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内田将悟CEOインタビュー~世界一周から起業へ~

2024年1月、とある株式会社が産声を上げた。
「世界に誇る、明るい日本を築き上げていくこと」を至上命題とする
株式会社Qeightである。
CEOを務めるのは、内田将悟・27歳(2024年3月時点)。
彼の既成概念にとらわれないマインド、そして起業への思いを
高校時代からの友人に向け、ストレートに話してもらった。

異文化に触れ、世界観が広がった学生時代


――いわゆる”起業家精神”を持ち始めたのはいつ頃からだった?

「変わってきたのは大学時代からかな。大学1~2年は、夜に高田馬場で飲んで、朝帰って昼まで寝て…みたいな生活をしていた。友達は増えたけど、2年生の途中くらいに『何してるんだろう』って思って。高校も偏差値の高いところに入ったけれど、特に何かしたかったわけでもなく、早稲田でも同じで。やりたいことがそこまで明確にならなかった」

――そこで行動を起こしたと。

「そう、大学3年生の夏から約1年間元々興味のあった留学をして、結果的にはこの経験が今後の人生を変えたと思ってる。”自分の知らない世界の一部”を見て、日本とは違う生き方があることを学んだ。大学を卒業してからすぐ就活するんじゃなく、一定期間家族と過ごす時間を持つ人とか、旅行にしばらく行く人とか…。生き方の多様性の一部を見た」


大学時代はニュージーランドに留学していた(写真右上)

――留学して自分の思考が変化した。帰国後はどんなことを考えていた?

「日本の大学院に行く選択肢がまず一番に消えた。留学に行く前は早稲田の大学院に行けばいいかなと思っていたけど、学べることと時間とお金を考えたとき、『ない』と思ったんだよね。選択肢として考えていたのは①物理が盛んで、(元々興味のあった)宇宙も勉強できるイギリスかドイツの大学院に行くこと②パイロット③好きな国で現地就活のどれか」

――将来の選択肢のスケールが広がった印象を受けるね。

「イギリスの大学院に4つ受かったんだけど、『貯金全然足りない(笑)』ってなり、奨学金も落ち…。他の2つの選択肢も、あとからちょっと違うかなと思った」

――ということは、国内の就活に切り替え?

「海外の現地就活と日本就活を同時に進めた。就活の軸として『変化の速い、スタートアップがどんどん出てくる業界にいること+グローバル規模であること』があった中、結局Septeni Global(合同会社)に入社したね」

――就活が一段落してから社会人になるまでの期間では、世界一周をしたんだよね。この経験は、いまの内田将悟に大きく通じているんじゃない?

「そうだね。あるあるストーリーみたいになっちゃうけど、なるべく日本人が行かないところとか日本にいたら話せない人、そもそも日本人が知っている人がいないような国にずっと行ってた。加えてお金が80万しかなくて、それで8ヶ月旅するわけだから、めちゃくちゃ貧乏旅。だから4ヶ月以上、ずっと誰かの家に泊まらせてもらったんだよね。
現地のいろんな人と話して、日本にある情報やリソース、人脈との大きな違いを感じた。だけど、『やりたいこと、夢がある』っていう人はたくさんいる。だから『そういう人たちがやりたいことを実現できたらいいのにな』と思ったんだ」

――例えばこういう人と話したとか、覚えている話はある?

「ウズベキスタンでできた友だちは、日本のことがすごく好きで勉強していて、日本に行ってこういうことをやりたいという思いが強かった。ただ、ウズベキスタンは(日本への渡航が)簡単じゃない。あとはアフリカの子どもたちと一緒にサッカーをやったんだけど、あの子たちは裸足でやっていたから、普通にサッカーできたら良いなって」


ウズベキスタンにて(写真右端)


出会ったアフリカの少年たち

――日本だったら海外旅行もできるし、サッカーだって靴を履いてやれる環境が整っているから、直接話を聞いたら思うところはあるだろうね。

「今の日本は豊かな国だと思うけど、リスクがほとんどない状態で、リスクを取らずに生きていく人たちが多いと思う。例えば、周りにも『こういうことをやりたいんだよね。でも、時間ないじゃん』とか、やらない理由を探してやってない人がいる。環境が整っているのに、やらない日本人の多さと、やりたいことがあっても環境が十分でないからできない子どもたちの対比が、ここ(世界一周をしたタイミング)で生まれた」

従業員、フリーランス時代の日々とQeight創立までの歩み


――世界一周を終え、いよいよ社会人に。SEPTENI GLOBALでの日々はどうだった?

「新規事業の立ち上げをするプロダクト部に選ばれたんだけど、めちゃくちゃ裁量権があって、面白かった。『やりたい』と言ったら、やらせてくれる環境を作ってくれて、自由にやらせてもらったね。やっぱり会社に入った経験は大きくて、『会社はこういうものだから、資本主義が成り立っている』ところもかすかに見えたところがあって。会社は従業員が働けば働くほど、資本が蓄積される仕組みになっていることを感じ取れた」

――最後の言葉は、入社してすぐの会社員があまり思い浮かぶ視点ではないよね。

「働いているとき、『自分がここの社長だったら…』と思うようになってきて。もちろん業績を上げて、アワードとかをもらえることは嬉しい。けど、”もし自分が上の立場だったら”従業員のモチベ-ションをなんとしても上げて、会社でそのまま働いてもらいたい…みたいな考えを持つようになって。だから、『とりあえず従業員は違うかな』という選択に至った。あとは、コロナ禍も収まりはじめていたから、海外に行きたいなって(笑)」


SEPTENI GLOBAL時代、新人賞を受賞

――(笑)。いわゆるノマドワーカー的な立ち位置で働くことになったと。働き方とか生活はどうだった?

「システム開発関係とかWeb新規事業・Web3ブロックチェーン系の仕事など、常に3つ程度抱えていたかな。けど、全部で働いていた時間は、1日5時間くらい。世界一周をやっていたときは、急いでいろんな国を回っていたけど、フリーランスになってからは、一つの国にもっと長く滞在したいと思っていて。だから2ヶ月くらいおきに(海外を渡り歩いた)」


フリーランス時代。海外のカフェにて

――すごく楽しく、充実しているように聞こえるけど…。

「一日5時間働いて、海外で生活費を抑えながら暮らすっていうのは、そのときの理想だった。(海外の)語学学校にも行っていたけど、サラリーマンをやっていたらまず実現できなかったと思うし、学校生活に戻れたのもすごく良かった。おかげで英語・韓国語・スペイン語に加えて中国語もかなり話せるようにもなった。だけど、結局自分が何かやりたいとか誰か巻き込んでやりたいみたいなとき、自分に求心力がないと難しいと思ったんだよね。
あとは業務委託と並行しながら、DXのオリジナルサービスを少しずつ走らせていたんだけど、そこにもめちゃくちゃ違和感があった。自分の生活を維持するためにフリーランスで定期収入を保っていたけど、(オリジナルサービスが)サイドビジネスのような感じになってしまって、あまり力が入らない。もっと全力でやりたいとか、部活みたいにチームを組んでやりたい思いもあったね」

――自分のやりたいことに対して、もっと真摯に打ち込みたく必要性を感じたと。

「純粋に、資本主義的に経営者になるべきなんだろうなと思った。自分が自由をつかんでいきたい、やりたいことをやっていきたいとなったとき、フリーランスの時間を売ってお金を稼ぐ形だと、頭打ちがあるし、自分が働かないときにお金が入ってこない。要するに、やりたいことができるようにもならないし、自由にもならない。従業員やフリーランスとの対比としてビジネスオーナーと投資家がいると思っているけど、結局そちら側に動かない限りはお金が回らないし。生活水準を上げたいとか、これを買いたい、大きい家に住みたいとかは全くないけど、”本当の自由”には結びつかない気がする」

重要なのは、目の前のWhatではなく…


――いよいよ起業が近づいてきたように聞こえるけど、会社を立ち上げるまでの流れは?

「業務委託の仕事を全部やめたのは、23年の8月。起業すると決めたのは11月だね。なるべく(起業が)早いほうが良いというのは分かっていたけど、お金を借りてやっていくことにもなるから、若干の怖さがあった。けど、『リスクがある』考えがほぼ消えて、『やるしかないじゃん』となったのが11月」

――起業する上でこういうプロダクトを売っていきたいとか、大きなアイディアは持ってなかった?

「なかったし、全然なくて良いと思っている。『起業する』と言うと、『何のアイディアがあるの』とか『何のビジネスをするの』とか、『何のスキルがあるの』と言われたりする。ただ、そこは後から考えれば良いことだと思っていて。自分がなりたい姿とか、将来どういう形になってみたいか、何をやるとかは結局変わる。今思っていることだって変わるし、今できることは本当に関係ないと思っている。
それより大事なことは、形にしていく力、自分についてきてくれる人が増えていくこと、そして何かを実現するためにパッションを持ち、モチベーションを上げられること。だから、今はこれを売り出して世界に広めたい、ということはないかな。もちろん、そのうちあったらすごく良いことだとは思う」


パートナー企業探しの香港出張時

――今起こっていることに、全力でぶつかっていきたいということ?

「目の前のWhatに関しては、その場その場で最適解を見つければいいと思う。ただ、ゴールとなるビジョンはちゃんと設定して、いろんな人を巻き込んで一緒に面白いことをやっていきたい。今はDXやSES事業を主にやっているけど、そこはあまり重要ではないと思う。
ただ、将来的なwhatもなんとなくあるとは思っていて、そのうちの一つが貧困格差。どういう形になるかは分からないけど、ブロックチェーン上のネットワークを作って、富の再分配ができたらいいなとか。あとは学校が必要なところで学校を作れるような支援をするとか。世界一周でいろんな国に行って、いろんなものを見て助けてもらったりしたから、そういったことを実現したいとは思うよね。」

Qeightの現在、そして未来へ


――現時点での具体的なビジョンは?

「0から作っていきたいとか、常識にとらわれないアイディアをどんどん出していきたいメンバーと一緒に働いて、もっと規模を大きくしたい。場所やお金、宗教にとらわれず、その人たちのやりたいことや目指したいことを吸い上げて、一緒に実現していけたらいいかな」

――会社を立ち上げて、3ヶ月が経過したけど、今の生活はどう?

「人脈がめちゃくちゃあるわけでもないし、お金は海外生活でストリートフードを食べまくっていたから、その浮いたお金を工面している感じ(笑)。資本家ではないし、ビジネススクールに行っていたわけでもないから、知識もない。合っているか全く分からずがむしゃらにやっているけど、すごく楽しいよ。忙しいし、何が正解かも分かってないけど、めちゃくちゃ充実してる 」

――会社として、いま特に力を入れていることは?

「キャッシュが0になると倒産になるから、まずそれは絶対に避けないといけない。自分たちに何ができるのか、どういうバリューを出せるのかを考えながらPDCAを回しまくっている。どういうふうに人を巻き込んでいったらいいのか、どうやったら課題解決できるかを一から考えている状態。今は業務委託含めて5人でやっていて、取ってきた仕事をどう回すかという状態だけど、いろんな人の協力を得ながら、少しずつ大きくなっていけるような座組を作っている。(大きくなるために)1年、2年は絶対必要だけど、それぞれが自分で考えられるようになって、うまく循環できるのが理想かな」

――では、最後に内田CEOから、同年代の方々に向けてメッセージを!

「『これやってみたいんだよね』とか、『こういうのがあったらいいよね』というのを言ってくれる人はけっこういて。ただ、そうはいっても、それを実現できている人は5〜10%くらいの感覚で、すごくもったいないなと。方法とか形はなんとでもなるから、夢を持っているのであれば、それを実現するために動く人が増えたら嬉しいです。勉強すればできることは多くなると思うし、”なんとなく生きている”ことはすごくもったいない。勉強して形を作って…ということをやっていけば、きっとそれが花開くと思っているし、夢に向かって動く人が増えたらいいなと思っています。そして、自分たちのビジョンに共感してくれる人、何もない状態から作っていきたい人に会えたら面白いなと思っています!」

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インスタ:https://www.instagram.com/shogo_life_journey



取材後記

ここまで読んでいただき、ありがとうございました!
皆さんは彼の考えや思いをどのように感じましたか?
中には「経営・社会を甘く見るな!」と思う方もいらっしゃったかもしれません。
かくいう私自身も、そう簡単に事が運ぶとは思っていません。
ただ、10年来の友人として間違いなく言えるのは、
内田将悟は純粋なる、真の開拓者精神を持った男
根気強く物事に打ち込む、諦めの悪い男でもあります。
少しでもこの記事に共鳴する部分がありましたら
明るい未来を作るため、ぜひ内田将悟と話をしてやってください。
株式会社Qeightを、よろしくお願いいたします。

Text by Takumi Fujii(xアカウント:https://twitter.com/TakumiFujiii

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