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異動強者のポータブルスキル

ちょっと前から聞くようになりましたが、「ポータブルスキル」というものがあるらしいです。「特定の業種・職種・時代背景にとらわれない能力」という意味だそう。
年が明けてそろそろ異動の季節です。未経験の部署への配属や新しい仕事を始める方もいらっしゃると思います。僕はいろんな部署を転々としてきました。そんな僕がそれぞれの部署でそれなりに仕事をしてこられた理由を棚卸ししたら、役に立つかなと思いまとめてみます。ちなみに、紹介するのはそこでの仕事が何とかこなせるようになる程度のスキルなので、成果を出したり評価されるようになるのとはまた別の話です。

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小売業に勤めている僕の異動遍歴ですが、こんな感じです。

①現場の農産担当(約2年で4店舗を経験)
②本部で現場作業に関わるマニュアル作成
③本部でお菓子とアイスのバイヤー業務
④行政に出向
⑤本部で乳製品のバイヤー業務

バラエティに富んだ業務をしてきました。社内の人や取引先が聞いても驚く異動の幅みたいです、、、(③と⑤は業態が違う小売の部署での仕事でした)

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僕のポータブルスキルその1 自分で調べる力

まず第一にあげるのは、自分でその仕事に関係する情報を調べる力です。たとえば、仕事の流れとか仕事に必要な資料とかを、関係ありそうなパソコンのフォルダを探索したり、紙ファイルを引っ張り出して探します。
「人に聞いた方が早いじゃん」というのも十分に分かりますが、まずは自力で探します。同僚や上司もヒマではないので、自分の力でどれだけ情報を集められるかはけっこう重要です。正直、いちいち聞きに行くのもめんどくさいというのもあります、、、(嫌な態度をとられることもあるし)
調べていくうちに、仕事の内容や必要なスキル、関係する人や部署等もわかってきます。基本的なパソコンスキルや用語とかは、ネットで調べればすぐ出てきますし、新鮮な野菜の見分け方や商品のトレンドのような業務に役立つ情報も意外と出てくるので何でも一回は調べておくクセをつけておいた方がいいと思います。

いろいろな仕事をしてきた中で、まず調べた方がいいと思うのは、
・使用するシステムの操作方法
・仕事のスケジュール感(一日・一週間・一か月・半年・一年の流れ)
・資料や提出物のフォーマット
です。

システムの操作方法は言わずもがなですが、仕事のスケジュール感を把握しておくのはホント大事です。資料の締め切りや毎週何曜日にやらなきゃいけないこと、毎月何日までに出さなきゃいけないものを把握しておけば、そこから逆算してスケジュールを組むことができます。これをしておくだけで気持ちの余裕が違います。また、資料のフォーマットがあるのであれば早めに入手しておきましょう。せっかく作ったのに「これじゃない」と言われることもありますし、あらかじめフォーマットを見ておけばどういう情報が必要なのかも分かって作業の無駄も減らせます。

「まず自分で調べる」の効用はほかにもあって、「あいつは手がかからなくて助かる」という評価を得ることができます。放任されすぎるのも大変ですが、ある程度ほっといておいて良いと判断されれば誰かに仕事を監視されている感も無くて、比較的自由に動けます(いちいち報告を求められるの結構めんどくさい)。そうやって、たまに息抜きをしたり(仕事をさぼったり)、業務時間中にプライベートのことをしたりもできます。なにより、自分で調べたことの方が覚えられる気がします。

僕のポータブルスキルその2 周りに聞く力

いくら自分で調べる力を鍛えても、どうにもならないことがあります。資料に残せない情報だったり、言葉にできない感覚的なことだったり。そもそもマニュアル等が整備されていなければ、結局分かる人に聞くしかありません。ある程度調べて分からなければ、さっさと聞くことです。着任してから時間が経てば経つほど聞きづらくなるので、まだ日が浅い、その部署や業務の初心者であるうちに聞いておいた方が、周りも「まあ始めたばかりだからしょうがないよね」的な感じで教えてくれます。
なんの情報が残っていて、何が残っていないかを知るために、業務に関する資料や情報はざっくりでもいいので早めに目を通しておいた方がいいです。何か分からないことに出くわしたとき、「たしかフォルダや資料に残ってなかったから誰かに聞こう」と判断できるからです。

着任して日が経ってからでも、わからないことはあります(これまで運よくそういう事態にならなかったとか)。そういう時も恐れずに「わからないんで教えてください」と聞くことが大事です。異動や転職が多い方は分かるかと思いますが、年下で自分より歴が長い人もいます。そういう人にもためらわず教えを請いましょう。分からないのはしょうがないことです。だって初めてなんだから。あらゆる事態を想定して、誰かに聞かなくていいように勉強しておこうというのは無理があります。量が膨大ですし、それこそこの先何が起こるのかなんてわかりゃしません。なので、ある程度であきらめて、あとは起きた時に何とかした方がいいと思います。実際、それで何とかなってきました。

人は意外と聞いたら教えてくれます。「迷惑かなぁ」と思っても、先延ばしにした方が問題になることが多いのでさっさと聞きましょう。そういうことは、自分で悩んでいても解決できないことの方が多いです。「聞くは一時の恥。聞かぬは一生の恥」ってやつです。
案外聞いてみたらなんとなく続けてきたことだったりもして仕事改善の糸口になるかもしれません(たまにその仕事の闇に触れることもありますが)。

僕のポータブルスキルその3 責任感

これは自分の性格なので、万人に活用できるものではありません。なので、さらっと流し読みしてもらって構いません。

根がまじめで責任感があるので、望まぬ異動だったとしても「自分がちゃんとこの業務をやらなきゃ」と思ってしまいます。これが僕の仕事のモチベーションです。モチベーションってポジティブなイメージがありますけど、2種類あると思います。この仕事が楽しい、めっちゃ好きなんですという前向きなモチベーションと、自分がこの仕事をやらなきゃ、締め切りが迫っているという後ろ向きなモチベーションです。僕はどっちかというと後者の方で仕事しています。

正直、「なんでこんな仕事をやらなきゃいかんのだ」「ほんとめんどくさい」って思うときもあるんですが、ちゃんと締め切りには間に合わせます。自分がそういう性格だと知っているから、「まあ結局ちゃんとやるんだよな」って思いながら、さぼったり現実逃避したりしています。

自分の性格を知るというのは大事です。こういう時はこういう行動しがち、こうなったら結構ヤバイというのを知っておくと、そろそろ休まなきゃなとか、ここまでは頑張った方がいいなとか自分をコントロールできるようになります。自分の取扱説明書を作っておくという感じでしょうか。自分のやる気の出し方や思考のクセを知っておくのは、仕事だけじゃなく生きていく上でも大切なことだと思います。

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3つの僕のポータブルスキルを紹介しましたが、まとめると「自分の性格を知り、まずは自分なりに努力をして、できなかったら人に頼る」という感じです。
僕の事例が少しでも皆さんのお役に立てばうれしいです。