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うしろ頭にひかれる謎1

この記事は、なぞらじ第2回「うしろ頭にひかれる謎1」のnote版(文字起こし)です。ボーロとゲストのわたあめさんが「ひとのうしろ頭から醸し出される独特の魅力」について迫ります。音声で聞きたいという方は、ぜひ動画をご覧ください!(文字起こしをしてくださったぶたろうさんに多謝!)

うしろ頭にひかれる謎

ボーロ:始まりました、なぞらじ。第二回はですね、今日はわたあめさんをお呼びしております。わたあめさんと話したい謎があるんですよね。

わたあめ:はい、『うしろあたまにひかれる謎』。

ボーロ:ですね。『うしろあたまにひかれる謎』。これはむずかしいですよね。うしろ頭に惹かれるっていうことはまず間違いないんですけど、何なのかよくわからないですよね。

わたあめ:そうですね。うしろ頭に惹かれちゃうんですけど。それをなんでなのか、ちゃんと考えたことないですね。

ボーロ:何でなんでしょうね? 聞いている方わかりますかね? うしろ頭に惹かれる気持ち。ぼくがね、うしろ頭に惹かれる気持ちを言うとしたら、こんな感じかなってなるんですけど。なんかね、すごい喧嘩してる相手とか、この人嫌いだなって思ってるようなそういう相手でも、その人のうしろ頭をみると、なんとも言えない気持ちになるんですよね。

わたあめ:わかります。すごいわかります。

ボーロ:わたあめさんにとってはんな感じですか?

わたあめ:いまのボーロさんの例もすごく理解できるし、うしろ頭をみると、憎さがまったく取れてしまって。その人の憎しみか。すごく...生き物感が出てくる。一生懸命生きてるって感じ。

ボーロ:うしろ頭から感じるものにあるよね、一生懸命生きてる生き物みたいな感じ。うしろ頭の特にどこってある?

わたあめ:真後ろじゃないとだめですね。斜めとかの、顔がちょっと見えちゃうと感じはちょっと変わっちゃって。だから、本当に真後ろで、目が自分のほうをまったく向いてない、わたしのことをまったく意識してない、そういう姿。

ボーロ:ぼくはすごいわかるんだよなあ、それ。謎だよね。

わたあめ:ボーロさんが言ってた、すごい喧嘩してムカついたあとでも、ムカついた相手のうしろ頭をみると、許しちゃう/許せちゃう。これ、うしろ頭じゃないけどすごい似てると思うのが、お父さんが超ムカついたときにお父さんがごはんを食べてる姿とかをみると、なんか「まあいっか、一生懸命食べてくれ」っていう気持ちになる。

ボーロ:それもわかっちゃうんだよなあ。わかっちゃうからさ、言葉にしてくださいとかじゃなくてわかっちゃうんだよなあ、それ。どうなんだろう? ごはん食べてるときのうしろ姿も結構たまんないんですけど、人間に限らずさ、猫とか犬とかうしろ頭みせて食べるじゃない? あれとかすごく惹かれますね。どうですか?

わたあめ:たしかに。いまつい思い浮かんだのが、『千と千尋の神隠し』って映画あるじゃないですか? 千と千尋の神隠しの、お父さんとお母さんが大豚になってしまったときのシーン覚えてますか?

ボーロ:なんかたくさん食べてるんだっけ。豚になっちゃうんだっけ?

わたあめ:そう。豚になっちゃうシーンがあるんですけど、最初のほうに。食べてはいけない食べ物に手を出してたから、魔女に豚に変えられちゃうんですけど。その最初のシーン、主人公の女の子千尋がお父さんとお母さんを探して、食べ物屋の椅子に座ってる大きな豚のうしろ姿がふたつ映って。その豚たちがものすごい勢いで食べ物を食べてるシーンがあるんですけど。そのシーンですごい面白いのが、まだ後ろ姿が映ってるとき/段階では、まだ豚の醜さが現れてない。なんだけど、アニメの視点が豚の前のほうに移ると、一気に怖さとか、大豚になった、その豚のムシャムシャ食べる醜い姿が映し出されていて。それ思うのが、これってうしろ姿とかうしろ頭に対する純粋無垢さなのかな、と思ったんだけど。

ボーロ:千と千尋の神隠しの映画のなかに出ちゃってる?

わたあめ:うん、映画を作ってる人にとっても、後ろ姿っていうのは醜さを映さないものであるっていうふうに捉えられてるのかなと。

ボーロ:だとしたら、僕たちだけじゃないかもしれない。無垢さっていうのもあるね。ぼくはいま映画を思い浮かべようとして、映画をちょっとしか思い出せないけど、後ろ姿で食べてる姿を醜く描こうとしても難しいかもしれない、って感じちゃうかもなあ。

わたあめ:後ろ姿は醜くできないですよね?

ボーロ:ねえ? しかも食べてるわけでしょ? 顔はいくらでも醜く描ける感じがするのね。嫌な感じの顔とか。やっぱり、後ろ頭は違うんだよなあ。

わたあめ:なんでだろう? わたし、いま熊の置物をひっくり返してうしろを見てるんですけど。

ボーロ:なんだろう、どのへんだろう? 僕にとってはね、やっぱりというか、首の頚椎から上にかけてとか。首って後ろからみると、首の骨が真ん中にあるじゃないですか、真ん中にね。それは見えない人が多いと思うんだけど。だけどその横に二本、首を挟むようにしてハの字を反対にしたような筋みたいなのが上に上がっていってない? ぼくのうしろ頭で見える? あえてどこがっていえば、そのあたりとか、この襟足の感じと相まって。それとかあと、耳の後ろとかね。

わたあめ:たしかに。そっか、髪の毛が長くて、耳の後ろが隠れている女の人のうしろ頭に魅力を感じないんですけど、わたし。

ボーロ:いま想像すると、惹かれるっていうのはないかもしれない。ない。

わたあめ:同じ意味の「惹かれる」ですよね? かわいいとか。

ボーロ:そう、かわいいとか、そういうのは。ってことはなんだろう。

わたあめ:いまボーロさんが言っていた、首のうしろあたりが見えているっていうのが大事?

ボーロ:あーここが見えてないと、そういう惹かれる感情が湧いてこないってことか。

わたあめ:そんな気がしました、今。くまモンの後ろ姿もかわいいんですよ。

ボーロ:くまモン? くまモンをうしろから見たことないかもしれない。どんなんだっけ。
(くまモンのうしろ姿を調べる)

わたあめ:くまモンのうしろ姿はね...

ボーロ:くまモンのうしろ姿、ちょっといま見てよいですか、スマホで。みなさんももしよかったら見てみてください。

ボーロ:あーはじめてみたかもしれない! みなさんも見てますか? ああ、なんだろう。生え際っていうか襟足っていうかはないよね、動物だからか知らないけどさ。でも、なんとも言えない感じはでてるね。なんかちょっと愛おしくなるね、これは。

わたあめ:こんなのとか。

ボーロ:それは本物のぬいぐるみのやつだね。出てるね! なんだろう、すげー謎だよ、これ! なんだろうね、これ。

つづく


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