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【書籍レビュー①】採用100年史から読む人材業界の未来シナリオ

こんにちは。しょうへいへいです。
私事ですが、直近で人材業界(HRTech)で働くことにしたので、勉強のために1冊手に取ってみました~。

【特に読んでほしい人】

・人材業界で働いている方(自身の位置づけが整理できます!)
・これから人材業界を目指す人(業界を体系的に理解できます!)
・転職活動をしている(する)人(活動ツールを比較できます!)
・未来の採用トレンドをつかみたい人

【この本から得られること】

・人材業界の歴史変遷(過去→現在→未来)
・各リクルーティングビジネスのビジネスモデルを図で理解
 →求人広告・人材紹介・スカウト型・SNS型など多数
・今後中心となる採用手法とその理由
・ソーシャルリクルーティングへの理解

それではさっそく、要点と所感を整理しながらお伝えしていきます~

【要点①】人材業界の歴史変遷(過去編)

なかなか興味深いものがありました。

語るべきは江戸時代から!!
江戸時代=初めての人材紹介業?

士農工商の時代、縁故採用(血縁や地縁を重視)が基本のため、縁故がない奉公人は働き口になかなかありつけないという現状がありました。そこで『口入れ屋・人宿』という業者が縁故のない奉公人の『身分保証人』となる形で斡旋を行っていました。秀逸なのは、『奉公人』『奉公元』の両社から収入を得るビジネスモデルを確立していた点です。
→これが人材紹介業の始まりと言われているようです!!

次に特筆すべきは、明治時代!!
明治時代=初めての求人広告業?

これは当時の新聞の広告欄だったそうですが・・・
なんと『乳母』の募集です!(驚)

『報告 乳母を雇い入れたいので心当たりの者は(中略)お尋ねください。本乳にして乳さえよろしいならば給金は、他のところより高く差し上げます』
                          ※書籍より引用

ここから時代の変遷とともに、様々な職業の公募が始まっていきます。

続いては、1970年代
本格的な求人広告ビジネスの誕生です。
・・・そう!!誰もが知るリクルートです!!

始まりは、新卒領域です。企業からの求人を情報誌で一覧化し、『企業への招待』という情報誌を学生に配布をするというものでした。
求職者(学生):いちいち支援課に求人を確認するのが大変
企業:学生への認知度を高めたい
という両者のニーズを同時解決する画期的なものでした。
※ちなみにパーソルの始まりはアルバイト専門求人でスタートしました。

その後『株式会社人材情報センター(現リクルートキャリア)』として中途領域にも広がりを見せます。
(オイルショックで新卒領域のビジネスが鈍化し、第二の矢としてリクルートが関連会社を作りマネタイズした領域みたいです・・・・興味深い!!!)

ビジネスモデルについては長年苦労したそうです!!
こんな流れで現在の『成果報酬』にたどり着きました。

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【要点②】人材業界の歴史変遷(現在編)

こちらは最近知名度があがってきたツール群の活躍です!!
一言で表すと『ソーシャルリクルーティング』です。

<SNSで求人(企業の魅力)を拡散できるサービス>
・Wantedly(ストーリで心を震わせる)
・LinkedIn(企業によるダイレクトスカウトが可能)
<よりリアルな情報を求職者に届けるサービス>
・Openwork(企業の口コミが様々な観点で知れる)
 →広告費ではなく成果報酬です!!秀逸!!
・MyRefer(リファラル採用)
 →優秀な潜在者層にアプローチできる

そしてIndeedです!!(この本では市場のディスラプターとして大きく取り上げられています。)
アグリゲーション型求人検索エンジンと呼ばれるらしいのです。
ネットで出ているすべての求人をSEO上位検索により表示させるという凄技です。様々の求人広告の会社がありますが、極端な話すべてIndeedで事足りてしまうのです。恐ろしい・・

【要点③】人材業界の歴史変遷(未来編)

ポイントはずばり!
『これからどんなビジネスモデルが生き残っていくのか』

結論からお伝えします!

これまで求人広告+人材紹介が2大市場でしたが、業界図が大きく変わると予想されています。※2030年以降を想定
↓ こんな感じです。

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どの領域も完全に無くならず、共存していくものの、より『優秀な人材』を『手間なく』『安く』採用できるツールが勝ち残っていきます。
※この2軸を表にしたのが上の図です(本著引用)

そして、『企業の採用力』第2領域で差が出ると筆者は強調されています。
これは、その通りだと思いました。
いかに企業の魅力を世に知らしめ、ミスマッチなく入社しエンゲージメントを高められるか。これが企業人事の責務になるのでしょう。

おわりに

これから、ますます雇用の流動化が進んでいきます。
そして、複数社経験している人材が重宝される時代が遠からずやってくるのだろうと感じました。

何よりも、『転職=悪』ではなく、何度でも前向きに挑戦ができる世の中になっていくことを願いたいものです。

是非一度お読みくださいませ~


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