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行きつけの店とコスト志向

学生の頃から変わらずに通っている店が何軒かありますが、最近ふと「なんで毎回行っているんだろう」と疑問に思いました。もしかしたら他の店に行った方がコスパが良かったり、新たな出会いがあるかもしれないのに。

そこには、目に見えないいろんなコストがあるんだろうなぁということを感じたのでまとめておきます。

ヒトはリスクを嫌がる生き物

ヒトは何かを損するのと得するのでは、損のほうが2倍大きく感じるという心理学の理論があります(プロスペクト理論)。つまり、コインを投げて表だったら1万円もらえて、裏だったら1万円払うみたいな状況では、ヒトの心理としては「1万円得するか、2万円損するか」みたいな状況になっているということです。(実際はこんな簡単じゃないでしょうが)

私がどこか店を選ぶとき、心の中ではこんなリスクを考えています。

「雰囲気よくなかったらどうしよう」
「料理が美味しくなかったらどうしよう」
「相手の好みに合わなかったらどうしよう」

こういうリスクが心理的コストとなり本来のお店の価格に上乗せされていって、行きつけの店の価格と比較されることとなります。これらの目に見えない心理的コストを踏まえて行きつけの店と競争した結果勝たなければ、「いつもの店に行こう」という選択になるのだと思います。(個人的には、行きたいお店を探す時間もコストに乗っかってきます)

お店側はこういう負担を減らすために、クーポンや情報発信に努めてらっしゃるのだと思います。ただ、プロスペクト理論を考えると、お客さんが感じているコストはお店側が思っているよりも高いのかもしれません。
逆にいえば、一度気に入ってもらえばお客さんはなかなか離れないとも言えるので、お店のファンを作る戦略が効果的だと思います。

本当にそれはコストなのか?

お客側の目線でリスクやコストを挙げてきましたが、一度立ち止まって考えてみると、本当にそれはコストと言えるのかという疑問もあります。

冒頭で書いたように、今まで行ったことのないお店に行けば、新たな出会いがあるかもしれません。今、あなたが考えているコストはコストではなく、もしかしたらそういうステキな出会いのための投資なのかもしれません。

現状維持というのは居心地の良く離れがたいものなんですが、たまにはエイヤと新しいお店にチャレンジしてみると良いことがあるのかもなぁと思いました。


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ファンベース/佐藤尚之