業マンには正直、カンタンには分からない理屈なのです。
買い手営業もご縁なので、個社の論理を深堀りする余裕なんて、営業してたら無いでしょう。人間のキャパシティには限度がありますので、仕方ない!
(私なんかは逆に「御社、売りに出しませんか?」なんて営業できないし、案件持ってきてくれるだけで有難いです。)
ただ、買い手として働いていると、買い手の理屈が分からないことが原因で、「お流れ案件」になっている売り手さんを何社も見ることになります。
買い手から見て「正直この値段じゃとても買えないよ・・・」という会社。
M&A仲介A社「この会社ご興味ありませんか?実は売りに出ていて」
私「いやぁ正直、この条件では・・・」
1年後。
M&A仲介B社「こんな会社が売りに出ています?ご興味は?」
私「(どこかで見たな)ちょっと高くて手が出しにくいですね・・・」
さらに1年後。
M&A仲介C社「ここだけの話、このような企業が売りに」
私「(またあそこだ)すみません、以前お話があり一度お断りしてまして」
結局3年間くらい成約せず、情報だけ流れていく会社さん。これはまさに、「買い手の目線が分からない」ことの悲劇ではないでしょうか。
見ず知らずの会社さんとはいえ、流石にいたたまれない・・・
そんな実情を知ってしまいました。
そこで、買収実務の目線から買い手の相場感を算出できるツールを公開し、このような悲劇が少しでも減るようにとの想いでnoteを書きました。
2.どう作ったのか
その気になればできる人はいると思いますので、ざっくり書きます。
バリュエーションは普通Excelでやりますから、
それをスプレッドシートでモデル組んだだけです。
後は、必要な情報のインプットをアンケートフォームで作って、入力値がスプレッドシートに反映するようにする。
で、スプレッドシートに値が入ったことをトリガーに、「スプレッドシートのモデルで計算する」「計算結果を返す」というプログラムをそれぞれ実行
・・・と書いてしまえばカンタンなのですが、初めてプログラミングしてみて思ったのは、
コード動かすって大変だな・・・ ってこと
エラー何度も吐き掛けたし、シンプルなコードではないので、
書くのに分岐や構造をざっくりノートで構成して、コーディングする。
一発OKなんでありえないのがコーディングなので、デバックでテストして、エラーの在り方を見つけて、要因を特定して、対処する。
そういう常識も、プログラミングの型も分からないから、ググって調べる。
ググってもぴったりの答えは無いから(ニッチなニーズなので)
それぞれのパーツを調べて、編み込んで、再構成する。
・・・普通に1回1回バリュエーションする方がよほど簡単じゃん・・・
ということで、自動化ってラクじゃないのも身に染みて分かりました。
ただやはり、世の中には「買い手の目線」が分からないことで苦労している方が沢山いらっしゃる、という実情が目に余るし、
なんなら分かってもらえると買い手は嬉しい(話が早い)し、
そもそも相場と乖離した条件で買ってもうのは相当大変なはずなので、売り手もハッピーなはず・・・!
ということで昨年末から1ヶ月、バリュエーションのロジックと魂を夜な夜なコードに実装し(Webの組み込みだけはプロに手伝ってもらいました)
早速、証券会社時代の先輩の会社に実装してみました!
気になる方は使ってみてください!
そして感想頂けたら、人のために役立てます!!
※現在は、価格からではなくM&Aの目的と戦略からコミュニケーションを取るため、ツールの利用はクローズしました。
▼参考▼
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#人に優しく #石原さとみ #ゴールドマンサックス
#私は良いんだ嫁がいる #GSはガソリンスタンドじゃない
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